介護職員は、どの程度のボーナスを受け取っているのでしょうか。ボーナスの平均額を紹介するとともに、ボーナスを左右する3つの要素について解説します。また、介護職員がボーナスアップを目指すときに実施したい3つの方法についても説明するので、ぜひ参考にしてください。
目次
介護職のボーナスはいくら?
令和2年の賃金構造基本統計調査によれば、介護職員(医療・福祉施設等)に勤める人の平均年間賞与その他特別給与額は57.28万円、介護支援専門員が67.61万円、訪問介護従事者が44.51万円となっています。
参考:令和2年賃金構造基本統計調査
職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)/企業規模計(10人以上)
勤続年数や資格で変わる
賞与額は勤続年数や資格によっても異なります。令和2年の賃金構造基本統計調査によれば、介護従事者の勤続年数ごとの年間賞与と、そのほかの特別給与額は以下のとおりです。
勤続年数 | 0年 | 1-4年 | 5-9年 | 10-14年 | 15年以上 |
介護職員(医療・福祉施設等) | 8.11万円 | 47.42万円 | 57.53万円 | 65.68万円 | 72.68万円 |
介護支援専門員 | 37.04万円 | 48.09万円 | 67.21万円 | 74.03万円 | 76.88万円 |
訪問介護従事者 | 6.20万円 | 41.86万円 | 43.40万円 | 41.87万円 | 54.89万円 |
参考:令和2年賃金構造基本統計調査
職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)/企業規模計(10人以上)
規模によって変わる
賞与の額は、施設の規模によっても変わります。令和2年賃金構造基本統計調査の結果をみても訪問介護従事者を除いては、規模が大きい事業所の方が賞与が高くなる傾向が見受けられます。
企業規模計 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
介護職員(医療・福祉施設等) | 48.64万円 | 59.79万円 | 65.77万円 |
介護支援専門員 | 57.66万円 | 71.32万円 | 75.1万円 |
訪問介護従事者 | 43.41万円 | 47.08万円 | 36.75万円 |
参考:令和2年賃金構造基本統計調査
職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
介護職員がボーナスアップを叶える3つの方法
給与とは別に受け取るボーナスには特別感があり、やはり金額が多ければ多いほど嬉しいものです。ボーナスを増やしたい方は、次の3つの方法を試してみましょう。
勤続年数を増やす
多くの職場では、ボーナス額を算定する際に勤続年数が評価されています。ボーナスアップを狙うならば、ひとつの事業所で長く勤務するとよいでしょう。ただし、元々ボーナス額が低めに設定されている職場では、長く勤務してもあまり金額に反映されないことがあります。
資格を取得する
介護福祉士ではない人は、介護福祉士の資格を取得することでボーナスアップが狙えます。そのほかにも看護師やケアマネジャーなどの資格を持っていると資格手当が支給され、ボーナスだけではなく普段の給与も増えることがあるでしょう。
転職を検討する
勤続年収を増やしても資格を取得しても、元々のボーナス基準が低い職場ではあまり意味がありません。高額のボーナスを支給している職場に転職することも検討してみましょう。
介護職員へのボーナスに不満があるときは?
ボーナスが支給されない職場が違法ではないとはいえ、やはり物足りなさを感じるかもしれません。ボーナスがないこと、あるいはほかの事業所と比べて少なめであることに不満を感じている方は、次の3つの方法を試してみましょう。
上司や経営者に相談してみる
ボーナスに対する不満は、上司や経営者に相談してみることで待遇改善につながることがあります。自分一人が不満を伝えるだけで経営者を動かすことは難しいかもしれませんが、職場の大半が「ボーナスが少なすぎる」と不満に思っているならば交渉の余地があるでしょう。まずは同僚や先輩の意見を聞き、不満に思う同志が多いことを確認してから集団で交渉してみると改善されるかもしれません。
ボーナスの多い職場を転職サイトで探す
介護職向けの転職サイトに挙げられる求人情報を見ると、ボーナスに関する情報が記載されていることがあります。主に「待遇」の部分に過去の賞与支給実績などが記載されているので、ボーナスについて知り得る情報源となるでしょう。
ボーナスが多めの職場を見つけたならば、転職を検討することも出来ます。ただし、ボーナスが高くても給与が低かったり資格手当がなかったり、はたまた今までの経験を評価してくれなかったりする職場では、今の職場よりも年収が下がる可能性も否定出来ません。ボーナスだけではなく、ほかの待遇条件についても詳しく調べてから転職を検討してください。
介護職員の転職はボーナスだけでなく年収で考えよう
ボーナスに注目して転職先を決めるのもひとつの方法です。しかし、ボーナスが多くても基本となる給料が低いと意味がありません。手当なども含めた年収で転職先を比較してみましょう。
また、ボーナスは固定給とは違い、業績や評価などで金額が変動し支給が約束されているものではありません。「基本給が低くてもボーナスが高い」のは一見年収が高く見えますが、不安定なものであるということも覚えておきましょう。
年収を増やしたい場合には、24時間対応の入居型施設への転職を検討する方法もありますます。夜勤手当がつくことで大幅にアップさせることも出来るでしょう。