ケアマネジャーのために「サービス担当者会議の要点」の書き方を詳細に解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ケアマネジャーのために「サービス担当者会議の要点」の書き方を詳細に解説

サービス担当者会議は、介護保険制度において開催が義務付けられており、ケアマネジャーによって関係者が招集されて行われます。

利用者さんとご家族の状況や意向を確認し、関係機関の専門職から意見を求めます。そうすることで、目指す方向が明確になり、チームで支援することができるようになります。

このサービス担当者会議の議事録として作成するのが標準様式「居宅サービス計画第4表(サービス担当者会議の要点)」です。

参加したご家族や関係機関をはじめ、当日参加できなかった担当者にも配布されるため、誰が見ても分かるように議事録を残すことが大切です。

そこで今回は、「サービス担当者会議の要点」の内容と記入方法について詳しく解説します。


介護事業所の面倒なシフト・勤怠管理がらくらく
人員基準や加算要件は自動でチェック!CWS for Careはシフト表作成、勤怠管理、勤務形態一覧表作成をワンストップで提供する、介護専門のシフト・勤怠管理サービスです。
⇒ 「CWS for Care」公式サイトへアクセスして、今すぐ資料を無料ダウンロード

「サービス担当者会議の要点」とは

「サービス担当者会議の要点」とは、サービス担当者会議の議事録のことで、標準様式はケアプラン(居宅サービス計画書)第4表として含まれています。

「サービス担当者会議」は、介護サービス活動における「認定」「更新」「区分変更認定」「居宅サービス計画変更」などが必要になった場合に開催され、ケアプランの原案をもとに、各担当者の専門的な知見から意見を求め、その情報を関係者間で共有します。

この会議において決定した事項の共有化を目的として、下記5つの項目について議事録を残します。

  • 会議出席者
  • 検討した項目
  • 検討内容
  • 結論
  • 残された課題

「サービス担当者会議の要点」の項目と具体的な記入例

ケアプランの第4表「サービス担当者会議の要点」はシート記入形式の書面です。

このシートに記入する項目は、「会議出席者」「検討した項目」「検討内容」「結論」「残された課題」の5項目に分類されており、それぞれがケアプランの実行のために重要な内容となっています。

各項目別の記入例を以下に解説します。

会議出席者

会議の冒頭で、ケアマネジャーは全員の点呼を取ったのちに出席者の名刺を受け取り、会議出席者の「所属(職種)」と「氏名(フルネーム)」を表の「会議出席者」の欄に記入します。名刺がない場合は口頭での確認が必要です。

利用者さんのご家族は、利用者さんとの続柄(妻、夫、子など)を記入しておきます。

欠席者については、氏名の横に(欠席)と記入し、「結論」の項目に欠席の理由を記載します。

ケアマネジャーには、欠席者が一人も出ないように、あらかじめ各メンバーに会議の重要性を認識してもらう努力が必要です。

検討した項目

会議の議題でもある、会議を開催した目的を「検討した項目」の欄に簡潔に記入します。項目が複数ある場合は、箇条書きにして番号を振っておきます。

なお、会議の目的や検討する項目などは、会議の前に各サービスの担当者に伝達して了承を得ておく必要があります。意見については、事前に文書で送ってもらうことが望ましいでしょう。

検討内容

会議で討議されたさまざまな意見を集約し、番号を振って箇条書きにして「検討内容」の欄に記入します。記入に際しては「誰の発言か」がわかるようにしておきましょう。

医師による医学的所見については、医師の意見とケアマネジャーの判断との因果関係が明確に判断できるように記載します。また、福祉用具を導入する場合には、その目的と必要性を明記しておきます。

欠席者には事前に会議での検討内容を伝達し、得られた意見の内容を日付とともに記入しておきましょう。あとで「会議に出席していなかったから知らなかった」という言い訳が出てこないようにしなければなりません。

書ききれない場合は、文末に「別紙参照」と書いて別紙に記入し添付しておきます。

結論

ケアプランを計画どおりに進行させるために、会議で討議された検討内容について決まった要点を「結論」の欄に記載します。その際、検討項目番号に対応した形で結論を記入しておきましょう。

会議での結論は、各担当者がその内容を共有し、「決まった事項は必ず守る」という合意を得ることが重要です。

そして結論については、「誰が」「いつまでに」「何を」「どうやって」と、誰が見てもよく理解できる書き方をして、責任を明確に記述しておきます。

ケアマネジャーは、各サービスの担当者が行う作業に漏れがないか、あるいは重複していないかなどのチェックをした上で、各担当者の役割分担まで正確に記載しておくことが重要です。

残された課題

会議で結論が出なかった検討内容については、「残された課題」の欄に番号を振って箇条書きにまとめておきます。また、会議で新たに出てきた検討事項についても同様に記載しておきましょう。

会議で残された課題についても、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を明確に記載しておかねばなりません。

たとえば、「会議で要望が出た介護用具〇〇〇〇については、〇〇さんが次回会議までに、その必要性と有効性についての具体例をまとめて提出する」という書き方がよいでしょう。

社会資源の不足によってサービス利用ができなかったケースは、その経緯について書き留めておきます。

最後に、次回の会議開催日時を検討事項とともに記載します。

「サービス担当者会議の要点」記入の注意点

「サービス担当者会議の要点」は、各サービスの担当者が業務をスムーズに進行するために重要な会議の議事録です。そして同時に、利用者さんならびにご家族の要望や意見を反映させて、よりよいサービスを実現させるために重要な計画書でもあります。

したがって、医師などの専門的な意見と同様に、利用者さん本人やご家族の意見を大切に扱い、改善や導入が必要と判断すれば、ケアマネジャーは積極的に会議の議題とすることが求められます。

一般の方々でも理解できるように、記載する内容は平易なものでなければなりません。専門用語や外来語は可能な限りわかりやすく表現し、文章が長くならないように要点を簡潔にまとめ、箇条書きにするとよいでしょう。

そして作成した議事録は、利用者さんと各サービスを提供する関係機関に配布し、決定事項については最終的な合意を得ておかねばなりません。

「サービス担当者会議の要点」の雛形

ケアプラン作成過程におけるサービス担当者会議の議事録作成については、標準様式「居宅サービス計画第4表(サービス担当者会議の要点)」が用意されていますが、独自の雛形を作成することも可能です。

インターネット上でも多数の雛形が公開されていますので、参考にしながらそれぞれの現場に適合したものを作成するとよいでしょう。

「サービス担当者会議の要点」の位置付け

ケアマネジャーがリーダーとなって開催する「サービス担当者会議」は、現時点で顕在化している課題を解決し、関係者の間で「利用者さんの希望する生活を実現させる」という目標を共有するための大切な記録になります。

また、利用者さんとご家族の方々が安心して介護サービスを受けられるように、介護する側とされる側との良好な関係を築くための重要な役割を担っています。

この表には、会議の出席者情報、検討内容、結論、残された課題、次回の予定にいたるまでが網羅されており、このシートを見れば介護現場で今何が問題となっているのかが理解できることが理想です。

なお、「サービス担当者会議の要点」に関しては、あくまでも「会議の要点」を簡潔に誰が見てもわかりやすくまとめたシートなので、より専門的で詳細な議事録が必要であれば、必要に応じて別途作成するとよいでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加