介護現場で活用出来る!身体介護(入浴介助)

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介護現場で活用出来る!身体介護(入浴介助)

入浴は身体を清潔に保つだけではなく、精神的を落ち着かせる作用があります。介護施設を利用している高齢者のなかには、入浴を楽しみにされている方も少なくありません。

今回は「入浴介助」についてご紹介いたします。事業所内で手順の確認を行い、適切な介護にご活用いただければ幸いです。


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入浴介助の大前提

利用者の安全・安心を第一に考えましょう

入浴は、床が滑りやすいため転倒の危険や、お湯につかるため心臓に負担がかかるリスクもあります。利用者の安全・安心を第一に考えた介助を実践しましょう。

環境に配慮しましょう

入浴介助は、利用者のADL・入浴環境(浴室の広さなど)に応じて臨機応変に対応することが必要です。

※Activities of Daily Living(日常生活動作)の略で、食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常生活を送るために必要な基本動作のこと

【たとえば・・・】

  • 浴槽のまたぎ・立ち上がりに不安
  • 転倒に危険性
  • 浴室にスペースがある
福祉用具の活用を検討
  • 下半身麻痺
  • 障がい者(主に身体障がい者)
  • バリアフリー工事が可能

リフトを使用して入浴できるものもあります。

住宅改修の提案

寝たきりの方

  • 住宅改修が不可能の方
  • 浴室環境では対応に困難

看護師も一緒に訪問するので安心です

訪問入浴介護サービスの提案

利用者の状態に応じて、職員二名での介助も可能です。利用者のADLと入浴環境をよく観察し、ケアマネジャーと連携をとりながら、介助をおこないましょう。また、二名で介助する場合は、ケアプランに明記してもらいましょう。

介助の方法

事前準備

利用者の身体状況を観察

安心・安全に入浴してもらうために、利用者の身体観察を事前に行うことは欠かせません。入浴の前後に必ず行いましょう

<チェック項目>         

  • 体調(顔色・熱・呼吸など)
  • めまいや頭痛など不調の訴え
  • 体の痛み
  • 皮膚の状態など

身体状況を確認した結果、入浴できなかった場合の対応策を、事前にケアアプランに明記してもらうようにしましょう。

異変に気づくには、日々の健康観察も重要です。下記の記事もあわせてご確認ください。

<注意点>

  • 入浴の前に排泄の確認(トイレは事前に済ませておく)
  • 空腹時や食後すぐの入浴はできるだけ避ける

入浴環境の確認

身体観察のほかに、環境の整備も大切です。入浴時は羞恥心に配慮し、プライバシー保護に努めましょう。

  • 段差の有無や床の滑りやすさを確認する
  • 室温を確認する

脱衣所・浴室の室温を適温に調整しましょう。窓を閉め、寒くないように室温を調整します。暖房器具が無ければ、浴槽のフタを開けるなどして蒸気で暖めておきましょう。

また、浴室と脱衣所の急激な温度差にならないよう注意しましょう。利用者の状態(ふらつきがあるなど)に応じて、着替え時に座る椅子を用意しましょう。

入浴に必要な物品(福祉用具)を準備、安全点検

  • 適切な高さに調整されているか
  • ネジがゆるんでないか
  • 滑り止めのゴムが擦り減ってないか 

福祉用具は、安心・安全に入浴が実施できるようにするために、非常に効果的な道具です。利用者の身体状況や障がいを確認し、利用者の現有能力(残存機能)を最大限に活用できるような福祉用具を活用しましょう。

浴槽のお湯の温度を確認する

利用者の好みもありますが38℃~40℃のぬるめに設定するのが適切です。

身体を洗う

  1. 温度確認する(利用者にも温度確認をしてもらう)
  2. シャワーイスに腰掛け、足元からシャワーをかける
  3. 血液循環を促すため末梢から中枢にむけて洗う
  4. 力加減は利用者に確認しながら行う
  5. 洗い忘れがないか確認する

<体を洗うときの注意点>

  • 石鹸のつけすぎに注意する
  • あまりこすり過ぎないようにする
  • 利用者が自分で洗えるところは任せる

頭を洗う   

介護施設のお風呂場の構図
  1. シャワーイスにしっかりと腰かけ、安定した姿勢であるか確認する
  2. 少し頭を前方に倒して頂き、洗髪をする。

浴槽をまたぐ       

  1. バスボードに腰を掛けて、健側から浴槽をまたいでもらう
  2. 患側の足で浴槽をまたぐときは、後方に転倒の可能性が高いので背中を支える

<注意点>

  • 浴槽をまたぐ際に着地する足がすべる危険性があるため、入るときも出るときも、着地部分に滑り止めマットを使用する
  • 浴室内のイスから立ち上がる際も、足元に滑り止めマットなどを使用し滑らない環境を作る
  • 浴室内は湯水や石鹸で滑りやすく、転倒の危険性がある。歩行は最小限にし、できる限り座ってもらうようにする(浴室内では、歩行=リハビリという考えは厳禁)。浴槽をまたぐ際も、浴槽のふちやバスボードに一旦腰を掛けてから、片足ずつまたぐようにしてもらう

入浴する   

スタッフがバスボードを外し、浴槽台へ座ってもらう

外すときには、バスボードが利用者にぶつかったりしないよう注意しましょう。

安定した座位姿勢をとってもらう

  • 介護従事者が手の平で腰部を支える
  • 浴槽内手すりにつかまってもらう
  • 滑り止めマットなどの福祉用具を効果的に活用する

湯船に入る目安時間は5分くらいにして、のぼせに注意する

<注意点>

入浴中の利用者から絶対に目を離さない

広い浴槽・深い浴槽は、おぼれる危険性が高く、生死に関わる事故を引き起こします。入浴中の利用者がおぼれないように絶対に目を離さないこと。また、万が一おぼれそうになった際にすぐに介助可能な位置にスタッフが待機していることが大切です。

利用者の入浴中、スタッフはその場を離れないことが原則

やむを得ず浴室から離れなければならない場合は、利用者の安全確保を確実に行いましょう。たとえば、浴槽内で入浴を続ける場合は「半身浴状態にするためにお湯を抜く」などの対応をとりましょう。

浴槽内での安全が確保できない場合は、一旦浴槽から出て頂きシャワーチェアーなどに腰を掛けて頂きましょう。その際、身体が冷えないようにバスタオルをかける、シャワーを体に当てておくなどの配慮を心掛けましょう。

浴槽から出るときも注意

浴槽から出る時の動き方イメージ
  • 健側の足を身体のほうに引き、踏ん張れる姿勢を作る(足を引き前かがみの姿勢)
  • 腰部を支え、ゆっくり立位をとる
  • 安定した立位を確認したらバスボードを設置し座ってもらう
  • 背部を支え、患側の足から浴槽をまたぐ

シャワーをかける           

上がり湯として、浴室を出る前にシャワーをかけます。

身体を拭く           

  • 清潔なタオルを使用し、軽く押し当てるように水気を取る(ゴシゴシとこすらないように注意)
  • 拭き残しがないか確認する

 ※ふらつきがある利用者には、用意した椅子に座って頂いてから介助しましょう。

入浴中・後も要チェック

利用者の安全を第一に考えた入浴介助を実践するために、入浴中は心臓に負担をかけ、体力を消耗することも考慮し、入浴前後の利用者の身体状況を必ず確認をしましょう

  • 顔色・気分・呼吸・疲労感などの利用者の身体状況を確認する
  • 入浴中は、多くの汗をかくため水分補給を必ず行うようにする
  • ドライヤーをかけるときには、頭部に近づけすぎないように注意する

※髪から30cmくらい離してかけ、顔や耳に直接熱風がかからないように注意しましょう!

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