介護業界で転職を希望する場合、経歴や経験、資格が大きな強みとなります。そこで、自分の介護能力を正しく伝えられる履歴書の書き方を詳しく解説していきます。経歴や文章に自信がない方でも担当者に好印象を持ってもらえる書き方を紹介しますので、この記事を参考にしながら思いの伝わる履歴書を作成してみましょう。
目次
採用担当者が見ている2つのポイント
- 職歴や転職回数
- 丁寧に書かれているかどうか(志望意欲)
転職のための履歴書には、今までの職歴や経験、資格などを記載します。採用担当者は、履歴書の情報からあなたがどんな能力を持っているのか、自分の施設でどれくらい働いてくれるのかをチェックしています。たとえば、特養での勤務経験があれば、重い介護度の方にも慣れているので、即戦力になりやすいと思うでしょう。
次に、どれくらい丁寧に履歴書を記載しているのかも重要なポイントでです。
丁寧に書かれた履歴書からはあなたの真面目な性格が伝わり、利用者様への対応も丁寧だとプラスの印象を持ってもらえるでしょう。介護業界は人手不足のため採用されやすい業界ですが、いい加減な書き方や内容ではどの施設でも採用されません。
履歴書の書き方とマナー
パソコンで履歴書を作成するケースも増えていますが、手書きで丁寧に書かれた履歴書のほうが好印象です。黒のボールペンや万年筆を用意して、各項目を記入しましょう。失敗するのが怖いからといって、消せるボールペンを使用するのはNGです。間違えたら修正テープや訂正印を使わずに、新しい用紙に書き直しましょう。
複数の事業所へ履歴書を送る場合、使いまわしたりコピーしたりすることは避けましょう。使い回しやコピーをした手抜きの履歴書は、採用担当者に与える印象を悪くしてしまいます。面倒でも1枚1枚手書きして、応募先ごとに新しい履歴書を送付するのがマナーです。
介護職の履歴書を書くときの基本のルール
履歴書を書くときの基本的なポイント
介護職の履歴書を書く場合、キレイな文字でなくてもいいので、丁寧に書くことを意識しましょう。そして、誤字脱字や和暦と西暦の統一、余白のスペースなどを意識すると、印象の良い履歴書に仕上がります。特に、嘘の経歴を書くのはマナー違反どころか、採用取り消しにもつながるので正確な情報だけを記入してくださいね。
各項目の書き方
- 日付
面接に持っていく場合には当日の日付、郵送の場合にはポストに投函する日を記入します。 - 写真
3ヶ月以内に撮影した証明写真を用意します。書き間違える場合があるので、最後に貼るのがおすすめです。 - 氏名
性と名の間にはスペースを空け、「ふりがな(フリガナ)」は用紙の表記に合わせて、ひらがなまたはカタカナで記入します。 - 住所
住民票記載の住所、または居住地の住所を記入します。都道府県から番地、マンション名まで、省略せずに正確な情報を記入しましょう。
住所欄の住所が居住地とは異なる場合には、「連絡先」の欄を記入しましょう。 - 電話
電話番号を記入する欄がひとつしかない場合は、固定電話と携帯電話のうち日中に連絡を取りやすい番号を記入します。
加えて、連絡がつきやすい時間帯を書いておくと連絡を受け取りやすいので、希望がある場合はきちんと記入しておきましょう。 - 学歴
義務教育期間(小学校や中学校)は省略し、高等学校や専門学校から記入します。
学校名や学部などは正式名称で記入し、介護関連の専攻や研究テーマがある場合には、その詳細も記入しましょう。 - 職務経歴
会社名の横か次の行に、事業所の種類やその職場での役職(ユニットリーダーなど)を記入します。
同じ事業所内で職務内容が変わった場合には、担当した役職を順番に記入しておくとアピールになります。 - 免許・資格
取得した年と資格や免許の名前を正確に記入します。
介護職の場合、さまざまな資格が現場で役に立つので、取得したものはすべて記入しましょう。 - 志望動機
どうしてその事業所への就職を希望しているのかを詳しく記入します。
特に、自分の能力や介護職への思いなどが求職先の事業所とどのように合っているのかを伝えることが大切です。趣味を記載する場合は面接時の話題になる場合があるので、趣味に限らず興味のあるものなども記入しても良いでしょう。 - 本人希望欄
待遇面などに特別な希望がある場合を除き、細かな要望は記入しないようにしましょう。
なかでも、給与などの希望は履歴書に記載するよりも、面接時に口で伝えると悪意なく担当者に伝わります。
志望動機例文
最後に、履歴書のなかでも迷いやすい志望動機の例文を2種類紹介します。内容を参考にして、自分なりの志望動機を作成しましょう。
介護福祉士として特別養護老人ホームへ勤務し、基本的な介護技術や利用者様への接遇などを学ばせていただきました。できることが多くなったことで、自分が理想に思う介護像を追求したい気持ちが強くなりました。
自分なりの介護を探すなかで貴社の理念や介護への取り組みを知り、自分の理想とする介護像と重なる部分に共感したため、貴社への入職を志望いたしました。
前職では重い障害を持つ方の介助など、たくさんの技術を学ばせていただきました。しかし、利用者様ひとりひとりとコミュニケーションを取る時間が少なく、必要な介助だけを行う仕事内容に、自分のやりたい介護とは違うのではないかと思い始めました。
貴社のホームページには、利用者様とのコミュニケーションに重きを置き、リハビリやレクリエーションに力を入れていることが記載されており、自分のやりたいことと培った技術が活かせるのではないかと思い、貴社で働きたいと考えました。
まとめ
履歴書は自分の職歴や資格からどんな能力があるのかを知ってもらうのと同時に、アピールするための書類です。自分の介護能力や入職したいという強い気持ちを伝えるために、マナーを守って丁寧な履歴書を作りましょう。
介護の需要はこれからもますます増える傾向があります。介護職はやる気さえあれば70歳になっても働くことができるなど、メリットが多くやりがいのある仕事です。不安かもしれませんが、勇気を出して介護の世界へ飛び込んでみてはいかがでしょうか。