介護サービスにおける接遇(電話のかけ方・接遇マナーの実践)

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介護サービスにおける接遇(電話のかけ方・接遇マナーの実践)

誠意と真心のこもったケアへの情熱、利用者との良好な関係は、利用者の心の安定や活力のある生活、回復への意欲に繋がります。

適切な接遇をするためには、高齢者の方には2つの表情があることを理解しなければなりません。それは現在の表情と、過去の歴史を誇りにしている表情です。

高齢者の誇りを尊重し、高齢者が心のバリアを作ってしまわないようにしましょう。

今回は『介護サービスにおける接遇(電話のかけ方・接遇マナーの実践)』についてご紹介します。皆さまの施設や事業所のサービスの質の改善、向上にご活用頂けたら幸いです。

電話の受け方

電話の受け方

受信音が鳴ったら

受信音が1回か2回で出るのが理想です。3回以上鳴った後に出る時は「お待たせいたしました」と言いましょう。

・片手で受話器を持ち、もう一方の手はメモをとれるように用意をしておきましょう。

まずこちらから施設名(所属・氏名)を名乗り、相手を確認します。

・簡単にあいさつをします。

・相手がなかなか話し出さなくても、「もしもし」を連発しないように気をつけます。

用件の聞き方

メモを取りながら聞きます

・間違いや聞き落としのないように注意して聞きます。

・聞き終えたら用件を復唱します。

・用件がわかりにくいときは、分かるまで尋ねます。

・話が済んだら、相手が切るのを待ってから受話器を静かに置きましょう。

電話を取り次ぐ時

・誰から誰に宛てた電話か確認し、名指し人に連絡します。

・名指し人が近くいないときは、できるだけ早く連絡がとれるように努めます。

・電話を代わるときは、自分が相手方から聞いた情報を的確に伝えます。

・電話の取次ぎや他の人に相談をする時は、保留にするか送話口を手で押さえます。

取次ぎに時間がかかるときは、「恐れ入りますが、少々時間がかかります。こちらの方からお掛け直しいたしましょうか。」と先方の都合を聞いて、後からかけ直す等の心遣いをします。

名指し人が不在の時

伝言を頼まれたら次の点を確認して必ずメモをとります

・どこの誰から

・いつの何時頃

・どんな用件で

・返事が必要か否か

返事がいるときは、どこの誰に連絡するのか、先方の連絡先の電話番号も聞いておきます。

口頭で伝言するのは間違いのもと。名指し人が不在の場合は机にメモをおくだけでなく、席に戻ったらひと言、声をかけるようにしましょう。伝言を受ける場合は自分の名前を相手に告げます。

苦情電話を受けた時

相手の言い分を最後までよく聞きます。途中で口を挟むと相手の気分を害するだけでなく、苦情の本質が見えなくなる可能性があります。

・たとえ相手に非があったとしても、まず「申し訳ございません」と素直に謝ります。相手の語気に引きずられて感情的にならないようにしましょう。

・常に冷静に判断できるようにしましょう。

接遇マナーの実践

接遇マナーの実践

プロの介護サービス提供者としての条件は、「知識・技術・科学」はもちろんのこと、それに「人間性」が加わります。

「知識・技術・科学」は、常に切磋琢磨していけば身につくものだということは理解できますが、それに伴う「人間性」とはどういうものでしょうか?「人間性」の基本は「相手の立場に立てること」です。

ところが「知識・技術・科学」が身につくほどに、人は自分本位・自分中心になってしまいがちです。

例えば、お客様に対して自分の専門的な意見や都合を一方的に押し付けてしまうことはありませんか。

それがお客様にとって心身ともに素直に受け入れられる状況にあるのかどうか考えてみたことはありますか。

それを考えられるようになってはじめて「人間性」が伴ってきたといえるのではないでしょうか。

プロフェッショナルとは、豊富な専門知識と技術を持ち、相手の立場になってその力を発揮し、個々にあった介護サービスへの創意工夫ができる人です。

そうしたプロとしての判断や行動がお客様からの信頼を得ることにつながり、自然に「接遇」の形をなって現れてくるのです。

介護サービスを利用される方々は、みな、人生における大先輩です。認知症、寝たきりであっても「心」で皆さんに接しておられます。お一人お一人異なる人格と社会的立場、家庭環境等の背景を持っています。

そのような人生の大先輩の立場に立って物事を考えるためには、常日頃から自己啓発・自己研鑽に励まなければなりません。

高齢者のケアの目標

1.安心(Safty)

安全とQOLの確保、良好な関係づくり

2.自立(Independent)

残存能力・潜在能力を引き出し、身体機能の維持向上を図る

自分の人生(生活)の自己決定を行い、責任を持って生きる

3.希望(Wish)

サービスの形の5つの特徴

*サービスは目に見えません。

*購入する前に中身を確かめることができません。

*発信したサービスは必ずしもキャッチされるとは限りません。

*受け手によって中身が変化します。

*個別性があって標準化できません。

だからこそ、その「心」を学ぶことが大切なのです。

まとめ

まとめ

接遇実践8つのポイントは下記です。

1.笑顔(ほほえみ)

2.身だしなみ

3.受け入れる姿勢(受容)

4.相手に注意を払う(関心を示す)

5.相手の態度(表情・言葉・行動・感心事)に反応を示す

6.視線・目の高さを合わせて話す

7.話ははっきりわかりやすく、相手にテンポを合わせる

8.余裕を感じさせる冷静な態度で接する

日頃の心掛けから互いの信頼関係を築けますので、利用者に接する時だけではなく、職員同士で接する時にも心がけるようにしてください。

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