4月から介護報酬改定の新体制がスタートしました。新任・入社・異動などがあった職員の皆さんは少しづつ業務に慣れてきたところではないかと思います。
利用者に適切に介護サービスを提供するには技術や知識も必要不可欠ですが、法令や行政の指導内容の遵守も重要です。また、施設などでの情報の落とし込みや共有も必要不可欠です。特に1ヶ月に1度の定期的に開催する会議は、職員間の情報共有と議論ができる重要な会議です。利用者の情報、法人からの情報を共有し、職員一人一人が正しく理解するためには、掲示・回覧による共有だけでは不十分なこともあります。できるだけ全員が全体会議に出席するよう周知徹底をしましょう。
今回は「会議の開催・参加と集団指導への出席、運営指導内容共有」についてご紹介しますので、皆様の運営改善にご活用いただければ幸いです。
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目次
1ヶ月に1度の定期的な会議は必ず毎月開催し、全職員が参加
菅理者、生活相談員などだけでなく、パート・夜勤専従を含む全職員が参加
1ヶ月に1度の会議は、法人からのお知らせや利用者の情報共有、よりよいサービス提供のための議論など、役職を問わず職員が意見を出し合える重要な会議です。議事録や資料の回覧だけでは確認漏れ、誤った解釈につながることもありますので、会議の場で見て・聞いて・質問することが大切です。開催時間の調整、変形労働時間制の活用、時間外勤務の申請をするなどして、なるべく全職員が参加ができるように工夫しましょう。
連絡事項の共有だけでなく議論を
法人からのお知らせや各サービスからの連絡事項の共有も大切ですが、利用者や施設運営、サービスについて職員皆で意見を出し合うことにより、よりよい施設運営、サービス提供につなげていくことができ、さらには“意見を出しやすい職場環境”を作ることによって悩みの解決、職員定着につながることも期待できます。会議は月1回しかない貴重な機会ですので、できるだけ多くの職員で積極的な議論を行いましょう。管理者は、職員が意見を言いやすいように議事進行に務めましょう。
(前もって議題を職員に通知し、会議前までに意見をまとめておくと、欠席者の意見も反映されやすく、よりまとまりのある議論になることが期待できます。)
法人からの通達は、読み合わせし、解説
法人からの通達や連絡が、回覧・掲示だけになっていませんか?
回覧・掲示だけでは職員の確認漏れや誤った理解につながることもあります。必ず全体会議にて管理者による読み合わせ・解説を行ってください。
また管理者は、会議欠席者が資料を確認しているかを確認し、質問・疑問・相談があれば必ず聞き取りを行い、返答してください。
集団指導は必ず出席
集団指導は、介護サービス事業者が遵守すべき制度内容の周知徹底や、介護サービスおよび保険給付の適正化を図るために、
①運営指導や監査において指摘の多かった事項
②行政処分を行った介護サービス事業所の不正の概要やその要因など
について注意喚起を行うなど、不正事案の発生を未然に防止することを目的に行われます。
行政にとっても、集団指導は介護サービス事業者への重要な情報伝達の場であるため、正当な理由なく集団指導を欠席した事業所については、個別指導(優先的に運営指導の対象となるなど)が行われることとなりますので、管理者は可能な限り出席、体調不良などの事情により欠席の場合には、代理の職員に出席してもらうようにしましょう。
出席できずあとで資料を読むことにしてしまうと、業務の優先順位が下になってしまいがちですので、管理者はなるべく集団指導当日に時間を割くようにしましょう。また、集団指導の内容は全職員に周知してください。
※文書通知やホームページなどで、今年度の実施日を把握できている場合は日付を予定表に記入しておきましょう。
運営指導の指導内容や改善報告書の内容を把握・共有
口頭指導、文書指導内容を全職員で共有してください
集団指導の資料や手引きなどを見れば行政がどのようなことを指導しているのかをある程度確認できますが、実際に施設などが受けた指導内容は、口頭・文書指摘を確認する必要があります。
また、運営指導には管理者、生活相談員などの職員で対応することが多いかと思いますが、その内の誰かが指導内容を知っていればよいのではなく、立ち会った職員全員で指導内容を共通の認識と、その内容を1ヶ月に1度開催の会議で職員全員に共有するようにしましょう。共有の方法としては、回覧や掲示だけでは職員全員が理解できるとは限りませんので、会議の際には。解説・説明も付け加えるとより理解において効果的です。
改善報告書の内容も全職員で共有してください
「改善報告書」とは、文書指摘に対して事業所の改善対応を明記し、行政に提出する文書のことです。改善に向けた事業所の対応を報告するものですので、その内容が虚偽の内容であったり、とうてい実行が無理な改善策を記載する、またそのつもりがなくても、結果的に改善報告書に書いた内容を履行できなければ、行政に「不誠実」と捉えられ、監査などに発展する可能性もあります。
また、改善報告書は管理者が作成することが多いかと思いますが、報告書に書いた内容を全職員に共有できているでしょうか。改善報告書は“とりあえず書いて出す”ものではなく、“書いたことを全職員で継続的に履行し改善を図る”ものですので、指摘事項だけでなく、改善報告書の内容も併せて共有してください。
担当者交代の引継ぎ時も漏れなく共有しましょう
「前任者から引き継いでいない」との理由で、運営指導にて同じ内容を繰り返し指摘されるケースもあります。
行政は事業所として、以前からの運営指導の改善状況も把握して来られます。担当者交代による引継ぎをされていることが当然であり、「前任者から聞いていない」などといった施設内などの事情は通用しません。引継ぎの際には、「業務引継ぎ書」を作成し、運営指導での口頭・文書指導内容も記載してください。また、引継ぎ書への記載だけでは後任者が理解できているか分かりませんので、併せて、書類を確認しながらの説明も行ってください。
度重なる指摘は監査・行政指導・行政処分につながる可能性もありますので、運営指導の指摘内容(文書、口頭ともに)の共有は重要なので、ご留意ください。
工夫をして必ず定期的な会議開催を
私が改善で入る施設などでは「定期的な会議が行われていない」「会議の出席率が低い」などの課題も多く見られます。定期的な会議を開催することで「皆で話し合う場ができて良かった」という嬉しい声もいただきます。開催する立場の管理者などは、「非常勤職員は家庭もあるので時間外に開催すると反発が出るのでは」とういう心配の声も聞かれますが、今の時代はzoomなどでの会議も可能ですので、それぞれの職員が参加しやすい環境を作りながら、定期的な会議開催を必ず実施するようにしましょう。