「もう少し待遇の良いところで働きたい」、「キャリアアップできる職場に転職したい」など、介護士が転職を考える理由はさまざまです。初めて転職する場合は、いつ活動を始めるべきか、またどのようなスケジュールを立てればよいか、どのような準備が必要なのか迷うことも多いでしょう。
そこで本記事では、介護士が転職するタイミングや転職活動の上手な進め方について詳しく紹介します。
目次
転職活動しやすい?介護業界の現状
転職を考えたとき、まず気になるのは介護業界の現状です。求人は多いのか、いつごろ転職活動するのがベストなのかについて見ていきましょう。
介護職の需要は高い
内閣府の統計によれば、2018年における65歳以上の人口は3,558万人で、総人口に占める割合は28.1%です。超高齢化社会といわれる現状において介護職の需要は非常に高く、人手不足が続いています。
ほかの職種と比較して未経験者を採用する職場も多く、介護職の経験者であればより好待遇で採用される確率が高い状況といえるでしょう。
出典:令和元年版高齢社会白書(概要版) 「第1節 高齢化の状況」
特に求人が多いのはいつ?
人手不足の介護職は1年を通して求人が多い状況で、1年で一番求人が多いのは1月~3月です。職員は賞与が支給されてから退職の意思表示をする場合が多く、求人数が増える傾向にあります。
その他、年度末の予算を使い切りたいという事業所側が大きな理由です。 その他、9月~10月も賞与後や大型連休後の退職希望者が出たり、年度後半の採用計画を見直したりする企業も多く、転職を考える際はこれらの時期を目安にすると希望の職場を見つけやすいでしょう。
介護業界の特徴
デイサービスなど、夜勤がない通所系の施設の日勤のみの求人は既に充足している場合が多く、経験者であっても非常に倍率が高い状態です。また、パート比率も高く、正社員を望む場合は介護職としての経験と介護福祉士以上の資格を取得するなどの対策が必要になるでしょう。
給与面を考えれば入所系施設がおすすめです。入所系施設の場合は月に数回の夜勤出勤が求められますが、はほとんどの施設で「夜勤手当」が支給されています。
夜勤手当の支給額は施設によってことなりますが、「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、夜勤手当の相場(平均)は5,000円~7,000円となっています。仮に夜勤手当が1勤務5,000円だった場合、月に5回の夜勤をこなすと25,000円の収入アップに繋がります。
また、女性の場合、年齢が高くても現場のニーズが高いという特徴もあります。これは、女性利用者への対応という側面があるからです。
また、「男性は年齢を重ねると自分の考えが強くなる傾向があり、新しい職場になじみにくい」という印象を持たれやすいのも理由の一つといえるでしょう。
転職活動を始めるタイミング
転職活動を始めるタイミングは、現在の職場で仕事をしながら始めるのがよいのか、退職してからがよいのかも迷うところです。ここでは、それぞれのメリットとデメリットについて紹介します。
在職中に転職活動を行う場合
在職中の転職活動は、なかなか転職先が決まらない場合も焦らずに済みます。収入が途切れることがないため、余裕をもって活動ができるでしょう。
ただし、転職活動に費やす時間は限られます。「求人を探す」、「書類を作成する」、「面接を受ける」といった一連の活動は、思っている以上に労力がかかるとともに時間が必要です。
思うように活動が進まないこともあり、場合によっては仕事を休む必要も出てくるでしょう。内定をもらっても、仕事の引き継ぎなど退職するまでには期間が必要です。転職先には、それまで勤務の開始を待ってもらわなければなりません。
退職してから転職活動を行う場合
退職してから転職活動を行うのであれば、転職活動に集中できます。しっかりスケジュールを組み、情報収集にも時間をかけられるでしょう。仕事が決まればすぐに勤務を開始できるというメリットもあります。
しかし、なかなか転職先が決まらない場合、経済的な不安が大きくなるのがデメリットです。生活費のタイムリミットに焦りを感じると、内定をもらうための転職活動になり、条件面等で妥協してしまう可能性もあります。
早く転職先を決めたいがために希望とは異なる職場を選んでしまっては、転職をする意味がありません。退職してから転職活動を行う場合には、生活費を十分用意するなど、すぐに決まらないことも見越して計画を立てましょう。
介護士が転職活動を行う流れ
介護職の転職活動を成功させるためには、正しい手順で行うことが大切です。自己分析から内定まで、一連の流れを紹介します。
自己分析や情報収集など事前準備を行う
介護職の転職で大切なのは、介護に対するポリシーを確認することです。自分の介護理念を明らかにし、それに合う職場を見つけることが介護転職の成功につながるでしょう。
そのためには、まず自己分析が必要です。過去の経験を振り返り、次のような内容を書き出していきます。
- 成功したこと
- 苦手な仕事で努力したこと
- 感動したこと
- 失敗して克服したこと
このような経験を、エピソードも挙げながら思いつく限り書き出していきましょう。その際は、次のポイントを意識してください。
- それぞれの事柄をとことん深堀りをする
- 客観的な視点で分析する
- 分析したことが仕事にどう活かせるかを考える
過去の経験を出し尽くし、転職後はどのような仕事がしたいかを考えます。その仕事内容によって、選ぶ介護施設や事業所の種類が絞られてくるでしょう。
自己分析の後は現在の介護業界について情報収集を行います。自己分析で見出した働き方の方向性を念頭に置きながら、しっかりとリサーチをしておきましょう。
事前準備についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
→現在作成中の「介護転職自己分析」「介護転職活動目標」へ内部リンク予定
転職のスケジュールを立てる
自己分析や情報収集といった事前準備が整った後は、転職活動のスケジュールを立てます。履歴書などの書類作成、求人検索、企業分析に約1ヶ月、応募して書類選考、面接に進むまでを約1ヶ月として、細かくやるべきことをスケジューリングしてください。
やるべきことを明確にすることで、効率的な活動ができます。「いつまでにこれを終える」など目標が具体的になり、モチベーションも高まるでしょう。
スケジュールを組まずに進めるのは転職活動の長期化につながり、不安や焦りで転職活動に失敗してしまう可能性もあります。スケジュールを組むことで、集中して転職活動に取り組むことができるでしょう。
履歴書・職務経歴書を作成する
スケジュールを立てた後は、さっそく履歴書と職務経歴書を作成していきましょう。特に形式の指定がない場合は、手書きでもパソコンで作成しても問題はありません。
中途採用の場合は経験や実績が重視されるため、手書きかパソコンかで合否が決まるという心配はあまりないでしょう。職務経歴書は、これまでの職業経歴や培った能力などをアピールできる書類で、重視されるポイントは次の3つです。
- 介護の経験やスキル
- 転職の目的
- 志望動機
これまでの仕事内容についてわかりやすく記載し、実績や評価は具体的な数字も添えましょう。成功体験など、アピールしたいものは可能な限り詳細に記載するのがポイントです。
履歴書・職務経歴書の書き方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
求人を探して応募する
書類を用意したら、自分の条件に合う求人を探します。介護職は求人が多いため、条件を絞り込んで効率的に探しましょう。
求人情報としては、ハローワークやインターネットの求人サイト、求人情報誌、転職エージェントなどがあります。自宅の近くで探したい場合はハローワークや情報誌を、豊富な情報の中から選びたい場合は求人サイトで探すのがよいでしょう。
面接対策をする
面接は自分を一番アピールできる場面です。受け答えの様子もしっかり見られているので、明るい表情ではっきりと丁寧に答えるという基本的なことはきちんと押さえておきましょう。
面接対策としては、介護職でよく聞かれる質問を研究して準備します。介護職で聞かれやすい質問は次のとおりです。
- どのような業務に携わっていたか
- 成功や失敗などのエピソード
- 前職を辞めた理由
- 志望動機
- 目標やキャリアプラン
- 残業や夜勤はできるか
- 仕事をする上で大切にしていること
- これから働く上での課題
- 逆質問
自己分析で深堀りしたことを十分アピールできるよう、万全の準備をしてください。
内定後の流れ
選考結果の連絡は企業によって異なりますが、電話かメールで連絡が来る場合がほとんどです。電話で内定の連絡をもらった場合はその場でお礼を伝えます。不在着信となっていた場合は折り返しの電話をしましょう。
メールで連絡があった場合はメールで返信します。承諾する場合はもちろん、辞退する場合や返事を待ってもらう場合でも、必ず企業側に返事の連絡をするのがマナーです。
電話の折り返しやメールの返信は、できる限り連絡を受けた当日が望ましいでしょう。遅くとも24時間以内には連絡するように心がけてください。労働条件等に関するに不明点があれば、承諾の前によく確認しておくことが大切です。
承諾の連絡では、次のポイントを押さえてください。
- 選考結果に対して感謝の意を伝える
- 内定承諾の意思表示をする
- 入社後の意欲を伝える
- 入社までの流れなど不明点を確認する
メールで送る場合は、現職のメールアドレスを使わない、読みやすい文章にする、強調文字や色付け、絵文字などは使わないといったことに注意しましょう。
退職手続きの方法
円満退職のため、退職手続きは慎重に進めてください。手続きの流れについて紹介します。
退職の意思を伝える
退職の意思は、直属の上司に伝えます。伝える日は1〜2ヶ月前が目安ですが、就業規則で定められている場合にはそれに従いましょう。
意思を伝えたあとに退職願を提出します。その後、同僚に伝えるという手順が理想的です。
業務を引き継ぐ
退職日までに、業務の引き継ぎを終わらせるようにしましょう。万が一引き継ぎが終わらない場合、退職後も職場に通わなければいけなくなる場合があります。
そのようなことのないよう、退職日までに終えられるスケジュールを組んでください。退職後に後任者がスムーズに業務を進行させられるよう、確実に引き継ぎましょう。
必要書類を受け取る
保険証や制服など貸与されていた備品を返却し、離職票などの必要書類を受け取ります。受け取りが退職後になる場合は、いつ受け取れるのかも確認しておきましょう。
退職する日には、しっかりと挨拶を行います。一人ひとりに対して丁寧に感謝の気持ちを伝えてください。菓子折りなどを持参すると印象がよいでしょう。
また、施設の利用者さんやご家族にも挨拶します。お世話をしていた方に動揺を与える可能性がある場合は、ご家族にだけ伝えるようにしてください。
介護職の転職活動は事前準備が大切
介護職で転職をしようと決めたら、まずは事前準備から始めましょう。自分の介護理念を分析し、将来のキャリアプランを見据えた転職先を探すことが大切です。
転職活動が長引くことも考慮しながら活動を始めるタイミングを決めてください。活動前に必ずスケジュールを組み、手順を踏んで効率的に進めることが早く転職先を決めるポイントです。この記事も参考にして、理想の転職先を見つけましょう。