これまでは求人サイトを利用すると「求職者からの応募を待つ」というのが一般的でした。しかし近年、介護業界でも求職者に直接スカウトメールを送る、攻めの採用活動が増えています。
スカウトメールを送った経験のある採用担当者の方なら「一生懸命スカウトメールを送ったのに、求職者からの反応が無くガッカリした」という経験もあるのではないでしょうか?スカウトメールはとりあえず送れば良いというものではなく、求職者から自社に興味を持ってもらい、応募につなげる工夫が必要です。
スカウトメールを上手く活用することができれば、応募者を増やすだけでなく、ミスマッチを減らすこともできるので、効率的な採用活動が可能になります。
この記事では、スカウトメールの効果を上げる5つのコツと今すぐ使える例文をご紹介します。
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スカウトメールを活用するメリット
コロナ渦においても介護業界では常に人手不足の状況が続き、売り手市場となっています。そのため、優秀な人材や専門職を採用したいと考えた場合、求職者からの応募を待っているだけではなく、企業側からの積極的なアプローチが必要になってきます。
また、急募の案件として採用完了までの時間を出来る限り短くしたいという場合にも、スカウトメールは有効だといえます。スカウトメールをうまく活用すれば、欲しいタイミングで欲しい人材を確保出来るので積極的な活用をおすすめします。
スカウトメールの効果を上げる「5つのコツ」
では実際に、どの様なメールを送れば良いのでしょうか?ただスカウトメールを送っただけでは、採用につながりません。メールの件名や文面を工夫するなど、応募につなげる策を講ずる必要があるのです。そこで、スカウトメールの効果を上げるコツを5つご紹介します。
「ターゲット」を絞り込む
まず、候補者を洗い出した上で、スカウトメールを送るべきターゲットを絞り込みます。自分の会社が必要としている人材を明確にして、転職希望者の経験職種などから絞り込むと良いでしょう。
スカウトメールの文面は、ターゲットの特性に応じて使い分けるのが効果的です。その理由は、たとえば介護職経験者と未経験者ではメールを読んだときの受け取り方に違いがあるからです。
ターゲットに合わせたメールを作成し、「応募したい」という気持ちを持ってもらえるようにしましょう。
開封したくなる「件名」にする
スカウトメールを送るときにもっとも重要となるのは、メールの件名です。みなさんも、たくさんのメールが届く中で、まずは件名を見て「読む」「読まない」を判断することが多いのではないでしょうか。
スカウトメールは、開封してもらうことを最優先に考えて作成しましょう。開封したいと思う件名であることが、採用につながる第一歩なのです。
対象者が「自分の情報を知った上で声をかけてくれている」と感じるような、心に響く件名をつけます。また、ほかのメールに埋もれてしまわないように、視認性や文字数などにも工夫を凝らしましょう。
「本文」は見やすく簡潔にする
スカウトメールの本文は、見やすく簡潔な文面を意識しましょう。スカウトしたいという気持ちが強くなると、つい文面が長くなってしまいがちですが、ターゲットに理解されなければ元も子もありません。
具体的には、1文の長さを30~40文字程度にして、全体のボリュームも400字程度を目安に作成すると良いでしょう。難しい専門用語等は使用せず、読みやすさを意識して作るのがポイントです。
次のアクションに「誘導」する
メールでは、読む人を次のアクションに誘導するような内容を盛り込んでおくことが重要です。メールを読んでテンションが上がっているタイミングで、気軽に次のステップへ進めるような配慮が必要です。
応募(エントリー)してもらうことがスカウトメールの目的であるとはいえ、ターゲットが興味を示さなければ「読んだだけ」で終わってしまいます。カジュアル面談や施設見学といった内容を盛り込み、まずは相手の興味を惹きつけましょう。
求職者は、担当者とコミュニケーションが取れたり、施設見学が出来たりすることで納得感をもって応募出来ます。もし、面接官となる採用担当者がWEB面接や面談にも対応することをアピール出来れば、さらなる応募者の獲得にもつなげられるでしょう。
「会社紹介」はわかりやすく簡単に伝える
どのような施設を運営しているのか、どのような会社なのかを簡単にわかりやすく伝えましょう。スカウトメールを送っても、求職者は自社を知らない可能性もあります。そのため、どのような会社で、どのような理念をもっているのかなど、簡単にわかりやすく説明しましょう。とはいえ、先述したとおり、魅力を伝えたいがゆえに長文になってしまうのはNGです。
スカウトメールの注意点とは?
同じオファー内容であっても、スカウトメールの文面によってターゲットの受け取り方は変わってきます。たとえば、「人が足りておらず急募」と人手不足が協調されてしまうなど、求職者にとってメリットが感じられない内容になっていると、返信率が下がってしまうので注意が必要です。
件名や文面が定型文になっていないか
件名や文面を定型文にしてしまうのは、返信率が下がる原因になりやすいといえます。メールを受け取った側は、一斉送信のような印象を受けてしまい、読まずに削除してしまう可能性が高まります。
そのため、件名にはターゲットのプロフィールにある特徴を引用したり、本文にはターゲットのどんなプロフィールに惹かれてメールを送ったかを示したり、具体性を持たせたメールにすることが大切です。
長文になっていないか
メールは、全体的に簡潔にまとめるのが基本です。長くなってしまうと、本当に伝えたいことがぼやけてしまう可能性があります。特に、会社紹介は長くなってしまいがちな部分なので注意です。
メールを作り終わったら、一度求職者の気持ちになって読み直して確認するようにしましょう。
ターゲットにとってのベネフィットを伝えているか
ターゲットがベネフィットと感じることを伝えるのも大切です。ベネフィットとは、英語で「利益」という意味で、メリットの「利点、価値」とは異なります。自社で働くことによってどのような利益を得られるかを理解出来るような文章を考えることが大切です。ターゲットにした相手の特性をよく見て、相手にとってプラスになるものはなにか検討した上で作成しましょう。
ネガティブなキーワードを含んでいないか
スカウトメールには、ネガティブとされるキーワードがあります。これは、文字自体にネガティブな要素がなくても、無意識に使ってしまうこともあるので注意が必要です。たとえば、「急募」や「大量採用」といったワードはよく使ってしまいがちですが、「誰でもよいのでは?」と受け取られてしまう可能性もあるので気をつけましょう。
コミュニケーションが一方的になっていないか
たとえメールであっても、コミュニケーションを意識することが大切です。自分の伝えたいことだけを押し付けるのでは、相手のアクションは期待出来ません。ターゲットが「実際に会ってみたい」、「会社を見てみたい」、あるいは「ちょっと返信してみようか」と思うようなメールを意識しましょう。
スカウトメールの例文を紹介
これまで説明したとおり、スカウトメールには、開封してもらう工夫と読んでもらう工夫が必要です。そこで、具体的な例文をご紹介しながらポイントを解説します。
「あなたへ送っている」という特別感
例文:件名「○○様の販売職のご経歴を活かせる職場です!」
特に件名では、特別感を演出することがメールの開封率アップにつながります。名前を載せることで、メールを受け取った側は「自分に向けられたものだ」という意識を持ちます。さらに、属性を絞り込むことで特別感を感じるのです。
この例文では、販売職の経験がスカウトにつながったというポジティブな印象を持ちます。メールの受信者が、「開封したい」と思える件名を考えましょう。
入社してからの姿が想像出来る内容
例文(本文):「弊社では高級老人ホームを複数展開しており、ワンランク上のサービスを提供したい方にぴったりの職場です。順調に運営を進めており、来年〇月には新しいホームをオープンする予定です。○○さんにはこれまでの販売職のご経験を活かし、ゆくゆくはホーム長をお任せできればと考えています。具体的には…」
入社したら任せたいと考えている仕事を、読み手が想像しやすいように書きましょう。具体的に任せたい仕事とターゲットのスキルを紐づけて書くことで業務内容が想像出来るため、転職先の候補として検討しやすくなります。対象者が入社後の自分の姿を想像出来る言葉になっているか確認しましょう。
役職者からのオファーにする
例文(本文):「株式会社○○ 執行役員の○○と申します。」
役職者からのオファーを示すことで、企業側の本気度をあらわすことが出来ます。取締役や執行役など役員の名前で送ると効果が大きいのはもちろん、担当部署の役職者からのオファーと分かると、返信の確率も上がるかもしれません。ターゲットと直接話の出来ないメールでは、文面で本気度を見せることが重要なのです。中には社長の名前でオファーをする会社もあります。
面倒なスカウトメール送信の手間を軽減するには?
スカウトメールの送信方法についても自社の方針を決めておきましょう。自社に合いそうな求職者を探したり、求職者の経歴を確認して文章を考えたり、個別にメッセージを送るのは手間と労力がかかります。そこで、スカウトメールを上手に活用するためのコツをご紹介します。
条件を決めてスカウトするターゲットを絞り込む
スカウトメールを送るときには、まず欲しい人材の条件を決めてターゲットを絞り込みます。このときにフィルタからこぼれ落ちてしまう人も出ますが、まずは絞り込んでみることで効率化を図るのです。
ただし、最初に決めたフィルタの条件が必ずしも正しいとは限らないため、運用しながら条件を変更することも必要です。ターゲットとのやり取りから自社の基準がある程度見えてきたならば、フィルタの条件を見直すことによって、最初のフィルタでこぼれ落ちた人も対象となり、自社の基準に見合う人を見つけることが出来るでしょう。
求職者プロフィールを見るところを決める
スカウトメールを送るためには、たくさんの求職者を見ていく必要があります。そのため求職者のプロフィールのどこを見ていくか基準を決めておきましょう。自社の条件で重要な部分はどこかを決めておいて、業務経歴から見ていきます。たとえば、入浴介助経験があるか、機械浴の経験はあるかなどを確認してみましょう。
また、求職者のプロフィールを確認していると、本人が力を入れている項目があります。「求職者がたくさん書いている部分=主張したい部分」と捉えて、しっかり読んでからメールを送りましょう。
メッセージ文を定型化する
スカウトメールのメッセージ文を定型化しておくのもポイントです。まずは定型化しておいて、求職者経歴や訴求したい部分を変更して送れるようにすると良いでしょう。ただし、変更する部分が不自然にならないように留意してください。メールを送る前には、必ず見直すことも忘れてはいけません。
また、実際にスカウトに返信をしてくれた求職者に、スカウト文面のどこが魅力に映ったか等をヒアリングし、メッセージ文をブラッシュアップしていくことも有効です。