皆さんは、「介護現場でのNGワード」と聞いてどのような言葉をまず思い浮かべますか?例えば、病気やケガがきっかけで、介護保険サービスを利用しなければいけなくなった時、皆さんは介護職員等から子ども扱いをされたり、理由も聞かれずに注意をされたりしたら、どのような気持ちになるでしょうか?
今回は『介護現場でのNGワード』について意味や気を付ける必要性をご紹介しますので、皆さんの職場の介護の質の改善にご活用頂ければ幸いです。
目次
NGワードについて
「介護現場でのNGワード」と聞いてどのような言葉を思い浮かべますか?そして「もしあなただったら、このような言葉を言われたらどう思いますか?」例えば、自分では思うように体を動かすことが出来ず、誰かの助けが必要な生活の日々の中で・・・
- 話しかけられる言葉
「〇〇ちゃん、だめだめ、さっきも行ったよね」「座って」「待って」「早く食べて」
かけられる言葉は命令口調 - ベッドでも、車いすでも、お風呂でも、人の手を借りる時
移乗介助でドスンと落とすように座らせられる。
険しい顔つきで、時にはため息交じり・・・。
「痛い」「寒い」「熱い」と一生懸命に伝えても無視される。
「我慢して」と言われる。 - わからないこと、出来ないことが増えてきている
出来ないことをあざ笑いされる。
「昨日は出来たよね。はい、やってみて!」と言われる。ふざけて身体を押されたり、つつかれたり、転びそうになる。 - 食事が楽しみなのに・・・。
ただただ、黙って口に放り込まれる。
小鳥に餌をやるように、食べ物を口に運ばれる。
スピーチロックをしていませんか?
スピーチロックとは、高齢者介護の「3大ロック」の一つです。言葉で身体的・精神的な行動を抑制すること。「言葉による拘束」とも言われています。
「魔の3大ロック」
- フィジカルロックと言われる「身体拘束」
- ドラックロックと言われる「薬物による拘束」
- スピーチロックと言われる「言葉による拘束」
ロックの中で最も多くされてしまうのが、スピーチロックです。なぜならば、普段、何気なく使ってしまう言葉に潜んでいるからです。
言葉が「不適切なケア」を生んでしまいます
普段、意識せずに発している言葉が「言葉の拘束・虐待」だとしたら誰の身にも起こりえる事です。だからこそ「虐待」は怖いものです。意識していないと、言葉だけの問題ではなく、「不適切なケア」につながってしまいます。
不適切なケアを受けているお客様には笑顔がありません。
「どうして︖うまくいかないんだろう。」という苛立ちがスタッフの心にも生まれてきます。皆がどんどん疲れていってしまうのです。話しかける前に、一息おいてお声がけするだけでも違ってくるのでは?
サービス従事者として~お客様に向き合う姿勢~
- 自宅での生活が不安
- 転倒したくない
- 自分らしく気兼ねなく暮らしたい
⇒
- してほしい事
- したい事
= それがお客様の望みです。
では、では、私たちは何をすべきですか?
なぜ言葉に気をつけるのか
介護サービスをご利用される方は様々。「お客様」であることを忘れずに!
⇒
高齢者のお客様(65歳以上)※一部40歳以上から
= お客様として、そして、人生の大先輩です!
介護現場で耳にする言葉「えっ、お客様に!?」
- 〇〇さん【場所】行くよ~
- 〇〇してて下さい
- ダメ-︕︕
- 〇〇ちゃんや、あだ名
⇒これらの言葉は、不適切な言葉となります。
ではどう改善するのが良いのか?
- 〇〇さん【場所】行くよ~ ⇒ 〇〇さん【場所】に行きませんか?
- ○○してて下さい ⇒ ○○して頂けませんか?
- ダメ―!! ⇒ どうかなさいましたか?
- ○○ちゃんや、あだ名 ⇒ 〇〇さん、〇〇様
↓
相手の意思を尊重することが大切です。
介護現場で耳にする言葉~人生の大先輩であるお客様へ~
このような言葉を遣っていませんか
例えば、
- ○○ちゃん塗り絵をしましょうね(幼児語)
- あ~、もうしておくから(上から目線)
- 早く食べて!(指示)
- 早く座って!(命令口調)
- 立ったらダメ!(禁止口調)
このような言葉でお客様の心を傷つけていることに気づいていますか?
介護現場で耳にする言葉~職場内で~
- ○○ちゃん、大丈夫?(幼児語)
- 研修資料まとめてあげるね(上から目線)
- ペンをしまってください(指示)
- さっさと動いて!(命令口調)
職員同士の親しみを込めた言葉でも相手が不快ならハラスメントになると気づいていますか?
まとめ
介護現場からNGワードを排除するには、お客様やご家族の立場に立った考え方が基本となります。普段お客様と会話をされる際には「もしお客様の立場だったらどうだろう・・・」、「もしご家族の立場だったらどうだろう・・・」と普段から職場内から考えることで、お客様へのNGワードから、お客様に心配りした言葉に変わります。
皆さんの職場の研修の際には、お客様や職員の立場に立ったロープレを繰り返すことで、改善に近づいてきますので、是非、お試し下さい。