ヒヤリハット報告書の書き方。簡単に分かりやすく書くコツ

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「職場でヒヤリハット報告書を提出するよう言われたけど、どうやって書けばいいの?そもそも何のために書くの?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。誰しも一度や二度は、介護の現場で「ヒヤリ」「ハッ」とした経験はあるはずです。「ヒヤリハット報告書」は、そのような経験を皆で情報共有し、事故を未然防止するための書類です。ここでは、誰が読んでもわかりやすい報告書の書き方のコツと具体的な事例・記入例をご紹介します。まずは、ヒヤリハット報告書を書く目的から確認していきましょう。


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ヒヤリハット報告書とは

ヒヤリハットとは、事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」「ハッ」とした経験のことです。「ヒヤリハット報告書」とは、こうした経験を集め、情報共有することで、事故防止の対策を立てるための報告書です。

実際に事故が起きてしまった場合の事故報告の記録は「事故報告書」となり、ヒヤリハット報告書とは区別します。よくある勘違いに、「転倒したけれど骨折はしなかったからヒヤリハットとして報告した」という例があります。この場合、結果として骨折はしなかっただけで、転倒した事実に変わりはないので「事故」として扱わなければなりません。

ヒヤリハット報告書の記入内容は施設によっても異なりますが、一般的に以下のような項目を記録します。

  1. 利用者の基本情報
  2. 発生時の状況(発生日時・場所・事故の種別・受傷程度)
  3. 内容(発生時の状況・経緯・原因など)
  4. 対応
  5. 想定される事故
  6. 再発防止に向けた対策

ヒヤリハット報告書の目的

ヒヤリハット報告書の目的は、未然に事故を防止するだけではありません。ケアの質を高め、介護職員と事業所を守り、利用者のご家族とのトラブルを避けるためでもあります。それでは一つひとつ見ていきましょう。

未然に事故を防ぐため

事故には防げるものと防げないものがあります。介護の現場では、利用者が自分らしい生活をしようとすると、転倒や車いすからのずり落ちなど、ある程度の事故は避けようがないのも事実です。

しかし、介助する職員側のミスによる「防げる事故」も多いです。同様の事例を集計・分析することで、介護事故を未然に防ぐ対策を立てることができます。

小さなミスを認識し、「ヒヤリ」「ハット」した経験は残らず報告書に記録し共有することで、日々の介護に潜む危険に「気づく」力を養うことができます。また「報告書」という形で事例を多く集めることで、報告者だけでなく事業所としての対策が立てやすくなります。管理者はもちろんのことスタッフ間でも情報共有することが重要です。

ケアの質を上げるため

ヒヤリハット報告書で事例を共有することは、「なぜ起こったのか?」「どうすればよかったのか?」と、原因と対策を考えることへとつながります。その結果、介護の見直し・業務改善がおこなわれます。ケアの質を上げることで利用者にとって安心・安全なサービスを提供できます。

介護職員と事業所を守るため

もしも重大な事故が起きた場合、適切な対応をしていたことの証明にもなるのがヒヤリハット報告書です。介護職員や事業所・事業者を守ることにもつながりますので、報告書には起きた事実だけを正確に書くよう心がけ、介護記録などにも忘れず記録するようにしましょう。

ご家族とのトラブルを避けるため

高齢者になればなるほど、日常生活での事故の可能性は高まります。認知症などの症状があればなおさらのこと。「介護において記録に残すことはマスト」とも言われています。利用者のご家族とのトラブルを避けるためにも、報告書を残しておくことは重要です。ヒヤリハット報告書で日頃から事例をご家族と共有することで、信頼と協力関係を築いていくことができます。

ヒヤリハット報告書の書き方のコツ

それでは、ヒヤリハット報告書の書き方のコツについてお伝えします。具体的な書き方のコツは、「短い文章で」「私情は入れず客観的に」「誰でもわかるような言葉で」の3つです。では、3つのコツについてそれぞれ見ていきましょう。

5W1Hを基本に短い文で書く

ひとつ目のポイントは、5W1Hの6つの事項を基本にすること。

  1. When:いつ?(時間)
  2. Where:どこで?(場所)
  3. Who:誰が?(主体)
  4. What:なにを?なにが?(物・行動)
  5. Why:なぜ?どうして?(理由・原因
  6. How:どうした?どうする?(対応・対策)

これらの項目をわかる範囲で構いません。できるだけ内容を絞り、短い文章にして記載しましょう。

客観的に書く

その場にいなかった管理者やスタッフが読んでも意味が正確に伝わるよう、見たまま、聞いたまま、客観的な事実を書くようにします。

「○○様はスタッフの言うことを素直に聞いてくれない」「○○様は些細なことでもすぐに怒鳴ることが多いから」といった私情を入れないこと。ヒヤリハット報告書は、事故を未然に防ぐための書類です。私情を入れた主観的な文章では、根拠のある報告書にはなりませんので注意しましょう。

専門用語・略語・施設独自の言葉は使わない

ヒヤリハット報告書は、管理者や介護職員だけが見るとは限りません。利用者のご家族など外部の方が見ることも考え、誰が読んでも理解できるよう記録する必要があります。リハビリパンツのことを「リハパン」、ナースコールのことを「NC」というように専門用語や略語、職場の人にしかわからない言葉は使わないようにしましょう。

具体的な事例と記入例

ここではひとつの事例をもとに悪い記入例と良い記入例をご紹介します。

事例

利用者Aさんが入浴時、介護職員Bはほかの利用者に気を取られ、浴槽に入っていたAさんに声をかけるのが遅れてしまい、のぼせてぐったりしていた。看護職員が血圧を測り、脱衣室で10分ほど横になり、落ち着いたところでBがAさんの居室に連れていった

記入例

A様が入浴中にのぼせてぐったりしていました。すぐに横になり、落ち着いたところで歩いて部屋に戻ったので安心しました。

11時15時頃、ほかの利用者様の着替えを手伝ったあとに、浴槽に入っていたA様の様子を見たところ、顔が真っ赤にほてり、ぐったりとしているのを発見しました。脱衣室で楽な姿勢をとってもらい、看護師Cに連絡を取り血圧測定をしたところ160/100でした。そのまま10分ほど横になり、再度血圧を測ったところ150/90に下がり、めまいなどの症状はなく落ち着き、居室まで歩いていけるとのことでA様に付き添って誘導しました。

では、悪い例と良い例を5W1Hに沿って整理してみましょう。

  1. When(いつ?)……未記入
  2. Where(どこで?)……未記入(入浴中と書いてあるだけ)
  3. Who(誰が?)……A様
  4. What(なにを?)……ぐったりしているのを発見
  5. Why(なぜ?)……未記入
  6. How(どうした?)……歩いて居室に戻ったので安心した(主観的)
  1. When(いつ?)……11時15分頃
  2. Where(どこで?)……浴槽
  3. Who(誰が?)……A様
  4. What(なにを?)……ぐったりしているのを発見
  5. Why(なぜ?)……ほかの利用者に気を取られていた
  6. How(どうした?)……血圧を測り脱衣室で落ち着くまで横になってもらった

悪い例のように主観的で曖昧な表現ではなく、良い例のように具体的な数値も入れ、どのような状況でどのような対応をしたかを明確に書くようにしましょう。

まとめ

日々の業務に忙しいと思いますが、5W1Hの基本を頭に入れ、短い文章でわかりやすい言葉を使うよう意識すれば、ヒヤリハット報告書を書くこともそれほど難しくないはずです。

利用者さんは介護施設にとって大切なお客様であると同時に、介護職員には利用者さんの安全を確保する責任があります。介護職員側のミスによる事故が起きないよう、常日頃からヒヤリハット報告書を活用してリスクマネジメントするようにしましょう。

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