【令和4年】インターバル助成金(働き方改革推進支援助成金)の内容や申請方法

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令和4年|インターバル助成金(働き方改革推進支援助成金)の内容や申請方法

働き方改革の一環として推奨されている、勤務間インターバル制度。しかし社内の仕組み作りや管理の煩雑さなどのハードルがあり、導入をためらっている中小企業も多いのではないでしょうか。

そんな中小企業こそ検討してほしいのが、「働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コース」です。勤務間インターバル制度導入にあたり発生する費用の一部を支援する制度で、令和4年度の受付が始まっています。助成金の詳細や申請書類などをまとめましたので、これから申請する方はお役立てください。


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勤務間インターバル導入コースとは

「働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コース(以下、インターバル助成金)」とは、勤務間インターバル制度を導入しようとしている企業を支援する助成金です。

厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」によると、制度を導入している企業はわずか4.6%という結果でした。この割合は企業規模が小さくなるほど低くなり、30~99人規模の企業では3.9%です。国は特に中小企業の制度導入を進めたいと考えており、その支援制度としてインターバル助成金が作られました。

勤務間インターバル制度は長時間労働の防止や、社員の健康維持を目的に作られた制度です。終業時刻から翌日の出社時間まで一定の休息時間(インターバル時間)を設けます。企業によっては導入にあたって外部の専門家に研修を依頼したり、効率よく運用するためのソフトウェアを導入したりなど、事前の準備が必要です。インターバル助成金を利用すれば、研修や設備などにかかる費用が一部助成されます。

勤務間インターバル導入コースの詳細

先に解説したとおり、インターバル助成金は中小企業を対象とした制度です。助成の対象となる取り組みやシステムの導入など細かく設定されているので、制度の利用を考えている方はまず概要を理解しましょう。

ここでは対象となる企業の詳細や取り組み内容の実例、条件について詳しく解説していきます。

対象企業一覧

インターバル助成金の対象となるのは、以下の①~⑤の条件を満たした中小企業です。

【働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コース対象企業要件】

労働者災害補償保険の適用事業主である
次のいずれかを満たす事業場であること
  1. 【新規導入】勤務間インターバルを導入していない
  2. 【適用範囲の拡大】勤務間インターバル制度を導入していて、9時間以上のインターバルを設けているが、対象の従業員が全労働者の半数以下
  3. 【時間延長】勤務間インターバル制度を導入しているが、インターバル時間が9時間未満
交付申請の時点において、すべての事業場で36協定の締結と、36協定届が提出されていること
すべての事業場で、過去2年間のうちに月45時間を超える時間外労働の実態があること
※上記の実態がなくても、9時間以上のインターバル時間が確保できていない事実や、確保できない理由が認められる場合は申請が可能
交付申請時点において、すべての事業場で年5日の年次有給休暇の取得に向けて、労働者の範囲や時季指定の方法などを就業規則に記載していること

なお、中小企業として認められるのは、以下のいずれかに当てはまる企業となります。

業種A. 資本または出資額B.常時雇用する労働者
小売業小売業、飲食店など5,000 万円以下50人以下
サービス業物品賃貸業、宿泊業、医療、福祉、複合サービス事業など5,000 万円以下50人以下
小売業小売業、飲食店など5,000 万円以下100人以下
卸売業卸売業1億円以下100人以下
その他の業種農業、林業、漁業、建設業、 製造業、運輸業、金融業など3億円以下300人以下

引用:働き方改革推進支援助成金 (勤務間インターバル導入コース) 申請マニュアル (2022年度)|厚生労働省労働基準局 労働条件政策課

対象となる取り組み

支給対象となる取り組みは、以下の1~9です。助成を受けるには、いずれか1つ以上を実施する必要があります。

  1. 労務管理担当者に対する研修(業務研修を含む)
  2. 労働者に対する研修(業務研修を含む)、周知・啓発
  3. 外部専門家によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアなどの導入・更新
  7. 労務管理用機器などの導入・更新
  8. デジタル式運行記録計などの導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新

引用:働き方改革推進支援助成金 (勤務間インターバル導入コース) 申請マニュアル (2022年度) |厚生労働省

どの取り組みを実施するかは、事業場の課題を把握したうえで決めることがおすすめです。

たとえば、手書きで作業している勤怠管理を効率化したい場合、専用のシステムを導入する方法があります。すでに勤怠管理システムを導入している事業場であれば、その更新業務も該当します。はじめて制度を導入するので専門家からコンサルティングを受ける、業務を効率化して残業をなくすために新しい設備を導入するなども可能です。

ただし(6)~(9)の取り組みに関しては、パソコン・タブレット・スマートフォンは対象となりませんので注意してください。

成果目標の設定が必要

取り組みを進めるにあたり、成果目標の設定が必要になります。成果目標とは、申請したすべての事業場で9~11時間、もしくは11時間以上のインターバル時間の確保を目指すことです。

そのため「〇時以降の残業を禁止」、「〇時以前の始業を禁止する」などの定めだけでは不十分となります。実際にインターバル時間が確保されていることが重要です。

申請時の事業場の状態によって、具体的に目指す成果目標は異なります。具体的な内容は以下の3つとなり、この中からいずれかに取り組んでください

  • 新規導入【対象事業主4.0に該当する場合】
    新規に所属労働者の半数を超える労働者を対象とする勤務間インターバルを導入すること。
  • 適用範囲の拡大【対象事業主4.2に該当する場合】
    対象労働者の範囲を拡大し、所属労働者の半数を超える労働者を対象とすること。
  • 時間延長【対象事業主4.3に該当する場合】
    所属労働者の半数を超える労働者を対象として休息時間数を2時間以上延長して、9時間以上と すること。上記の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上で賃金引き上げを行うことを成果目標に加えることができます。

引用:令和4年度「働き方改革推進支援助成金」 勤務間インターバル導入コースのご案内|厚生労働省

上記に加えて、労働者の賃金引き上げも成果目標に加えることができます。賃金の引き上げを実施した労働者数によって、助成額が加算されるので注目してみましょう。賃金引き上げは、3%以上もしくは5%以上のいずれかから選択します。

補助率および助成額の上限

インターバル助成金の補助率と助成額は、目標の達成状況に応じて決まります。成果目標の内容によって上限額が変わりますので、以下の表で確認してみましょう。

新規導入に該当するものがある場合
休息時間数補助率1企業当たりの上限額
9時間以上
11時間未満
3/480万円
11時間未満3/4100万円
適用範囲の拡大・時間延長のみの場合
休息時間数補助率1企業当たりの上限額
9時間以上
11時間未満
3/440万円
11時間未満3/450万円

引用:令和4年度「働き方改革推進支援助成金」 勤務間インターバル導入コースのご案内|厚生労働省

上記は勤務間インターバル制度を実施したうち、もっとも短いインターバル時間を基準にして考えます。また、労働者が30人以下、かつ(6)~(9)の取り組みに対する経費が合計30万円(税込)を超える場合は、補助率が4/5となります。

さらに先ほど触れたように、賃金引き上げを実施した企業はその分も助成額が加算されます。

賃金引き上げの達成時の加算額
引き上げ人数1~3人4~6人7~10人11~30人
3%以上
引き上げ
15万円30万円50万円1人当たり5万円 (上限150万円)
5%以上
引き上げ
24万円48万円80万円1人当たり8万円 (上限240万円)

引用:令和4年度「働き方改革推進支援助成金」 勤務間インターバル導入コースのご案内|厚生労働省

上記を踏まえると、インターバル助成金の最大の支給額は、単純計算で340万円になります。そのためには制度を新規導入し、11時間以上のインターバル時間を確保しつつ、5%以上の賃金引き上げを30人分実施する必要があります。

スケジュールと申請締め切り

2022年度の申請締め切りは2022年11月30日(水)です。ただし申請の状況によっては、締め切り前に受け付けが終了する可能性があります。申請を検討している方は、早めに申し込みましょう。申請から助成金受け取りまでの流れは以下のようになっています。

  1. 交付申請書と事業実施計画を管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に提出:2022年11月30日(水)まで
  2. 交付・不交付の通知
  3. 交付決定後、提出した計画に沿って取り組みを実施:2023年1月31日(火)まで (機器の購入やシステムの更新、研修の実施など)
  4. 申請期限までに労働局に支給申請:取り組み実施予定期間の終了日から30日後、もしくは2023年2月10日(金)のいずれか早い日まで
  5. 助成金の受け取り

申請や手続きに必要な書類について

インターバル助成金の必要な書類は以下です。

  1. 働き方改革推進支援助成金交付申請書(様式第1号)
  2. 事業実施計画(様式第1号別添)
  3. 36協定届の写し
  4. 労働時間が分かる書類(賃金台帳やタイムカードなど)
  5. 就業規則の写し
  6. 年次有給休暇管理簿の写し
  7. 労使協定の写し
  8. 対象労働者の交付申請前1ヶ月分の賃金台帳の写し
  9. 見積書(相見積もりをとって複数の見積書を提出)

書類を揃えて提出する必要があります。抜けがないように十分気をつけましょう。窓口へ直接持参するか、郵送して提出してください。

次に交付決定後の支給申請時には、「働き方改革推進支援助成金支給申請書」や「働き方改革推進支援助成金事業実施結果報告書」などを提出します。

なお、勤務間インターバル制度の導入が期間内に完了できないと判断される場合は、「働き方改革推進支援助成金事業 完了予定期日変更報告書」を先に提出する必要があります。届け出をしないまま、成果目標が達成できなかったり、取り組みが完了しなかったりした場合は、交付決定が取り消されるおそれがあります。

上記の書類は、いずれも厚生労働省の公式ホームページでダウンロードできますので、よく確認しましょう。

勤務間インターバル制度を導入する企業は助成金を活用しよう

インターバル助成金は、勤務間インターバル制度を導入したい中小企業にとって非常に役立つ支援制度です。勤務間インターバル制度は、導入したくても社内調整の難しさや制度を守らない社員への対処、管理方法などの問題から躊躇している中小企業が多い状況にあります。この機会に制度の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

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