介護職員の服装は職場によってユニフォームが決まっている職場もあれば、私服でもよい職場もあります。職場によって、服装、髪型などの見た目がきちんと揃っているところもあれば、一人ひとりの考えに任せていて自由なところもあります。介護職員にふさわしい身だしなみとは本来はどういったものなのでしょうか。介護の業務を行う上でふさわしい身だしなみの3つのポイントとともに、NGな服装・OKな服装、アイテムごとの選び方をご紹介します。
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目次
施設によって異なる介護職の制服や服装の規定
介護職員の制服や服装は、勤務先の施設によってルールが異なります。比較的、利用者さんの数が多い規模の大きな施設や複数の事業所を運営する法人では、介護職員にユニフォームが支給される場合が多くなっています。
次の4つの事業所でよくみられる、服装の規定について紹介します。
有料老人ホーム
有料老人ホームは施設のコンセプトによっても異なりますが、ホテルのような設備や身のまわりのサービスが充実している施設では、介護スタッフの服装は制服で統一されている場合が多いです。高級感と清潔感があり、動きやすくスタイリッシュな制服を採用している施設が多くみられます。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは原則要介護3以上の方が入居するため、身体介護の機会も多く、ポロシャツやTシャツにジャージ素材のズボンやチノパンが服装の規定となっているところが多いです。制服としてポロシャツ、ズボンの支給がある施設もありますが、自分で施設の規定に沿った形や色、素材の服装を用意する場合もあります。
病院、老健、デイサービスなど
病院や介護老人保健施設、デイサービスなどでは、ポロシャツやジャージ上下などの動きやすい制服が支給される場合が多いです。いろいろな職種が働く病院では、職種ごとにユニフォームの色や服装などが決められていて、利用者さんが介護職員だとわかりやすいようにしている場合もあります。
訪問介護事業所
訪問介護の場合、複数の事業所を運営する規模の大きな法人では、ポロシャツやジャージが制服として支給される傾向にあります。比較的規模の小さな事業所では、自分で事業所の規定に沿った服装(ポロシャツやTシャツ、動きやすいズボンなど)を用意しなければならない場合もあります。
介護の仕事にふさわしい身だしなみ!3つのポイント
介護の仕事にふさわしい服装の3つのポイントは「安全性」「動きやすさ」「清潔感」です。
それぞれのポイントを押さえた服装について確認していきましょう。
【 ポイント1:安全性】装飾が少ないシンプルな服装
介護職員の服装は安全性に配慮して、装飾が少ないシンプルなものが望ましいです。ボタンやファスナーなどは、介助時に利用者さんの髪の毛や周りのものに引っかけて、思わぬ事故につながる可能性もあります。シャツの胸元にあるポケットにペンなどを指していると、前かがみになったときにポケットの中のものが落ちたり利用者さんを傷つけたりすることもあるので、介助時に邪魔にならず、危なくない位置にポケットがついているかも確認しましょう。
【ポイント2:動きやすさ】身体にフィットして動きやすい服装
介護職員は利用者さんの身体介護や生活介助の業務で身体を使います。そのため、身体の動きを邪魔しないストレッチ性、伸縮性のある素材で動きやすい服装がおすすめです。サイズが小さすぎて窮屈だったり大きすぎてダボついたりしていると身体の動きを妨げるので、身体に適度にフィットするサイズを選ぶことも大切です。
【ポイント3:清潔感】利用者さんに不快感を与えない清潔な服装
介護の現場では、利用者さんに直接触れることもあり、利用者さんとの距離が近くなります。そのため利用者さんに不快感を与えない清潔な服を着用することが重要です。汚れに加え、しわ、穴や破れなどがない服、下着が透けたりかがんだときに見えたりしない清潔感のある服を選びましょう。清潔感のある服装はきちんとしている印象を与えるので、利用者さんも気持ちよくサービスを受けることができ、ご家族にも安心感を与えます。
介護の仕事でNGな服装や身だしなみとは
介護の現場でふさわしくない服装や髪型、ネイル、アクセサリーについて確認しましょう。
NGな服装
介護の仕事でふさわしくない服装は、次のようなものです。
露出が多い服
胸元が大きく開いている服や、丈が短くかがむと肌や下着が見えてしまう服、身体にフィットしすぎて下着のラインや身体のラインがくっきりと映ってしまう服などは、介護サービスを提供する服装としてふさわしくありません。
利用者さんやご家族に不快な印象を与え、苦情につながる場合もあります。
また、利用者さんからの印象だけではなく、自分自身も露出が気になって動きが制限されてしまっては適切な介助はできませんので、注意が必要です。
死を連想させる黒い服
喪服をイメージさせる全身真っ黒の服は、利用者さんに死を連想させてしまうこともあので避けましょう。
装飾がついている服
飾りやボタン、ファスナーなどは極力ついていない服を選びましょう。ポケットが多いカーゴパンツやフード付きの服は、利用者さんに不意につかまれたり引っかかったりする可能性があり、危険であるため好ましくありません。
半ズボン、襟のないシャツ
襟のある服のほうがきちんとした印象になるためポロシャツなどを採用し、襟のないTシャツはNGとしている施設もあります。露出が高くラフな印象を与える半ズボンもNGとしている事業所は少なくありません。
ただし、入浴介助の際は水や汗で濡れるので、濡れてもよく動きやすい半ズボン、Tシャツに着替えて介助にあたる施設が多いです。入浴介助の際も、襟ぐりが伸びきっているTシャツやよれよれのTシャツはだらしない印象を与えるので控えましょう。
NGな髪型
介護の仕事でふさわしくない髪型は次のようなものです。
長い髪を束ねず垂らしたままにしている
肩までかかる長い髪は介助時に利用者さんに触れることや、自分の髪の毛で視界が隠れて危険につながることもあります。見た目にもだらしなく、汚らしい印象を与えかねません。肩までかかる長い髪は仕事をするときに邪魔にならないように、すっきりと清潔感があるかたちにまとめましょう。
前髪で顔が隠れている
前髪で顔が隠れていると表情がわかりにくく、利用者さんに不安感を与えます。前髪が目に入ると自分も気になりますし、利用者さんから見ても鬱陶しく感じるので、前髪は目に入らないように短くカットするか、ピンなどで目にかからないようにしましょう。
明るすぎるカラーリング
髪の毛の色が明るすぎる茶色や金色、奇抜な色などをしていると、清潔感がなく、きちんとしていない印象を与えます。髪の毛の色は自然な黒、またはこげ茶色としましょう。事業所によっては何トーンまでとカラーリングの目安が示されている場合もあります。髪の毛の色も、介護サービスを提供する介護職員としてふさわしい色にしましょう。
ネイルやアクセサリーはNG?
介護の仕事では、ネイルやアクセサリーは基本的に禁止されているところが多いです。介護の仕事を行ううえでネイルやアクセサリーでのお洒落は不必要なものであり、見た目の印象もよくありません。長く伸びている爪や剥がれそうなつけ爪、引っかかるアクセサリーなどは、利用者さんにケガを負わせてしまう危険性もあります。爪のケアを行うことはよいですが、仕事をするうえで危険性のあるもの、必要ないものは身につけないようにしましょう。結婚指輪のみ可としている職場もあります。
介護の仕事に適したおすすめの服装例
介護の仕事に適したおすすめの服装、選び方について説明します。
ジャージ
介護の仕事を行うのに適した伸縮性、動きやすさを兼ね備えている服装にジャージがあります。肌寒いときにもさっと羽織ることができます。介護用のジャージは、利用者さんと触れたときに静電気が起こりにくい「帯電防止」素材のものや、ファスナーが利用者さんに当たらないように隠れる仕様になっているものもあります。
ポロシャツ
ポロシャツは一年を通して着ることができ、介護の仕事を行うのに適した服装です。伸縮性のある素材で動きやすく、洗濯も気軽にできてお手入れも簡単です。襟付きのため、Tシャツと比べてフォーマル感があります。ポロシャツは半袖のものが多いですが、冬などは中に長袖Tシャツを着る、上からトレーナを着用するなどの方法で調整することも可能です。
Tシャツ
Tシャツは入浴介助の際などに、汗や水で濡れてもよい服装として使用されます。濡れても乾きやすい吸汗速乾タイプが便利です。
ズボン・パンツ
動きやすくストレッチ性のあるジャージ素材のパンツや、きちんと感があるチノパンツがおすすめです。介護の仕事の際には股上が深いものを選ぶと、かがんだときにもウエストから下着や肌が見えにくくなります。
エプロン
エプロンは水回りの仕事をする際や食事介助時などに、服の水濡れや汚れを防ぐために使用されます。優しい色合いでシンプルなデザインのもの、撥水性のあるもの、お手入れがしやすいものを選ぶのがおすすめです。
靴
靴は移乗や歩行の介助の際にも踏ん張りやすい、安定感があって歩きやすい運動靴が選ばれやすいです。入浴介助やベッドに上がる機会があるなど脱ぎ履きする機会が多い場合は、スリッポンタイプが便利です。踵のある靴を踏み潰して履くのは、見た目にだらしがないので避けましょう。スリッパは脱ぎ履きしやすいですが、転倒やつまずきのリスクが高く、安全面で考えると運動靴のほうがおすすめです。1日中立ち仕事をするので、軽くて足が疲れにくく、履きやすい靴を選びましょう。汚れがついてもふき取りやすい素材の靴もおすすめです。
介護職は「安全性」「動きやすさ」「清潔感」を兼ね備えた服装が大切
介護職員の服装は、安全に介護の仕事が行え、動きやすさなどの機能面と見た目の清潔感を兼ね備えているものが理想的です。
ポロシャツにジャージというのが介護職員の定番の服装というイメージがありますが、最近は、見た目にもお洒落なユニフォームを採用する施設も増えてきています。自分の好みの服を着ることは仕事のモチベーションアップにもつながるので、私服がOKの職場では、身だしなみのポイントを押さえた範囲であれば、お洒落を楽しんでもよいでしょう。個人購入できる介護用のユニフォームを取り扱うショップも増えてきています。
介護職員の服装でもっとも重要なのは、サービスを受ける利用者さんとサービスを提供する自分のために、安全性・動きやすさ・清潔感の3つのポイントを考慮して選ぶことです。