【ケアマネの担当件数】2021年度介護報酬改定でどう変わる?

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2021年度の介護報酬改定により、ケアマネの担当件数が変わりました。具体的にはどう変化したのか、ケアマネが働く環境ごとにご紹介します。また、無理のない働き方をするためにはどの程度の担当件数が望ましいのか、転職や就職の際には何を注意すべきなのかについても見ていきましょう。


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ケアマネ1人あたりの担当件数とは

ケアマネ(介護支援専門員またはケアマネジャー)の担当件数とは、ケアマネ1人あたりが担当する被介護者のことです。要介護者10人を1人のケアマネが受け持っているのならば、担当件数は10件となります

なお、要支援者は2人を1人として換算することが前提です。また、次で詳しく解説しますが、居宅介護者と施設介護者では担当件数の基準が異なるので注意してください。

【2021年介護報酬改定】ケアマネの担当件数はどう変わる?

利用者さんのケアプランやスケジュールを把握するために、パソコンやスマートフォン等のICT(情報通信技術)を導入する施設も増えてきました。ICTを導入することでケアプランの作成業務や管理業務が簡便化し、利用者さん1人あたりに対するケアマネの負担が減るケースもあります

そのため、2021年の介護保険の報酬改定により、ICTを導入している居宅介護支援事業(ケアマネ事務所)では、改定前よりも多くの利用者さんを担当できることになりました。

ICTを導入している居宅介護支援事業の場合

居宅介護支援の基本報酬は、利用者さんの要介護度とケアマネ1人あたりの担当件数で決まります。ケアマネ1人あたりの担当件数については、これまで40件未満か40件以上60件未満、もしくは60件以上の3つの区分に分けられており、その区分にもとづいて基本報酬が決定していました。

2021年の介護報酬改定後、ICTを導入している居宅介護支援事業では45件未満か45件以上60件未満、もしくは60件以上の3つの区分に分けて基本報酬が決定することになります。そのため、ICTを導入している居宅介護支援事業に関しては、ケアマネ1人で44件以下を対応することになるでしょう。

なお、ICTの導入例として示されたのは「事業者内外や利用者の情報を共有できるチャット機能のアプリを備えたスマホ」や「訪問記録を随時記載できる機能のソフトを組み込んだタブレット」などです。

ICTを導入していない居宅介護支援事業の場合

一方、ICTを導入していない居宅介護支援事業に関しては、改定前と基準が変わりません。居宅介護支援の基本報酬は、利用者さんの要介護度とケアマネ1人あたりの担当件数(40件未満か40件以上60件未満、もしくは60件以上)によって決定します。そのため、ICTを導入していない居宅介護支援事業では、今までと同様にケアマネ1人が39件以下を対応することになるでしょう。

施設で介護支援を行う場合

施設の利用者さんに対する担当件数の基準は、改定前と変わりません。利用者さん100人までに対して施設ケアマネ1人が担当することになります。ICTを導入している施設であっても基準は同様です。

ただし、施設の規模によって担当する要介護者・要支援者の数は大きく異なります。小規模施設の場合は担当する利用者さんが少なくなり、時間的あるいは精神的に余裕のある働き方ができる可能性があります。

グループ施設の場合は複数の施設を掛け持ちで担当するケースも珍しくありません。その場合は100人程度の多数を担当することになり、また、施設間の移動も頻繁に行うため、通常よりも業務が忙しくなる可能性もあります。

ケアマネの担当件数はどの程度が望ましい?

報酬基準上におけるケアマネ1人あたりの担当件数は、ICTを導入していない居宅介護支援事業で39件、ICTを導入している居宅介護支援事業では44件が上限ということになります。しかし、パソコンを使ってケアプランを作成するとしても、実際に44件を1人で受け持つのは簡単ではなく、パソコンなしに39件を受け持つもの容易ではないでしょう。

報酬基準とは関係なく、余裕を持って仕事に臨むためにも、できれば担当件数は35件未満が望ましいでしょう。令和元年度の介護事業経営概況調査によれば、居宅介護に当たるケアマネ1人あたりの担当件数は36.3件となっています。ぜひこの数字を参考に、ご自身の状況を客観視してみましょう。

無理のない担当件数でケアマネとして働くには?

1人あたりの担当件数が多いと、どうしても余裕のある業務を行えなくなってしまいます。現在の職場で担当件数が平均より多い場合には、精神的にも体力的にも余裕のある働き方を実現できる介護サービス事業所などへの転職を検討してもよいでしょう。理想的な働き方を叶えるために、おさえておくべき転職のポイントを3つご紹介します。

転職前に職場見学をする

介護事業者の求人広告に、ケアマネ1人あたりの担当件数について記載されていることは滅多にありません。余裕のある働き方ができるかどうかは、実際に転職候補の職場に行って、何件程度受け持ちそうか、ほかのケアマネはどの程度の余裕をもって働いているかなどを調べることが必要になります。ケアマネの様子を見て判断することもできますが、実際に担当件数について尋ねてみてもよいでしょう。

転職エージェントに相談する

介護職向けの転職エージェントサービスに登録すると、担当のエージェントが転職活動をサポートしてくれます。希望転職先の調査もしてくれることがあるので、すでに勤務しているケアマネたちが何件程度受け持っているのかも尋ねることができるでしょう。

また、希望する担当件数をエージェントに伝えて、その件数以下で働くことができる職場を探してもらうことも可能です。気持ちに余裕を持って働くために、担当件数に注目した転職活動をしてみましょう。

施設ケアマネとして働く

施設ケアマネは、1人あたりの担当件数が居宅介護ケアマネよりも多いことが一般的です。しかし、担当件数は多いものの利用者さんの居宅訪問もないため、居宅介護の管理よりは業務が少ないことも珍しくありません。また、定時勤務で働ける職場が多いので、体調を整えやすいのも施設ケアマネのメリットです。

居宅介護ケアマネでは、利用者さんの希望によっては夜間等に訪問する可能性もあり、規則的な働き方ができない可能性もあります。家事や育児との両立を考えている方、また、体力的に不規則な生活が厳しい方も、施設ケアマネの仕事も探してみましょう。ただし、施設ケアマネは介護業務の兼務や、中には夜勤を担当するケースもあります。そこは必ず確認しましょう。

ケアマネの担当件数も参考に転職先を選ぼう

何件を担当するかによって、ケアマネ業務の大変さは大きく変わります。できれば担当件数が多すぎない居宅介護支援事業を選ぶようにしましょう。また、担当する利用者さんに要支援者が多い場合も注意が必要です。要支援者2人で要介護者1人の計算になりますが、ケアプランを立てる業務が半分になるわけではないため、見かけの担当件数よりも業務が多い可能性があります

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