介護職の現場では、「もっとやりがいのある職場に転職したい」「さらにキャリアアップしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。今の職場が合わないと思ったら、思い切って転職するのも一つの方法です。
上手な転職活動ができれば、自分に合う職場が見つかるかもしれません。転職活動に成功するには、目標設定が大切です。
新しい職場で何を実現したいかを考え、将来のキャリアプランを明らかにましょう。本記事では、介護士が転職活動に成功するために必要な目標設定について詳しく紹介します。記事を読んで、ぜひ自分に合う職場を見つけてください。
目次
介護職の転職活動ではまず目標を設定すること
介護業界での転職を成功させたいと考えたとき、最初にやるべきことは目標の設定です。
新しい職場で何を実現したいか、将来どのようなキャリアプランを描いているかを明確にします。ここでは、どのような目標設定をするのかについて具体的に紹介します。
「目標」設定のために、転職で何を実現したいのか転職の「目的」を考える
転職を考えるきっかけの多くは「理想と現実のギャップ」ではないでしょうか。そのため、自分の在りたい姿と現実の姿との間にどのようなギャップがあるか明確にすることが重要です。
なぜ転職したいのか、新しい職場で何を実現したいのかを改めて考えてみましょう。転職によって将来的に自分がどのようになりたいのか、目的を明確にしてみてください。
実現したい目的を明らかにしておけば、志望動機も書きやすくなります。説得力のある志望動機を書くことができ、書類選考に通りやすいでしょう。
また、施設に対してどのような貢献ができるかをわかりやすく伝えられ、面接官にも良い印象を与えられるはずです。
「目的」が明確になれば、そこから逆算して「目標」を設定する
目的が明確になれば、将来のキャリアに関する具体的な目標を設定します。ケアマネジャーや生活相談員、管理職など最終的にどのようなキャリアを目指すのかを決め、1年後や5年後、あるいは10年後にどうありたいか具体的なキャリアプランを考えてください。
将来の理想像として転職の目的を把握し、そこから逆算して目標を設定するようにしましょう。目標設定の一例を紹介します。
最終的な目的 | 目標設定 |
ケアマネジャーになる | 居宅介護支援事業所でキャリアを積む |
介護福祉士として職場のリーダーになる | リーダーに必要なスキルを習得できる職場で働く |
転職の目的を明らかにすることで、的確な目標設定が可能になります。
目標に沿って、具体的な転職の「軸」を決める
目標が決まったら、次は具体的な転職の「軸」を決めましょう。働きたい施設やこだわりの条件を設定します。
どのような施設で働きたいかを決める
これまでの自分の経験を振り返って自己分析を行いながら、目標を実現するにはどのような施設が最適かを考えます。
介護の職場には、介護老人福祉施設や介護老人保健施設や、デイサービスや認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などさまざまな種類があります。施設ごとに利用者さんや利用目的、要介護度、提供するサービスの内容などが異なります。
深堀りした自分の介護理念や将来のキャリアプランに合わせ、それが実現しやすい施設を絞り込みましょう。
転職で重視するこだわりの条件を設定する
仕事内容や給与、待遇、勤務地など重視したいこだわりの条件を書き出します。主に、次の項目について検討していきましょう。
- 仕事内容
- 経営方針・経営理念
- 雇用形態や働き方
- 収入
- 休日・勤務時間
- 福利厚生
こだわりたいことを思いつくまま書き出し、リストアップしていきます。こだわりの条件は、できるだけ具体的に書き出しましょう。給与や賞与、通勤時間など数字にできるものは希望の数字も書いておきます。
こだわり条件に優先順位をつける
こだわりの条件をすべて満たそうとすると、実現が難しくなります。そのため、これだけは譲れないものと譲歩できるものとに分け、それぞれに順位をつけていきましょう。
譲れないもののグループが転職先を探す際の目安になります。求人選びに迷ったときは、譲れないものリストの上位にある項目を絶対条件として絞り込んでいきましょう。
介護職の転職活動で重視するこだわりの条件とは
転職活動で重視するこだわりの条件にはどのようなものがあるのか、それぞれ具体的に見ていきましょう。
仕事内容
こだわり条件のなかで最も重要な位置を占めるのは、仕事内容が自分の希望に合っているかどうかです。ほかの条件が良くても仕事内容が希望に合わなければ、実現したい目標を達成することは出来ません。
ミスマッチによる早期退職にもつながるでしょう。仕事内容で重視するポイントは、自分の経験や資格が活かせるかどうか、目指すキャリアアップのための経験が積めるかどうかです。
介護職の経験が浅い場合は、スキルが身につく職場を条件に設定します。また、新しい仕事にチャレンジしてキャリアの幅を広げたいという人もいるでしょう。
そのような場合には、具体的な仕事内容というよりも、まずは業種や職種などをこだわり条件とするのが良いでしょう。
給与や福利厚生などの待遇面
待遇面も転職の重要な条件です。仕事内容や介護理念に共感できても、待遇が自分の希望条件から大幅にずれていれば長く働くのは難しくなってしまいます。
例えば、これまでの経験を活かしてよりお給料の高い職場へ転職したいという場合は、給与が現在の職場よりも高いことは譲れない条件になるでしょう。このように収入アップを目的とした転職の場合、まずは基本給が今よりも高いかどうかを確認しましょう。
残業代や賞与は基本給をベースにきまります。基本給の額や賞与の有無、計算方法等を確認しておくことが重要です。
また、福利厚生の充実は、職員を大切にする職場かどうかを判断する目安にもなります。社会保険などの法定以外の福利厚生に関する内容も優先度を高め、求人探しの基準にするのがよいでしょう。
雇用形態や働き方
正社員か非正規社員か、通勤時間はどのくらいかといった点も重要な条件になります。また、勤務時間も大切な要素です。
介護の仕事は施設によって働き方がさまざまで、24時間稼働している介護施設の多くはシフト制で夜勤があります。「夜勤残業は少なめにしたい」、「夜勤がないところがいい」、「土日は休みたい」など、勤務形態にこだわりがある場合は条件を上位に設定しておきましょう。
経営方針や社風など
経営方針は自分の介護理念に関わる部分であり、そこが合わなければ働く意義を見出せなくなります。そのため、優先順位の上位に位置付けられる場合がほとんどです。
応募に際しては施設の研究をしっかり行い、経営の方向性に自分の介護理念が合致しているかどうかを確認しておきましょう。社風は事業者によってさまざまではあるものの、求職者にとっては重要な要素です。
これが合わないと働きづらくなります。職場の人間関係が原因で転職を考えている人にとっては、特に重視したい部分でしょう。
しかし、社風や職場の雰囲気などは、実際に働いてみないとわからない部分です。可能であれば施設見学や職員への質問などを行い、自分に合う社風なのかを確認しておくとよいでしょう。
自分に合った理想の転職先を見つける方法
重視したい条件のリストが完成したら、それをもとに転職先を探します。ここでは、こだわり条件を使った転職先の選び方について紹介しましょう。
優先順位の高い職場を選んで積極的に応募する
求人に応募する際は、譲れない条件が叶いそうなところであれば積極的に応募しましょう。完全に条件を満たしているところに限定すると、応募できる施設が少なくなってしまいます。
募集要項にすべての内容を掲載しているかどうかはわからないため、厳格に選んでいると良い職場を逃す可能性があります。優先順位の上位を満たす施設はとりあえず応募し、面接などで確認するとよいでしょう。
迷ったら応募してみる
募集の内容だけでは判断できずに応募を迷うところがあれば、とりあえず応募するというスタンスで進めましょう。ある程度の施設を絞り込んだ後は、情報収集をしっかり行います。
より詳しい情報を知りたい場合には、転職エージェントを利用してもよいでしょう。施設を訪れて情報を収集したり、担当者と密にコミュニケーションを取ったりしているため、施設内の雰囲気や離職率など踏み込んだ事情を知ることも出来ます。
自分の求める条件を提示すれば、それに合う施設を的確に見つけてくれるでしょう。
転職を決めたらまずは転職の目的を明確にし、転職活動の目標を設定しよう
転職しようと決めたならば、転職の目的を明確にし、達成すべき目標を設定することが成功の秘訣です。転職の軸を明確にすることで、応募の際も志望動機をしっかりとアピールできます。
面接においても、施設にどのような貢献ができるかなどをはっきりと伝えることができるでしょう。面接官の印象が良くなり、採用の可能性が高くなります。
まずは、転職先で実現したいことや将来のキャリアプランについて明らかにし、自分に合う転職先を見つけてください。