介護職員指導手法!業務上の命令・指導とパワハラの違い

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介護職員指導手法!業務上の命令・指導とパワハラの違い

人手不足が深刻な中、介護現場で働いて頂いている皆さんは貴重な人財です。そして当然のことではありますが、パワハラによる離職などあってはなりません。パワハラの予防には良好な職場環境作りが効果的ですが、それは管理職一人で作れるものではなく、職員一人ひとりの取り組みが必要です。

また、パワハラは、上司から部下へのいじめ・嫌がらせを指して使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われる場合もあります。

今回は『パワハラ~業務上の命令・指導とパワーハラスメントとパワーハラスメントを起こさないために~』についてご紹介をしますので、職場内の改善にご活用頂ければ幸いです。

業務上の命令・指導とパワーハラスメント

パワハラは、業務上の命令や指導なのか、パワハラなのか、画一的な線引きが出来ない難しい問題です。上司が業務上の指導を行う場合には、業務上の必要性や適正な内容かどうか、指導のタイミング、指導の場所、指導方法など状況に応じて適正な指導に留意する必要があります。

なお、上司は、業務上の命令や指導とパワハラの線引きが難しいからと言って、業務上の必要な指導等を行うことを怠ることがあってはなりません。このことを踏まえ、自らの職責に応じて適正に権限を発揮し、上司としての役割を遂行することが重要です。

また、部下は、上司の業務上の命令や指導に対して不満に感じる場合でも、これが本来の業務の適正な範囲で行われている場合には、パワハラには当たらないことを認識することが必要です

<指導をする際の注意点>

  • 部下の人格を尊重し、常に「育てる」という意識を持って指導すること
  • 業務の必要性を部下に示した上で指導すること
  • 業務の内容・量、指導のタイミング、指導の場所、指導方法など状況に応じて適正に指導すること

【パワハラと指導の違い】

パワハラ指導
目的・相手を馬鹿にする、排除する
・自分の目的の達成
(自分の思い通りにしたい)
・相手の成長を促す
必要性・業務上の必要がない
(個人生活、人格を否定する)
・業務上の必要性があっても不適切な内容と量
・仕事上必要性がある、または健全な職場環境を維持するために必要なこと
態度・威圧的、攻撃的、否定的、批判的・肯定的、受容的、見守る、自然体
タイミング・過去のことを繰り返す
・相手の状況や立場を考えない
・タイムリーにその場で
・相手が受け入れ準備ができている時に
誰の利益か・組織や自分の利益優先
(自分の気持ちや都合が中心)
・組織にも相手にも利益が得られる
自分の感情・いらいら、怒り、嘲笑、冷徹、不安、嫌悪感・好意的、穏やか、きりっとした
結果・部下が委縮する
・職場がぎすぎすする
・退職者が多くなる
・部下が責任をもって発言、行動する
・職場に活気がある

介護現場には、上司や同僚の態度についてパワハラと感じている職員がいます。威圧的・攻撃的・否定的・批判的な態度は相手を委縮させてしまうこともあります。また、感情に任せた言動、自分都合主義も良くありません。

これらの言動を取っていないか自分自身を振り返り、心当たりがある場合は「肯定的」で「相手のことを思った」言動に切り替えるようにしましょう。

パワーハラスメントを起こさないために

パワハラは、上司から部下に対して行われることが多いです。管理監督者(上司)本人がパワハラを起こさない為に、次の点に留意する必要があります。

暴言

部下に暴言と感じる言葉を言うのは、職場内や時間外の懇親会などでも言ってはいけません。笑いながらでも「馬鹿野郎!おれの話が聞けないのか?」という言葉も暴言の言葉に感じます。部下の指導にあたって、「改善して欲しい」と厳しく指導することが必要な時もありますが、相手の性格やスキルを充分見極め、相手に合わせた言葉で、適切に対応することが必要です。

執拗な非難

上司は、部下の失敗には状況を把握した上で、具体的に指導することに心がけることが必要です。部下の中には上司に言動に疑問を抱き、反論したい場合でも、反論しづらい立場にあることを理解し、部下の立場も考えて、利用者や他の職員の前で叱らないようにするなどの配慮や工夫も必要です。必要な注意であったとしても、過去の話を持ち出すなど、繰り返して注意をしないことが必要です。

威圧的な行為

業務上必要な言動であっても、言葉、態度が威圧的と感じさせないように注意することが必要です。「何をやっているんだ!」等の上司の強い言動だけでなく、日頃の仕事の体育会的な姿勢や様子が、パワーハラスメントと感じさせてしますこともあります。

実現不可能・無駄な業務の強要

明らかに達成が難しい目標値や上司の車を洗車させる等の仕事の強要や私生活への介入(交際状況、家族関係)や人権の侵害ともいえる否定的な言動は許されません。部下に対して大きな業務負担をかける仕事を命じる場合は、命じる前に部下に任せる理由などを説明するフォローが必要です。

仕事を与えない

部下には好き嫌いなどの感情的な差別なく、スキルや役職などに合った仕事を与えなければいけません。合理的な理由なく仕事を与えないことは許されません。上司の意見と反する意見を言ったことなどを理由に、仕事を与えないなどの罰を与えるのは権限の濫用になります。

仕事以外の事柄の強要

部下に仕事以外の上司の地元の行事などの手伝いを命じるのは明らかに不適当な命令です。部下に対して合理的な理由がないのに、仕事以外のこと、例えば交友関係などに干渉しない態度が必要です。

暴力・傷害

部下に暴力を振るうことは犯罪になり得ますので、感情コントロールが出来ない、酔った上でも決して許されるものではありません。

名誉棄損・侮辱

部下だからと、部下を人として敬わない扱いするなど、人として侮辱と感じるような言動をしてはいけません。常に職場の仲間として、部下の人格を尊重する必要があります。

隔離・仲間外し・無視

部下と性格が合わなかったり、気に入らないからといって、部下の言動を無視したり、その部下だけを仲間外れにすることは決して許されるものではありません。

パワーハラスメントの被害を受けないためには

パワーハラスメントは、相手が一方的に行っている場合ばかりでなく、無意識に自分の言動が相手を怒らせている、不快にさせたりしていることもあります。自分自身の仕事への取り組みの姿勢や周りへの日頃の振る舞いを見直すことで、パワハラを避けることができます。まずは自分自身の言動について、意識して見直してみましょう。

失敗をした時に言い訳から始めていませんか?

失敗をしたら先ずは謝る姿勢は大切です。謝るのと謝らないのとでは、上司の印象は大きく変わりますし、謝るということは責任をもって仕事をしているということの現れです。「自分は悪くない。」と言う、言い訳ばかりしていると、反省をせずに責任回避していると受け取られます。先ずは謝る、そのあとゆっくりと原因や今後の対策を上司と共に考えれば、上司も「今回は失敗をしたけど、今後このことを活かして一緒に頑張ろう!」という気持ちになります。

“YOU(あなた)”メッセージではなく、“I(私)”メッセージで伝えていますか?

人は誰でも「あなたが間違っている」と言われると、気分のよいものではありません。「あなたが間違っている」という“YOU(あなた)”メッセージではなく、「私のことが誤解されているように思うのですが …」という“I(私)”メッセージで伝えると、相手も受け入れやすいものです。

まめに報告・相談をしていますか?

会議資料など決められた提出期日までに間に合わない、命じられた業務がうまくいかないなど問題が起きそうな場合には、あれこれ考え悩み決心できず行動に移せないかもしれませんが、すぐに相談をするようにしましょう。言いにくいことでも時間が経ってからの相談や報告では、期待していた上司もその後の対応が遅くなりますので、怒りも増します。上司は「一緒に問題を解決してくれる立場なんだと」、相手の立場を思いやり、後で困らせないことも大切です。

参考文献:お互いが働きやすい職場にするために パワー・ハラスメント防止ハンドブック(人事院)

ハラスメント防止を通して、職場内と互いの振り返りを行いましょう!

コミュニケーションが一方的、職員同士の助け合いがなかったり、話し合う雰囲気が乏しく、ぎすぎすした雰囲気の職場もハラスメントが起こりやすい職場といえます。交代勤務や人材が限られる中で時間を作ることがなかなか難しいこともあるかもしれませんが、ハラスメント受けた職員に面談をすると以前上長に相談したのにもかかわらず解決してもらえず、ハラスメント行為がエスカレートしたという事例もあります。聞こえてないと独り言で何気なく心無い言葉をつぶやいたこともハラスメントと見なされますので、職場内と互

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