離職防止のための「介護現場の円滑なコミュニケーション」とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
離職防止のための「介護現場の円滑なコミュニケーション」とは

「介護労働の現状について 令和元年度 介護労働実態調査の結果と特徴」(公益財団法人介護労働安定センター)では、事業所調査の「事業所を運営する上での問題点」では

  • 「良質な人材の確保が難しい」56.7%
  • 「今の介護報酬では、人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」47.5%

この2つが高い割合を占め、次いで、労働者の労働環境や能力開発、事業運営に関する課題が挙げられ、以降の労働者の意欲や姿勢、コミュニケーションに対する管理、利用者等への介護サービスの理解については、問題として捉えていない現状が表れています。

また相談窓口や担当者の有無別に労働者の悩みを比較すると、全ての項目において相談窓口がない事業所の方が悩みが多いことが分かりました。なかでも、賃金が低い、精神的にきついでは、相談窓口がある事業所よりも10%以上も高い結果が出ています。

一方、相談窓口がある事業所では「悩み、不安、不満は感じていない」という回答が上回っていることから、「労働者の悩み等を受け止める窓口や担当者がコミュニケーションを図ることで労働者の悩みを把握し、事業所の組織風土や就業継続に繋がると考えられる。」と「「介護労働の現状について 令和元年度 介護労働実態調査の結果と特徴」にも記されています。

「介護現場の円滑なコミュニケーション」は、職員の離職だけの防止ではなく、苦情や事故、ハラスメントや虐待等を招かない運営にもつながります。

今回は、コミュニケーションや報告のご質問にお答えします。

私も現場とコミュニケーションを都度とっていますが、「理解しているはず」が、「きちんと理解されていない」と分かることもあり、日々反省繰り返しながら、コミュニケーションをとっていますので、皆さんのご参考になれば幸いです。


介護事業所の面倒なシフト・勤怠管理がらくらく
人員基準や加算要件は自動でチェック!CWS for Careはシフト表作成、勤怠管理、勤務形態一覧表作成をワンストップで提供する、介護専門のシフト・勤怠管理サービスです。
⇒ 「CWS for Care」公式サイトへアクセスして、今すぐ資料を無料ダウンロード

コミュニケーション・報告

訪問介護事業の特徴と言えますが、職員の雇用形態は登録ヘルパーが主体となっており、単独行動のうえに勤務時間がバラバラなため、管理者とのコミュニケーション、職員同士のコミュニケーションが取りにくい状況があり、職員教育の実施が難しい状況です。改善できるところは取り組んでいきたいのですが、ポイントやアドバイスがありましたら、教えてください。

質問1

スタッフとコミュニケーションをもっと深めたい、距離を縮めたい

スタッフの名前やプロフィールなどを知る事は当然ですが、趣味や興味のある事も事前に入手しておきたい事です。スタッフ同士のMTGも定期的に必要ですが、1対1の会話やMTGも必要です。互いにコミュニケーションを取りやすい方法、例えば、交換日記やノート、Line、メール等の会話でもいいと思います。いつでも、気兼ねなく悩みや相談も受けられる体制やツールを用意しましょう。オンリーワンのお祝い出来る、誕生日や入社記念日には声掛けを忘れずに行う心がけも大切です。

質問2

スタッフとのコミュニケ―ションを上手く取りたいですが、どんな話をしたらいいか分かりません

心を開いてもらうためには、地道な声掛けが大切です。

  1. 明るく笑顔の挨拶
  2. 日常の業務の問いかけ
  3. プライベートな話の投げかけ(困ったことや悩み相談)
  4. お互いの将来の展望(どうしたいか、理想像と夢)
  5. 人間性の伝わる思い

などを盛り込み定期的に声掛けし話をしましょう。

質問3

職場を楽しくコミュニケーションとれる環境にする為に出来る事はないでしょうか

色々な楽しい企画を自ら発案し、盛り上げていきましょう。

  1. 定例会議以外に、“ワイワイガヤガヤ会議”を企画し、この会議では職員が何でも自由に発言できる場として無礼講で行う会議
  2. 給与明細など定期的に職員に渡すものに「感謝の一言」を同封する
  3. 今月の優秀賞としてランチをご馳走するなど特典を付けささやかながら表彰する
  4. “なんでも意見箱”を設置し、職員からの意見や希望などの声を拾う
  5. 食事会や飲み会などの開催。行ける人だけでいいので勤務時間外に外で話す場を設ける。家庭の事情で夜間の参加が難しいメンバーであれば、時間を合わせランチ会やおやつ会などでもOK。
  6. 職場をサロン化し気軽に集える環境を用意する

コロナ禍で実現が難しいこともありますが、スタッフの上司への不満の中には、「何度言っても改善してくれない」という不満もありますが、不満の内容が「わがまま」なら問題ですが、行政の集団資料等にも基づく「法令遵守に関わること」や職場を良くしたい!という「ポジティブな意見」には上司は耳を傾け、改善、実現に務めるのが、円滑なスタッフとのコミュニケーションには必要です。

人は誰でも「褒められる」「認められる」「必要とされる」「愛される」の働く4大欲求を持っています。 このこともご留意の上、「スタッフとお客様の笑顔あふれる職場作り」に努めて下さい。

職員が管理者に「報告・連絡・相談」をしなくて困ります

「報・連・相」は仕事の基本ですが中々徹底できないものです。その理由は上司に「報・連・相」は部下から上司にするという固定概念があるからです。上司が受け身になり、情報を積極的に聞きに行っていないことも事実としてあるはずです。話の最期に「他に何かありますか?」と一言聞くだけで言いにくい事や小さな事だから報告しなくてもいいと勝手に判断されていた事を引き出す事が可能になります。

相談にしても「何故もっと早く言わなかった?」と言う前に「何故もっと早く聞いてあげられなかったか」と考えられるのではないでしょうか。上司が積極的に声掛けする事で迅速な情報収集も可能になり、問題提起も早まりリスクヘッジにもなります。職場での上下の風通しもよくなりコミュニケーションも密になるはずでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

介護専門のシフト・勤怠管理サービス
『CWS for Care』

CWS for Careはシフト表作成、勤怠管理、勤務形態一覧表出力をワンストップで提供する、介護専門のシフト・勤怠管理サービスです。
人員基準や加算チェックなど介護特有の要件に対応し、介護事業者様の業務効率化をサポート。介護のシフト・勤怠管理でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。