介護事業所では、利用者の介助をメインとする介護職員だけが働いているわけではありません。事業所の責任者は、介護職員だけではなく、そのほかの職員にも目を配る必要があるでしょう。
厨房職員の中には、⼊社をして3カ月以内に辞めてしまう方がいるという話をしばしば伺います。
入社から短期間で退職してしまう背景には、少なからず教え⽅の問題があるのではないでしょうか。今回は『厨房職員の育成~育成の必要性とOJT~』についてご紹介させて頂きますので、ご参考にして頂ければ幸いです。
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目次
なぜ⼈材育成が必要なのか?
そもそも、人材育成はどういった目的で行われているのでしょうか。
- 組織の弱体化を防ぐ
- 組織の強化を⾏う
- 将来の事業を担うような⼈材を育成する
これらは、事業所の目的であり、管理者が行うべきことです。
育成⽅法の手段とは?
さまざまな利用者と接する介護現場では、OJTが有効です。
OJT(オージェイティー)は、On the job training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略で、実際の職場で実務を通して学ぶ研修のことです。
具体的には下記を指します。
- 上司が部下を指導・教育すること
- 職場⽣活、仕事の場⾯を活⽤して、指導・育成すること
- 部下の性格、能⼒、レベルに応じて、指導・育成すること
- ⽬標設定、計画的、継続的に改善し指導・育成する
- 訓練、アドバイス、注意、⽀援などの⽅法で指導・育成する
OJTのメリットは3つあります。
OJT担当者のメリット
- チームの戦力向上
- 適材適所の人材活用
- ゆとりある業務遂行
部下のメリット
- 役割分担の遂行
- 発展的自己研鑽
- 相互負荷調整のチーム作り
会社のメリット
- 部下の成長・育成
- 職場活性化
- 業績向上
OJTの基本「PDCA」
OJTを効果的に行うためには、PDCA(ピーディーシーエー)が不可欠です。PDCAとは、計画・実行・評価・改善の英単語の頭文字を取った言葉で、この4つを循環させることを指します。
PLAN(計画)
⽬標を設定し、⽬標達成するために何をするべきか仮説を⽴てプランニングすることです。何をするのか・誰が誰に対してどうするか・なぜするのか・どのくらいで⾏うのか・いつまでに⾏うのかなど5W1Hまで細分化して考えましょう。
DO(実⾏)
計画を元に実⾏することです。計画したことを意識し、経過や結果が分かるように、かかった時間や特記事項を可視化しておきます。
CHECK(評価)
計画に沿った実⾏が出来ていたのかを検証することです。遂行できていたかだけではなく、実⾏した過程や結果の良し悪しを判断します。その際に実⾏で計測していたデータを振り返ることで、より具体的な検証ができます。
ACTION(改善)
検証結果で⾒えた課題の解決策を考え改善することです。実⾏した結果、この計画を続けるか・⽌めるか・改善して実⾏するかなどをこの段階で考えます。
また、ここで終了ではなく、この段階で出た改善を生かしまた「Plan(計画)」へと循環します。
OJTの3つの原則
- ⽬標設定とは、「どのような⽬的をもってそのトレーニングを⾏うのかを設定すること」である。
- 計画的とは、「しっかりとした計画に基づいてトレーニングが⾏われること」である。
- 継続的改善とは、「1度で終わってしまうトレーニングではなく、反復的に、また段階的にトレーニングが実⾏されること」である。
OJTにおいて、これらの原則が守られることは最も重要です。3つの原則を守ることでOJTの質が保たれるためです。
OJTで⾏ってはいけないこと
OJTで避けるべきポイントは、「1度しか教えない」「1回で全部教えてしまう」ということです。
教えた後に振り返りがない場合、ミスに気付く機会がなく、職員にも会社にもダメージを与えることになります。また、トレーニングを通して築かれるはずだった関係構築もしにくくなります。このパターンの解決策は、継続的・段階的な指導計画の作成と、フィードバックの実施を増やすことが重要です。
OJTは、「1⼈の社員のために組織みんなでまわすPDCA」と考え、指導計画を作り、指導を⾏う、フィードバックや指導⽅法の評価、そして改善を繰り返すことでより良いOJTが出来上がります。そして、そのOJTは組織全体の成⻑につながることでしょう。OJTは⼤変ですが、組織成⻑のためには不可⽋です。
OJT計画の⽴て⽅
例えば、下記のような表を作成します。OJTを受ける職員が混乱しないよう、指導する人・内容も含めておくとよいでしょう。
少なくとも⽉に⼀度は指導者と一緒に振り返り、評価について伝えます。また、計画はその度⾒直しましょう。
部下を動かす10項⽬
上司がやってみせる
座学や口頭で詳しく説明しても、具体的なイメージはしづらいものです。まずはやってみせることが重要です。
一緒に目的を伝える
単に「これをやってください」と⾔うのではなく、仕事の意味や⽬的を一緒に伝えると効果的です。
簡単なものから取り組ませる
簡単なものから次第に複雑なものへ順序を追って取り組んでもらいましょう。
褒める
些細なことでも良い点を⾒つけて褒めましょう。
会話する
⾃分のやり⽅を強要せずに、新しい発想や感覚をもった部下と話す機会を多数作ることも大切です。
⽿を傾ける
部下の⾔葉にはもちろん、部下の気持ちに⽿を傾けましょう。
承認する
成功したことだけを認めるだけではなく、間違ってしまっても、⼀端は受け⽌め相⼿の意⾒を認めましょう。
任せる
任せた仕事をやり遂げ続けることで、役割や責任を育ちます。
⾒守る
⾃分で考える習慣をつけさせるために、そのような機会を与えましょう。
信頼する
部下の可能性を信じ、焦らず根気よく接することが⼤切です。
まとめ
厨房職員も介護職員同様、お食事を安心・安全に提供をするための戦力です。
正しい指導で、職員が快く働き、定着できるような組織づくりの心がけをしましょう。