令和元年度介護労働実態調査によると、介護職員の不足について「不足感」が65.3%で、介護労働者への悩みや不安についてのアンケートでも55.7%が「人手が足りない」と答えており、賃金や身体的な負担よりも高いことから、事業者・労働者ともに人手が不足していると感じていると分かりました。コロナの影響による、求職者増加や利用者の減少もありますが、慢性的な人材不足のなか、勤務表作成・管理業務に負担を感じておられる方も多いのではないでしょうか。
2019年4月1日に働き方改革関連法が施行され、多様化する職員の働き方にも対応するためや介護報酬改定に伴い新設の加算も増え、今までの勤務表作成や管理方法の見直しを余儀なくされている介護施設や居宅介護サービス事業所も少なくありません。この記事では、介護現場の特性を考慮した、勤務表作成・管理を効率化させるための方法をご紹介します。
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目次
介護現場の勤務表(シフト)作成・管理が複雑になる理由
介護現場では、法令上の「勤務体制の確保」でも「月ごとの勤務表」は、事業所ごとに勤務体制を確保していることを示すために作成し、必要な職種・職員数が配置され,勤務時間数も基準を満たしていることがわかるようにする必要があります。(特に併設サービス等がある所は区別が必要)です。例えば作成の際は、デイサービスの場合には、営業時間に合わせて早出と遅出の勤務にしたり、施設の場合には、2交代制や3交代制にする場合においても日中の利用者のケアの時間帯に合わせて、勤務時間をずらして作成したりするなど、いくつかの勤務形態で作成しています。
介護業界のシフト管理においては、人材不足や経営面から考え、例えば管理者が相談員業務やサービス提供責任者兼務をするような一人の職員が複数の業務を兼務する場合もあり、人員配置基準や加算要件を満たすために細かくシフト調整の必要もあり、シフトの管理や作成は介護現場においては特に気をつけないといけない業務の一つです。
勤務のシフトは職員同士の相性により、「夜勤はあの人と組みたくない」など言われることもあり、工夫をしないとトラブルの原因のひとつになります。円滑な人間関係を保って、お互い、気持ちよく働いてもらうためには、シフト作成にも配慮が必要です。
介護現場の勤務(シフト)表作成の課題
勤務表作成にあたって多様化した勤務形態を管理するには、多くの時間と手間がかかります。勤務表の作成と管理する際の課題について以下に紹介します。
時間と手間がかかる
人間関係のトラブルが起きにくい勤務表を作るためには、手書きやエクセルで作成するとまるでパズルを埋めるかのような大変な作業をともない、多くの時間と手間を必要とします。業務時間内にまとまった時間がとれてすべてを完成できればよいかもしれませんが、しかし多くの場合、兼務で多忙な業務の合間を塗って作業しなければならず、ときには家に持ち帰り、休みの日も作業をすることもあるという話もよく聞かれます。勤務表の作成などの業務に追われ、アセスメントや計画書作成など介護業務に必要な帳票整備の作成も追いつかないというケースは少なくありません。
自分のやりやすい方法にこだわる
勤務表作成やアセスメントや計画作成などの帳票整備にエクセルを活用されている方も多いのではないでしょうか。エクセルのような表計算ソフトを使用すると、確かに手書きに比べて作成の時間を短縮することが出来ますが、複雑な自動計算などのマクロ設定ができないと、人員配置や加算要件などの計算が手計算になり、例えエクセルで保存が出来たとしても、逆に手間がかかっている場面も多く見受けられます。
一方で、複雑な自動計算などのマクロ設定ができたとしても担当者のみ作成できる勤務表となり、作成者が退職してしまうと対応できる人がいないといったトラブルが発生することもあります。ファイルが壊れた場合や制度改正などによって設定の修正が必要になった場合は、対応に業務が滞ります。
また、業務の見える化が出来ていないと、現場の状況を把握した一部の人しか作成できない勤務表になってしまいます。様々な家庭状況も踏まえた勤務条件も踏まえた上で勤務表を完成させなくてはいけないため、おのずと現場の管理職などが業務が増えることとなります。そのような負担が、営業の時間などにも割くことが出来ず、利用者のフォーローも出来ず、 稼働率を上げることが出来なくなります。
急な休みなど、勤務表(シフト)変更への対応
全体の人間関係や働く時間のバランスを考慮したパズルをあてはめるように完成させた勤務表であっても、職員の急な勤務変更が発生した場合には、再度全体のバランスを見直さなければいけなくなります。職員の家族の事情で、勤務表確定後に「休みを変更したい」と申告されるなど、管理職なら誰でも勤務表作成に悩んだ経験があると思います。
体調不良などで急に休みを申告したスタッフが、自分が勤務表に穴を空けてしまうことを申し訳なく思う人は良いのですが、お子さんのPTAや三者面談などあらかじめ分かっていた予定なのに、勤務表が出来た時点で急に申し出る職員もいるので、従業員の希望や要望は様々であっても、出来るだけ他の人に勤務交代を交渉するなどの「急な休みを希望する際のルール」を決めておくと、勤務調整の負担からは少し軽減されます。
働き方改革、多様な働き方への対応
2019年4月1日に働き方改革関連法が施行された、「働き方改革」に代表されるように勤務表作成においても、年次有給休暇の5日取得義務化や労働時間上限規制などを遵守しなければなりません。また、早番、遅番、夜勤、休みの調整だけではなく、育児や介護、家庭の時間などのプライベートの時間を持てるような柔軟な働き方への対応が求められています。
離職率低下や定着率向上のためにもこれまで以上に考慮すべき事項も増え、職員のそれぞれの事情を考慮した、勤務表の調整はより複雑さが増しています。
職員それぞれの多様な働き方に対応するため、労働時間や公休、有休日数、体調を考慮して過剰な勤務や夜勤の回数が多くならないようにするなどの細かな条件を勤務表に反映したり、職員それぞれの有休の残数も確認しながら作成したりと、これまで以上に勤務表作成の苦労が重なります。
職員の休み希望と公平性のバランス
職員の勤務希望を反映できないと業務に対する意欲を下げるだけでなく、人材の確保も非常に難しくなります。特に職員を管理するにあたって、全ての職員それぞれの希望を反映させたいと思っても、同じ日に休み希望が重なることもあり、希望に応じた対応が出来ないこともあります。その際に、事前に休みの変更をお願いしたいことを職員に公平中立に交渉をしないと、話しやすい職員ばかりに休み変更の交渉をし、結局、その職員の不平不満が募り、いずれは離職を招くことにもつながりかねません。
勤務表管理においては、休みの希望の反映と公平性の確保との均衡を保つことが非常に難しく、それは施設、事業所の規模や職員の数が増えれば増えるほど、難易度が上がります。
介護の勤務(シフト)表作成・管理を効率化するなら、システム導入がおすすめ
勤務表作成・管理業務の悩みを解決するためには、勤務表作成・管理システムの導入が効果的です。ここではシステム導入の際のメリットとデメリットについて解説します。
勤務(シフト)表作成・管理システムを導入するメリットは?
勤務表作成・管理システムを導入する最大のメリットは、様々な便利な支援機能で管理業務の負担を大幅に削減できるところにあります。また、エクセルの活用や人員配置基準などにおいても、スキルや法令上の知識を要するために限られた職員のみが対応していた業務も、勤務表作成・管理システムを活用することで,法令上の知識に自信がなくても誰でも簡単に行うことができ、災害や感染などの不測の事態にも対応しやすくなります。
あらかじめルールをシステムに入力することで、勤務表の偏りや不公平性などがない適切な人員配置が実現しやすくなるため、スタッフが不満を感じることのない勤務表作成と管理が行えるようになります。また、勤務希望日の締め日から勤務表配布までの時間を大幅に短縮出来るため、スタッフとしてもプライベートの予定を組みやすくなる点もメリットです。
複数の事業所を管理される法人では、法人本部で一元管理を行うことで、適切な人員配置の把握とタイムリーな勤務管理もすることができます。
勤務(シフト)表作成・管理システムを導入するデメリットは?
せっかく高い費用をかけて導入したとしても、業務効率や職員の満足度が上がる効果が得られなければ意味がありません。勤務表作成・管理システムには,給与システムや勤怠管理システムとの連動を可能にする機能がオプションとして装備もされていますが、機能を追加するにはその分だけ費用がかさむ場合もあるため、その機能を使いこなせなければ経費面においても負担になります。
なお、クラウド型以外のシステムを導入する場合には、介護報酬改定のバージョンアップのタイミングもシステム会社により異なるため、その期間に業務が滞るなど支障が生じる場合があります。
介護事業所が勤務(シフト)表作成・管理システムを選ぶ際の3つのポイント
介護業界は一般的な勤務表作成・管理システムでは対応できない部分が多く、システムを導入したとしても介護業界の勤務体制とズレが生じ、かえって業務負担がかかってしまう場合があります。そのため、以下に挙げる3つのポイントをおさえて選ぶと効果的です。
介護業界特有の勤務体系に対応できるか
介護業界には管理者兼相談員。管理者兼サービス提供責任者など、介護業界特有の勤務体系があります。一人で複数の職種を兼務している場合も多くあり、これを勤務表にそれぞれの職種の時間の割合も反映し、作成するのは、大変な業務負担となります。このような介護業界特有な勤務形態に応じた勤務表の作成がシステムで出来れば、管理職などの勤務表作成の負担が大幅に軽減されます。
また、施設や事業所の運営上必要となる人員配置基準や加算要件でも必要な人員配置の時間も確認しながら作成出来る機能もシステム選定の重要なポイントとなります。
多様な働き方、勤務形態に対応できるか
働き方改革において労働時間上限規制もあり、年次有給休暇の5日取得義務化に対する取り組みが求められるなど、勤務表作成・管理はこれまで以上に求められるものも大きくなり、それに応じて勤務表作成方法も業務の効率化が求められています。現在、働き方改革の制度に応じて勤務表を作成する際に、エクセルで作成していたとしても異なる勤務時間が希望の職員が増えると、すぐに限界を感じてしまいます。また合わせて手書きの場合には、急な職員の休みや交代があった場合には、修正箇所や管理も煩雑になり、人員配置の重複による人件費の増大もしくは人員の不足といったトラブルが生じてしまいます。
職員それぞれの多様な働き方を踏まえた適切な勤務表を作成・管理するためには、それらにも対応した支援機能の有無もシステム選定の大きな判断ポイントになります。
毎月の勤務実績の管理や実地指導の際にも対応が可能な帳票出力まで一連の業務がサポートされているか
毎月の勤務実績の管理に加え、実地指導や人員配置の変更に伴う行政提出書類の作成は、管理職などにとって大変な業務負担となっています 勤務表作成・管理支援システムに勤務実績から行政手続きに関する必要な帳票類の出力まで一連で行える機能があれば、事務業務負荷の大幅な軽減になります。
勤務(シフト)表作成・管理支援ソフトで介護業務の効率化を図ろう
勤務表作成・管理とは、作成経験のない人から見ると、業務に必要な人員を単に勤務表へと配置していくとう簡単な業務に見えますが、決して簡単な業務ではありません。法令遵守で必要な人員配置基準の知識はじめ職員それぞれの家庭の状況や希望などを考慮し、働き方改革にも対応しながら勤務表を作成しなければならないという、負担の多い業務の一つです。
介護報酬改定に伴い、介護施設や居宅介護サービスの加算も増え、ますます勤務表作成・管理はハードルが高くなっています。
CWS for Careは、介護報酬改定にも対応した介護業界に特化した勤務表作成・管理システムとなっています。このシステムを活用することで、介護保険や障がい者総合支援法、労働基準法などの適切な法令遵守はじめ、管理者などの勤務表作成・管理の業務負担軽減にもなり、また職員の働くニーズにも適時応えられるシステムとなっており、職員定着率や採用率向上につなげて頂ける仕組みにもなっています。
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