介護職の志望動機では何をどう伝えるべきか?志望動機の考え方と要点

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介護職の志望動機では何をどう伝えるべきか?志望動

志望動機は転職において大きな意味を持つ要素です。応募するからには必ず志望動機があるはずですが、いざそれを文章にするとなると簡単ではありません。

これまでに取得した資格を書くことは簡単ですが、職務経験や介護職に就くきっかけとなった体験などを採用担当者が分かりやすいように書くことが出来ず、悩んでいる人は多いでしょう。

ここでは、介護職の面接を受ける際、履歴書にどんな志望動機を書けばよいのか悩む人に向けて、基準となる考え方と要点を解説します。

介護職求人での志望動機の考え方

介護職に限らず、求人においては企業が求める人材求職者の希望がうまくマッチするかどうかが問われます。求人内容を見て応募する際は、いかに自分がその企業が求める人材像に近いかということをアピールしなければいけません。

自分がどういった人物なのかを伝えるためには、次のような要素を盛り込んだ志望動機を作成すると良いでしょう。

  • 介護職を志望した動機:介護職に関する研修や授業を受講しようと思った理由や、具体的な体験の内容や感じたことなど
  • この企業・事業所を選んだ理由:パンフレットなどの資料からわかる企業・事業所の強みや理念のうち、自分の「介護職を志望した動機」とマッチすることなど
  • 採用後どのような貢献が出来るか:職務経歴や特技などのなかから、求人内容に貢献出来る業務など
  • 自分の将来像や目標:どのような仕事がしたいか、就職から3~5年後をめどに目指すキャリアを出来るだけ明確に

介護職経験者ならば、経験や能力を身につけるまでの過程など多くの志望動機があるはずです。特に力を入れてきたことや、自信のある技術や能力をしっかりアピールしましょう。

一方、未経験者は、介護職を志望した動機自分の将来像や目標に重点を置き、これまで何を学び、それをどう活かすかをメインに記載するとよいでしょう。

志望動機が書けない3つの理由

志望動機は、人によって様々です。ただ、実際に文章にしようとすると「難しい」、「どう書けばいいのかわからない」という人も多いようです。

ここでは、志望動機を書けない理由のなかでも代表的な3つについて、その内容と対策を解説します。

自己分析が十分ではない

介護職を志望する人ならば、「介護の必要な高齢者を助けたい」と、やや漠然としたことを志望動機にするかもしれません。しかし、より思いを伝えたいならもう少し深く掘り下げることが必要です。

  • 対象とする利用者さんの性別や年齢、要介護の程度
  • トイレや入浴、食事など、より詳細なケアの内容
  • 1~2日間といった短期間なのか、数ヶ月~数年ほどの長期間なのか

これらを具体的に想定してみると、どんな技術や能力、心構えを必要とするかが徐々に見えてきます。正式に採用されれば生活サイクルを変える必要があるかもしれません。

また、実際に「自分に出来るかどうか」も重要です。「見たことがあるので出来ると思う」と「通常業務として携わってきた」ではまったく違います。

「実際にやってきたこと」、「出来ると思うこと」、「これから学びたいこと」、これらをきちんと整理すれば、自分が本当に目指す将来像も見えてきますし、面接でもしっかりと伝えることができるようになります。

冷静で公平かつ具体的な自己分析は、介護職への志望動機として最も重要なポイントだといえます。どうしてもまとまらないときは、志望動機の例文などを参考に様々な視点から見つめ直してみましょう。

企業研究が十分ではない

次に、企業研究が十分に行われておらず、企業の求める人材像を理解できていないといった点が挙げられます。企業がどういった人材を求めているのかを理解できなければ、自分がなぜその企業に応募したのかを具体的に伝えることはできません。

この研究の元となる情報には、「公表されている情報」「こちらから探し当てる情報」の2種類があります。

公表されている情報は、ホームページ採用サイトパンフレットなどで得られます。そのなかでも次の項目は、ぜひチェックしておきたいところです。

  • 企業理念やビジョン:企業や事業所がもっとも大切にしていること
  • 頻繁に現れるキーワード:企業や事業所の文化を代弁していることがある
  • 介護の事例やサービス:実際に提供している具体的なサービスの例とコメント
  • 代表者や社員のインタビュー:どのような働き方をしているか、どんなキャリアを積んでいるか

一方、こちらから探し当てる情報とは、説明会やホームページを通じてこちらから質問して得られた答えや、施設見学などで先輩社員と接して感じたことなどをいいます。

チャンスがあれば、ボランティアなど実際の介護現場を体験するのもよいでしょう。スタッフのなにげない行動やコメントから感じたことは志望動機につながる可能性があります。

志望理由と企業の接点が明確になっていない

自己分析と企業研究が十分であっても、こちらの志望理由と企業や事業所の求める人材像とがうまくマッチしていなければ、採用されるのは難しくなります。

たとえば、「利用者さんを助けたい」という志望動機は、企業側からすれば「他の施設でも出来ること」として、あえて採用する理由にならないかもしれません。

「この企業や事業所でなくてはならない」理由は、同じ業界で複数の企業や事業所に応募すると仮定するとうまく整理できます。

A社、B社、C社と3つの応募先があった場合、B社とC社にはないA社の魅力はなにか、B社やC社ではダメな理由はなにかといった具合に、様々なパターンを繰り返し考えると徐々に明確になってきます。

そうして絞り込まれたA社の魅力は、自分にとって非常に有力な志望動機になるはずです。

志望動機の要点は求人ごとに違う

志望動機の要点は、求人や応募の状況ごとに異なります。ここでは、それぞれの状況に応じてどのような違いがあるのかを解説します。

未経験・転職・出戻りなど求職者の状況による違い

求職者の状況は実に様々で、なかでも未経験者、転職者、結婚や子育てなどからの復職(いわゆる「出戻り」)では、採用企業側の重視するポイントが異なります。

未経験者

介護職を志望した理由を重視します。どれほどの強い意志で志望しているのか、きっかけとなった体験から具体的に感じたことや勉強中の資格、研修などを通じて示しましょう。

転職者

前職の離職理由や目指すキャリア像も重視されます。待遇や環境の変化など具体的な離職理由、キャリアアップが理由であれば具体的に目指すキャリア像を示しましょう。

出戻り

業務経験の深さとブランクが重視されます。介護職の業務経験の深さ、技術や能力の高さ、ブランクによってどの程度のギャップが考えられるか、それでも志望する理由を示すと良いでしょう。

上記のように、求職者の状況ごとに求人者にとってなにが不安要素になり得るかを先に示すと、それだけ説得力のある志望動機とすることが出来ます。

志望する施設形態や介護職種による違い

介護職は同じ福祉業界であるとはいえ、在宅介護から特別養護老人ホーム、デイサービス、グループホームなど施設によって業務内容は大きく異なり、採用において重視される志望動機もそれぞれ違います。

たとえば、グループホームにおける介護では、認知症ケアのスキルや、調理、清掃や洗濯といった家事全般の技術や手際のよさも求められます。

また、デイサービスにおける入浴介助スタッフならば、業務経験が深いことを志望動機に挙げれば、即戦力として採用されるかもしれません。

このように、一括りに介護職といっても、施設や職種によって働き方や求められる能力に違いがあるため、応募する施設や事業所に合った志望動機を考える必要があります。

介護職では人間性も大切な要素

介護職には、多少の違いこそあれ、利用者さんという「人」に対するサービスであることには変わりはありません。どれほどの技術や能力があっても、人と接することが苦手な人や、誰かをサポートすることにやりがいを感じられないという人には、介護職という仕事は辛い仕事になってしまうかもしれません。

また、技術や能力は経験を重ねれば得られますが、人間性はこれまでの人生の集大成であるため、簡単に変えることは出来ません。企業や事業所によっては、人間性をもっとも重視するところもあるほどです。

利用者さんにとってもこの人間性は非常に重要です。いつ笑顔を忘れず、勤勉で向上心のあるスタッフは、介護される側にとっても心強い存在になるはずです。

また、介護は「チーム」で取り組む仕事です。多くのスタッフと協力して業務を進められる人や、うまくリーダーシップを示すことの出来る人は、企業や事業所にとって宝ともいえるでしょう。

介護の志望動機は正確にわかりやすくアピールしよう

介護職における志望動機は、応募する職種や施設の種類、業務内容、未経験や出戻りといった求職者の状況によって重視される内容が異なります。

うまく志望動機が書けないときは、深い自己分析と企業研究に立ち返り、企業や事業所との接点をもう一度振り返ってみるとよいでしょう。

とはいえ、もっとも大切なのは、自分が求める人材像にどれほど合っているかを公平・正確に分かりやすく伝えることです。

自分の持つ経験、技術や能力、人間性などを求められている要素に沿うようにしっかりアピールしましょう。

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