排泄介助を行う場合は、利用者の状態を確認しながら、会話を大切にしましょう。「排泄介助します」などの専門用語は使わず「お下をきれいにしましょう」と伝えるなど「優しさ・易しさ」の配慮を忘れずに対応しましょう。
また、準備のためにその場を離れる際は、「準備をしてまいります」と必ず声かけをしてから準備に入りましょう。
今回は『排泄介助の手順』についてご紹介させていただきますので、皆さんのケアの質の向上にご活用いただければ幸いです。
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ベッド上でのオムツ交換
物品準備
まずは、必要なものを足元に用意しましょう。
- オムツ・尿取りパッド
- バケツ
- 陰洗ボトル
- 使い捨てゴム手袋
- ビニールシート
- 新聞紙
- タオル(温・乾 各1本)
- トイレットペーパー
- バスタオル
準備した物品はベッド足元に設置し、使用済みのオムツが見えないように配慮しましょう。同時に、効率的にケアを進められるよう準備をしましょう。
<お湯の温度>
- バケツ:およそ60度以上(温度の目安として指を入れて3秒我慢できるくらい)
- 陰洗ボトル:約38度(人肌より少々熱めで、必ず介護従事者の腕の内側で確認)
※季節、利用者の好みを考慮する(冬は熱め、など)
※必要なときはベッドの高さを調節し、ベッドサイドレールを外す。
ベッドサイドレールは立てかけて置くと誤って倒した際大きな音がするので、ベッド足元の位置か、ベッド下に横にして置きましょう。
脱衣
①掛物をめくり、上半身にバスタオルを掛ける
羞恥心・保温に配慮(冬場などは特に注意)し、利用者の表情を確認しながら、ゆっくりめくる。
- バスタオルを屏風折りにし、掛物の上にそっと置く。
- 利用者に屏風折りにしたバスタオルの下の両端を持ってもらう(現有能力の活用)
- 掛物とバスタオルを持ち、掛物は下げ、バスタオルは開く。
②声掛けし、膝を立て、腰を上げてもらい下衣を下ろす
- 利用者が自分でできるところは声を掛けて依頼する(腰をあげてくださいなど)。
- パジャマであれば、下側のゴム部分をベッドに押し付けるようにして引く。
- 利用者とタイミングを合わせて行う。
③シールを外してオムツを開き、尿便の有無を確認した後一旦オムツを閉じる(テープは半分に折って、利用者の肌に触れないように)
- シールを外してオムツを開き、尿便の有無を確認し、一旦オムツを閉じる(テープは半分に折って、利用者の肌に触れないように)。
※便が出ていればトイレットペーパーをすぐ使えるよう準備。
④ゴム手袋を装着
- 洗浄に入る直前に、利用者の目に触れないところで手袋を装着する。
陰部の洗浄
①仰臥位にて温タオルで腹部を温める
<タオルの温度>
- タオルが熱過ぎたり冷た過ぎると逆に不快に感じる。
- タオルが適温かどうかを自分の腕の内側で確認し、利用者にも声掛けし確認してもらう。
<タオルの当て方>
腹部に当て、さするように温める。押さえつけ過ぎないようにする。
<温タオルの効果>
- 排尿を促す効果。腹部を温めると排尿がある方もいる。
- 排尿を促し、洗浄前に尿が出るようなら出してもらう。
- 清潔を保つ効果。オムツの触れている部分はすべて拭く。
- リラックス効果。
- 爽快感。
- 前段階としての効果。利用者の心の準備を整えてもらう。
②腹部に乾タオルを掛ける
- 羞恥心、保温に配慮する。
- 陰部が露出する時間はできる限り少なくすること。
③陰洗ボトルにて洗い流す
<洗い方>
- 敏感な部位のため、痛みや熱さなどには充分注意。表情も見ながら、声かけを忘れず十分に配慮する。
- 女性は雑菌が尿道、膣に入らないように前から後ろに向かって洗う。陰唇の内側は汚れが溜まりやすいのでしっかりと開いて洗う。
- 男性は、陰茎と陰嚢の間、陰茎と亀頭の間、陰嚢の裏側などに汚れが溜まりやすいのでしっかりと洗う。
④温タオル→乾タオルの順で水気を拭き取り、乾タオルは陰部に掛ける
皮膚が弱い部位なので、こすらずに軽く当てるように拭く。
臀部の洗浄については下記の記事でより詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
排泄介助の際は気遣いなども忘れずに
排泄介助の際は、水気が残っていると不快感や褥瘡の原因にもなるので、水気を残さないでください。また介助を進めることが中心になり、体調を気遣うなどのお声がけを忘れることがないよう、努めて下さい。
排泄介助のポイントは下記の記事で解説しています。