介護事業所における管理者の役割とは② 職員との関係作り

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介護事業所における管理者の役割とは② 職員との関係作り

管理者の役割とは、職場内の人間関係だけではなく、法人内外との関係作りも大切になります。令和3年介護報酬改定でも居宅介護支援事業所の特定事業所加算においても、他事業所の居宅介護支援事業所との連携でも算定可能になりました。

「管理者も現場に出なければいけない中でどのように関係を作れば良いのか?」迷われている方も多いと思いますので、今回は管理者の役割について職員との関係作りについてご紹介しますので、ご活用頂ければ幸いです。

各メンバーが果たすべき役割の割り振りとは

目標達成に向けてメンバーにそれぞれの役割が与えられます

 ⇒決して、誰かが一人で行うものではありません

◆職員一人ひとりの「強み」は…

 ⇒強みを生かすことができる仕事を見つけ、担ってもらいましょう!

◆「よりよい仕事をしたい」に意識を変えましょう!

 ⇒誰のためによりよい仕事をするのか?

 ⇒その仕事は何につながるのか?

 ⇒「責任」はよりよい仕事を引き出すために必要なものです

◆報告・連絡・相談の理解・体制づくり

 ⇒現状の把握と必要となるサポートの確認

◆仕事の成果(プロセスを含めた)を認める

重要なのは、2つのポイントです。

①職員一人ひとりに関心を持ち、「知ろう」とする姿勢があるか
②「人を育てる」という視点があるか

◆職員一人ひとりの能力や経験年数、得意とすることなどに応じて、本人の同意の上で役割分担していくこと

 →その仕事を任せる理由を伝えましょう!

(あなただから任せる理由)

◆その仕事の目標を伝える→理念も意識する

  その仕事を行うことで想定される、それを通して期待することを伝えましょう!

チーム作りにおいての確認すること

①メンバー間の協力と相互依存の関係がある

⇒チームのメンバーとコミュニケーションが取り合えているか?

お互いの強みを認め合いながら、目標達成に向けて、頼るべき部分は頼る関係、積極的にフォローし合える関係ができているか?

②チームの構成員とそれ以外との境界が明確である

⇒誰と相談し、誰と話し合っていくのか?

⇒チーム(目標が共有されている)のメンバーは誰かが認識できているか?

職員と関係を作る(1)

上下・横の3方向との関係を作りましょう。

代表者や法人・会社との関係

・考え方を理解する
・情報提供や相談を積極的に行う
・提案ができる環境・関係を作る

職員との関係

・お互いを理解するために、話をする機会を作る
・支える存在であることを常に意識する

働くうえで職員共に「組織」ということを意識しましょう。
⇒「組織とは、個人では達成できない目標を二人以上である複数の人間が、協同して達成するシステム」です。

自分以外の人と協同する
⇒自分がどのような関係の中で存在しているのか
 その人達とどのような関係を作る必要があるのかも協同で働く上では、重要です。

◆『代表者や法人・会社との関係』は、

①話し合う機会を持つことが大切になります。
 話し合うことは、事業所のあり方について、お互いの考えを確認する機会になりますので、面談や会議の時間は惜しまないように、作りましょう。

そしてどうしたら相手に分かってもらえるのかと考えること

誰でも「事業所が頑張っていることや抱えている問題・課題などを分かって欲しい」と思っています。
→そのためには、こまめに事業所の情報を伝える姿勢、積極的に相談する姿勢が必要となります。

事業所の状況をこまめに伝えることが、必要なタイミングでの話し合いやアドバイスを受けることにつながります
管理者個人としても、困っていることや不安を伝える良い機会になります。

どのような方法が相手にとって受け入れやすい方法なのか、理解につながりやすいのかを考えます。

→相手の状況を考え、口頭が良いのか・書面が良いのか、どの時間帯が良いのか等、相手にとって快く受けることにつながると、提案しやすい環境となり、一緒に考えて、相談しやすい関係となります。

◆職員との関係をどのように作っていくのか。

ここで大切になってくることは「仕事上の関係作り」です。

①話をする機会が安心感につながります。

○「上司が知っている」という安心感

→「ご利用者の日々の変化」又は「支援状況」「事業所の現状」を管理者が知っているということは、安心感につながります。

→日々の申し送りや会議等に参加する等、ご利用者についての 日々の様子を話す場面を活用します。

→職員が「上司が知っている」という安心感を得た場合には、自然と職員から相談等を受ける機会も増えてきます。

○「気にかけてくれている、自分を見てくれている」という安心感

→出勤時や帰宅時のタイミングで声かけ、最近の様子を確認する、会話する機会を作ります。職員との面接も活用しましょう。

注意事項として、仕事中にコミュニケーションを取る時には、雑談で終わらないように気をつけましょう

面談については、仕事の一環として行うため、行うことの効果を考える必要があります。

→事前に、何の為に面接を行うのかを明確にして面接に臨むことが求められます。

②管理者として「職員を支える存在」であることを常に意識する必要があります。

 →「何かあったらサポートしてくれる、相談できる」という安心感につなげていく必要があります。

→そのために、支援の現場を職員だけに任せず、気付いたら伝えていくこと、働いている職員の姿を見て「頑張っていますね」等と励ますことが重要になります。

分かってもらえているだろ、「そのうち分かるだろう」「何も言わないから大丈夫」ではなく、言葉で、「今」伝えること、話すことも大切です。

また一方的に何かを伝えるという姿勢ではなく、職員側の言い分を聴く姿勢も大切になります。

職員と関係を作る(2)

『ネットワークを作る』

  • お互いに必要な情報が交換できます
  • 悩みや困ったことが相談できます
  • サービスのあり方や取り組みを一緒に考えることができます

職場内での円滑な業務において様々な「ネットワーク」を作ることも大切です。

必要な情報を得たいがどこから得たらいいのか分からない等、悩みや困っていることを解消するためにネットワークを作ることが重要になります。

  • 法人内でのネットワーク
  • 同じような事業形態の外部の事業所とのネットワーク
    →法人内でその事業形態が一つしかない場合は、外部の事業所との連携は効果的です。
  • 外部研修に参加している同じような状況・立場の人たちとのネットワーク

最初は個人的なつながりという関係であっても、関係が深まると「職員と一緒にサービスのあり方や取り組みを見直したり、考える」関係になってきますので、有効的です。

まとめ

私は6年間、月に2日地域のケアマネジャーの勉強会を開催していますが、研修だけでなく、ケアマネジャー同士がコミュニケーションを取り、互いの経営や運営の悩みを打ち明け、相談の良い場となっています。

職員が職場内だけで留まる関係性は、地域においての事業所等の立ち位置が分からず、その後のサービスの質の向上にも影響を及ぼします。管理者として、職員の資質向上のためにも大いに外部研修やカンファレンスに参加する機会を与えて頂きたいと思います。

CWS for Care
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