サービス提供責任者の仕事内容

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サービス提供責任者とは

サービス提供責任者は、訪問事業所1箇所に1名以上のへの配置が義務付けられています(利用者数に応じて、より必要になる場合もあります)。訪問介護事業を運営するうえでは欠かせない職種です。サービス提供責任者は、略して「サ責」と呼ばれることもあります。通常は事業所に勤務しますが、利用者の自宅を訪問することもあります。

サービス提供責任者の役割は、利用者さん・ケアマネジャー・訪問介護員の三者をつなぐパイプ役です。利用者である高齢者に適切な介護を行うためのコーディネーターでもあり、責任者として職務にあたります。

訪問介護員とサービス提供責任者の違い

ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成したケアプランをもとに、具体的な訪問介護計画書を作成するのがサービス提供責任者です。サービス提供責任者が作成した計画書に基づいて利用者宅を訪問し、サービスを提供するのが訪問介護員(ホームヘルパー)の業務です。

サービス提供責任者の仕事内容

サービス提供責任者の仕事は大きく分けて以下の3つです。

  • 訪問介護業務
  • 訪問介護計画書作成などの事務作業
  • 訪問介護員の指導・管理(マネジメント)

より細かくみると、法令では下記8つの業務と定められています。
(「指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準」第28条第3項)

  • 指定訪問介護の利用申込みに対する調整
  • 利用者さんの状態変化やサービスへの意向について定期把握
  • 居宅介護支援事業者等との連携(サービス担当者会議への出席など)
  • 訪問介護員などへの具体的な援助目標や援助内容をサポートし、利用者さんの状況を伝達
  • 訪問介護員などの業務実施状況を把握
  • 訪問介護員などの能力・希望を踏まえた事業管理
  • 訪問介護員などへの研修や技術指導などの実施
  • その他、サービス内容の管理に関する必要な業務の実施

※実際の現場における仕事内容の詳細については、次の「仕事の流れ」で説明します。

サービス提供責任者の仕事の流れ

サービス提供責任者の仕事の実際の流れは次のような形となります。

サービスの依頼を受ける
アマネジャーや地域包括支援センターから依頼が入ります。

利用者さん宅を訪問し、契約を結ぶ
利用者さん宅を訪問してサービス内容を確認し、事業所の説明したうえで契約を交わします。

サービス担当者会議に出席する
利用者さんやその家族、関係する介護サービスの関係者が集まって話し合いをします(ケアマネジャーや福祉用具事業所の担当者など)。利用者さんや家族がどのような支援を求めているのか意見を交わしてサービスの方向性を決め、ケアマネジャーがケアプラン(居宅サービス計画)を作成します。

訪問介護計画書を作成する
ケアプランに基づいて、サービス担当責任者が訪問介護の計画書を作成します。そのうえで、サービス内容に対応できる訪問介護員を選びます。利用者さんとその家族に、作成した計画書の内容を説明して同意を得るのもサービス担当責任者の仕事です。

同行訪問してサービスを開始する
初回のみ訪問介護員に同行して、サービスの提供を開始します。

訪問介護員から日々の報告を受けて調整する
サービスの内容や利用者さんの様子などの報告を受けて、緊急性がある場合はすぐにケアマネジャーに連絡をします。

利用者さんの状態を定期的にモニタリングする
月に1回は利用者さん宅を訪問して、状況・状態の変化を確認しケア内容についてヒアリングします。必要があれば、訪問介護計画書やサービス提供手順書を見直します。

ケアマネジャーと連携する
モニタリングの内容や訪問介護員の報告をまとめて、月に1回ケアマネジャーに報告・相談します。

ホームヘルパーの指導・教育・管理を行う
訪問介護員の指導や研修をはじめとして、急に休んだ場合の代替、問題が発生した際の対応などさまざまなサポートとフォローをします。

他にも、訪問介護サービスの申込受付や介護保険サービスの管理、利用者さんからの相談受付といった仕事があります。また「利用者さんの体調が悪い」「訪問時に利用者さんがいない」といったさまざまなトラブルへの対処など仕事内容は多岐にわたります。

具体的な業務内容や業務範囲は、勤務する施設の種類や規模、方針などによって異なります。事前に転職サイトなどの求人情報で確認しましょう。

サービス提供責任者の兼務について

訪問介護事業所ではサービス提供責任者以外にも、訪問介護員と管理者の配置人数が決められています。サービス提供責任者は「管理者」か「訪問介護員」のどちらかであれば兼務が可能です。ただし、3役すべてを兼務することはできません。

サービス提供責任者になるために必要な資格

「サービス提供責任者」は資格ではなく役職です。サービス提供責任者の職に就くためには、以下のうちいずれかの要件を満たすことが法令で決められています。

  • 介護福祉士、看護師、准看護師、保健師のいずれかの資格を持っている
  • 実務者研修を修了している
  • 介護職員基礎研修を修了している(旧資格)
  • ホームヘルパー1級の資格を持っている(旧資格)

要件は都道府県によって異なることがありますので、事前に希望する事業所のある地域の情報を確認しておきましょう。なお、現在ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修は廃止され、「実務者研修」に一本化されています。※ここでは廃止前に取得、修了している場合を示しています。

介護事業所(同行援護・行動援護)の場合

サービス提供責任者は、就業する施設の事業内容によって必要となる要件が変わります。たとえば「同行援護」と「行動援護」です。

同行援護では、外出する視覚障がい者に情報を提供したり必要な支援を行ったりします。
行動援護では、日常的に介護が必要な知的障がい者や精神障害、発達障害が行動するための支援を行います。

これらの業務を行うためには、以下の研修修了が加えて必要になります。

同行援護事業所の場合
同行援護従事者養成研修(20時間の一般課程と12時間の応用課程)

行動援護事業所の場合
行動援護従事者養成講座(10時間の講義と14時間の演習)

サービス提供責任者の配置基準

サービス提供責任者は訪問介護事業にとって欠かせない存在で、事業所には常勤1名以上の配置が義務付けられています。さらに直近3ヶ月間の利用者数が40名増えるごとに、常勤の配置人員も1名ずつ増やすよう定められています。

※平成27年より一定の条件を満たせば、直近3ヶ月の利用者数50名につき1名配置でもよいとする特例が加わりました。

非常勤でも勤務はできます

法令では非常勤でも次の3条件を満たしていればサービス提供責任者として勤務できるとなっています。

  • サービス提供責任者の配置が1名を超える事業所:常勤換算が可能なのは原則1名分のみ
  • サービス提供責任者の配置が5名を超える事業所:3分の2以上のサ責が常勤である
  • 非常勤のサービス提供責任者の勤務時間が、事業所で定めた常勤職員の勤務時間の2分の1以上

ただし介護職の配置基準は、常勤・非常勤を問わず都道府県により別途定められていることがあります。詳しく知りたい場合は、各自治体に問い合わせるようにしてください。

サービス提供責任者の給料

平成30年度介護労働実態調査によると、サービス提供責任者の常勤者の平均月収(基本給+固定手当)は223,276円です。他の職種と比べてみると以下のようになります。

訪問介護員
198,732円
一般介護職員
202,145円
サービス提供責任者
223,276円
ケアマネジャー
237,214円

ケアマネジャーより1.4万円ほど少ないものの、訪問介護員と比べると約2.5万円、一般の介護職員とでは約2.1万円も高くなっています。

上記の金額には賞与を含んでいません。いずれにせよ、月収も年収も事業所や経験年数などによって異なってきます。応募に際しては求人情報をしっかりと確認しましょう。

サービス提供責任者のやりがいと魅力

利用者とその家族から感謝され、ケアマネジャーや訪問介護員からは頼りにされ、やりがいと喜びを感じるのが「サ責」の仕事です。利用者から「ありがとう」と喜ばれるのは介護士が共通して感じるやりがいです。しかし、サ責の場合、訪問介護員を指導・管理していくことで、成長した姿を見られる点が大きな魅力でもあります。

またさまざまな職種の方と関りを持つことで、介護に対する理解や知識をより一層深めることができます。ケアマネジャーや事業所管理者へとキャリアアップを目指す上で、この経験は非常に役に立ってきます。また知識をつけることで、自ら独立して事業所を立ち上げるという可能性も拓けてきます。

さらにサービス提供責任者は訪問介護事業所に1名以上の設置が義務付けられている介護職です。常に人手不足の介護業界の中でも、より需要の高い職種になります。

サービス提供責任者に向いている人

サービス提供責任者として大切なのは、常に冷静でいることです。何か問題があれば適切な判断と対応が求められます。利用者やその家族、訪問介護員からの連絡や報告を受け、早急に対応することで信頼関係を築いていく必要もあります。また、事業やサービス内容を管理する者として事務作業も多いため、以下のような人に向いています。

  • コミュニケーション能力が高い人
  • 複数の業務を同時に進めていける人
  • 急な変更やトラブルなどにも臨機応変に対応できる人
  • 何事にも冷静に判断、対処できる人
  • 事務的な仕事も嫌いではない人、得意な人
  • リーダーシップを発揮したい人
  • 計画を立てることが好きな人
  • 他の人が成功するためのサポートにやりがいを感じる人
  • 他の介護員の成長に喜びを感じられる人

夜間サービスのない事業所なら日勤だけなので、現在子育て中の人も、これから結婚・出産する人にとっても安心して働けます。

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