介護職は連鎖退職が起こりやすい?原因と対処方法を紹介

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連鎖退職という言葉をご存じでしょうか?ある一人の退職をきっかけに、次々と退職者が出てしまうことです。介護職では、特に人手不足が深刻な問題となっているため、一人の退職によって業務負担が大きくなってしまうのも連鎖退職のリスクが高まる一つの要因です。

退職者が続いてしまうようなことは、なんとかして避けたいものです。そこで本記事では、連鎖退職が起きてしまう原因、企業側にできる対処方法などをご紹介します。


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連鎖退職とは?それが起こる一般的な理由

退職届

連鎖退職とは、一人の社員の退職をきっかけに、次々と社員が辞めてしまう状況を指します。一般的には、人望が厚い人が辞めることで、チームや組織に対する不安が募り、退職が続くといった場合が多いでしょう。

介護の現場では、人手不足の状況の中で退職者が出ると現場の負担がさらに増えてしまい、連鎖退職につながってしまうといったケースが多くなっているようです。優秀な人材に働き続けてもらうために、連鎖退職が起きてしまう理由を知って、連鎖退職を引き起こさないよう、企業側としても対策を講じていきましょう。

介護職での連鎖退職はなぜ起きる?

介護職員と利用者

介護職の連鎖退職はどうして起こるのでしょうか。まずその理由を知って、対策に活かしていくことが大切です。連鎖してしまう理由はいくつか考えられるため、当てはまる理由をしっかりと見極める必要があります。ここでは、介護職の連鎖退職の理由を紹介していきましょう

新しい人員の教育が負担になる「ドミノ倒し型」

退職者が退職した後には新しい人材が入社する場合が多く、人材の補充は長い目で見るとなくてはならないことです。しかし、その新しい人材が自立して仕事を行えるようになるまでの教育や業務負担は、残された社員が担うことになります。

そのため、既存社員に対して業務のしわ寄せが起こり、一時的に業務が増えてしまうことで「ドミノ倒し」のような連鎖を生み、退職が相次いでしまうというケースがあるのです。

または、人材の補充が遅いことで現場の人材が疲弊してしまうというケースもあるでしょう。業務負荷が重なることで「ドミノ倒し型」の退職は起こってしまいます。

組織の構造的な課題を感じてしまう「蟻の一穴型」

退職者がほかの社員の潜在的な退職を引き出してしまうこともあるでしょう。誰かが辞めることで、組織の構造的な問題点が露わになることもあるかもしれません。そこで会社に対する不信感が募り、自分も退職したいと考える社員が出てくる可能性があります。

この場合、最初の退職者は「氷山の一角」ともいえ、実は水面下で退職を考えている社員が大勢いて、一人が辞めることによって触発されてしまうことをダムに例えて「蟻の一穴型」といいます。特に、介護業界は人手不足になりやすい側面があるため、連鎖退職は組織にとって大きな痛手です。誰かが辞めたとしても、組織としてすぐに穴を埋める取り組みをしていくことが大切でしょう。

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退職した人材と一緒に退職したいと考える場合も

連鎖退職は、退職者の人望が高ければ高いほど起こり得る可能性があります。「この人と働きたい」と思う社員が多いほど、退職者についていきたいと考えて一緒に退職を希望し、それが連鎖退職につながってしまうのです。

介護職はチームワークが求められる職種であるため、一緒に働く中で信頼関係が構築されている場合が多いのもその理由の一つです。たとえ信頼のおける職員が退職したとしても、企業の魅力を感じて残ってもらえるような対策を取る必要があるのです。

介護職の中堅が退職する理由は?

介護職員

連鎖退職を招きやすい理由のひとつに、影響力のある管理職や中堅社員の退職があります。これは介護職でも同様で、中堅社員の退職による周囲の社員への影響は決して少なくはありません。

そのため、中堅社員の退職理由をおさえておくことが、退職防止の対策を取るのにも効果的だと考えられます。まずは、中堅社員の退職理由から確認しておきましょう。

会社に将来性を感じない

中堅社員が今の職場に所属し続けることを考えたとき、自分の将来に不安を感じてしまうと退職を考えるきっかけとなってしまいます。不安を感じさせないためにも、中堅社員がキャリアアップできる仕組みがあれば、将来に希望を持たせることができるでしょう。

中堅社員は、自分の将来への不安を持つ年齢になっていることも多いため、会社の将来性をシビアに考えるケースも多いはずです。転職は年齢を重ねると不利になるケースもあるため、今後の自分のキャリアを考えて退職を希望する場合があります。会社の将来性を感じてもらえるような職場環境を目指すべきでしょう。

任される仕事と給料のバランスに不満がある

中堅社員になって任される仕事が増えたにもかかわらず、給料がまったくといっていいほど増えない場合には、仕事に対する不満を感じて退職を切り出すケースもあります。キャリアプランにも通じることですが、明確な昇給などが見込めないまま仕事の負担だけが増えるようでは不満が募ります。

ほかの業種に携わる同年齢と比較して年収が低いといった事実があると、転職を考えるきっかけにもなることでしょう。介護業界では大きな昇給は難しいと考える人も多いため、処遇に関する対策は最も効果を得やすいものだといえます。

ほかの業種を経験してからでも再就職できると考える

介護業界は人材不足になりやすい職種なので、若いうちにほかの業種を経験してからでも再雇用してもらえると考える人もいるようです。若い世代の人材の確保が難しいこともあり、50代でも正社員として雇用してもらえることもあります。

その現状を知ってしまうと、今のままキャリアを重ねることにメリットを感じない人もいるでしょう。介護業界をつづけることで得られる明確なキャリアを提示してあげることで、社員のモチベーションを上げることが必要です。

中堅の退職を防ぐ方法とは?

介護職員

中堅社員の退職を食い止めることが、連鎖退職を防ぐ一番の対策であるといっても過言ではありません。業務の面でも中堅社員が担っている仕事は大きく、辞めてしまったあとの穴を埋めるためには、新しい人材を育成したり採用したりといった新たな業務負担が発生することになります。

そのため、企業側にとっては中堅社員の退職を防ぐ対策に力を注ぐことが重要なのです。では、実際にどのようにして退職を防ぐのかを具体的にご紹介します。

コミュニケーションを取って不満を聞き出す

普段から中堅社員と密接なコミュニケーションをとっておくと、抱える不安や不満を聞き出して対策につなげることができます。横のつながりだけではなく、立場や部署を超えた交流を促進し、不安や不満を即座に解消し得る態勢を整えていれば、退職したいという気持ちを抑えることにつなげられるでしょう。

人事担当者が積極的に相談しやすい関係性を作っておくことで、不安を解消したり、会社に対するマイナスイメージを払拭したりする機会がもてるはずです。従業員へのヒアリングで満足度を高めていきましょう。

仕事にやりがいを感じられる業務環境を作る

中堅社員には、仕事に対するやりがいを求めている人も多いでしょう。そのため、ある程度は自分の裁量で仕事を進められる業務の環境を作ってあげると、それだけで不満が解消する場合もあります。

漫然とルーティンワークをこなすだけでは、人はなかなかやりがいを見出せないものです。社員一人ひとりが自ら考え、成長できる環境を作るようにしましょう。

また、中堅社員がチャレンジできるような仕事を与えるのも効果的です。本人がどういったキャリアプランを持っているのか、面談などでヒアリングすると良いでしょう。

介護職の連鎖退職を防ぐ対策とは?

介護職員

介護職における連鎖退職を防ぐために、対策を考えておくことが大切です。先述したように、中堅社員のような影響力のある社員が辞めてしまった場合に、企業側はどのように動けば良いのでしょうか。連鎖退職を防ぐために実践できる方法を紹介します。

退職者が担っていた役割を知って代替方法を考える

退職者が出た場合、その人が担当していた業務を残った社員が引き継ぐことになるでしょう。ここで注意すべきなのは、退職者の担っていた役割が業務上のものだけではなく、目に見えないものもあるといった点です

例えば、中堅社員は年下社員の悩みを聞いていたり、ほかのユニットとのコミュニケーションを図っていたりといった役割を担っていることが考えられます。その役割を明確にして、組織編成を見直すと良いでしょう。

そこで、うまく回らないと感じる業務に関しては、外注などをうまく利用して現場の社員に負担がかからないようにする配慮も必要です。

ロールモデルとなる人材を育成する

退職者が影響力の高い社員であった場合、新たなロールモデルとなるようなエース社員の育成が急務となるでしょう。そこで、若手社員でも優秀な人材であれば積極的にリーダーに任命したり、プロジェクトを任せたりして成長してもらえるような環境を作ります。

ほかの社員が目標にできるような人材を育成することで職場環境が良くなり、社員の定着率も高まるでしょう。たとえ現在はそれほど優秀な社員ではなくても、影響力のある人材を引き上げることで周囲の士気を高めることができるかもしれません。適した人材をロールモデルとして設定してみてください。

福利厚生の充実でモチベーションを高める

社員のモチベーションを上げるために、福利厚生に力を入れて充実させるのも効果的でしょう。例えば、資格勉強の費用負担や、レジャー施設の割引などです。特に、介護職は体力がものをいう業種なので、健康に対する福利厚生を充実させることで長く働いてもらうことにもつながるでしょう。

社員のワークライフバランスを考えたものを取り入れることで会社への満足度が高まり、退職を防ぐことができるはずです。モチベーションの向上は、会社に対する帰属意識を高めることにもつながります。

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