【居宅介護支援における苦情・事故対応】苦情対応のポイント

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【居宅介護支援における苦情・事故対応】苦情対応のポイント

苦情とは、利用者及び家族その他関係者からの当サービス全体に関わる不満や改善要求又は被害の訴えやこちらの契約違反に対する損害賠償の請求等の全てを示します。どんな些細なことでも絶対に見落とすことなく、サービス業である私たちはこれを顧客からの警告として受け止める必要があります。

苦情対応を始める段階で相手からの私たちに対する信頼度はゼロです。しかし、しっかりと相手のことを考え、時間を意識し、誠意を持って対応することで対応完了時に今まで以上の信頼関係が築ける事もあります。

今回は、居宅介護支援における『苦情・事故対応~苦情処理のポイント』についてご紹介をしますので、皆様の業務改善にご活用頂けたら幸いです。


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電話での苦情処理のポイント

苦情を受けるにあたり、一番多い苦情の受付手段は電話でのお申し出です。

◎苦情の内容を聞きましょう。
苦情電話には、いくつかの特徴があり、以下の3点に大きく分類されます。

① 謝罪を求めるもの
② 補償を求めるもの
③ 訴えを聞いてほしいもの

上記の②については、事業所内だけで解決する事は難しいので、すぐに法人本部に電話をし、会社として対応する必要がある。しかし「③訴えを聞いてほしいもの」が頻度としては一番多いです。

どのような苦情も相手方より最初は、感情的に電話を掛けて来られてしまう事も多く、「謝罪しなきゃ!」「どうやって謝ろう!?」と気が動転してしまうものです。しかし重要なのは、まずは相手の話をじっくりと聞くことです。

「はい」「なるほど」など、いつもよりも少々大げさなくらいに相槌を打ち、誠意を持って相手の話を聞く必要があります。このとき、重要な事は、「相手に矛盾点や誤解があったとしても、反論はせずに、最後まで相手の話を聞く」ことです。

この場合相手は、解決策の提示を求めておらず、「訴えをきいてほしい」と思っておられることも多いです。

その場合も踏まえ、「しっかり話を聞いてもらえた」という満足感を与える事が必要です。話を聞くだけで「あー、すっきりした。今度から気をつけてね」となる事も非常によくあることです。

ただ、相手の話に注意深く耳を傾け、客観的な事実を発見するように努めて下さい。法人本部に電話にかかってくる案件では、訴える内容は至極ごもっともな事であるのにも関わらず、事業所ではそのご家族等を「クレーマー家族」と決め付けている事が多いです。お互いの主観・都合ではなく、あくまで、起こった事象に対する客観的な事実を発見する必要があります。

共感する

相手の言い分に、共感する姿勢を示す事が求められます

例えば、相手が間違っていた場合でも、「もしそのような場合でしたら、○○様のおっしゃるとおりです」と、相手の立場に立って共感すれば、「この人は分かってくれている」と、こちらに親近感を持ってくれるものです。

お詫びする

たとえこちらに否がなくても、相手を不快な気分にさせてしまっているという事実があります。まず誤解させそのような気分にさせた事に対してお詫びをする事を心がけましょう

例としては「○○様の気分を害してしまったようで、本当に申し訳ございません」です。

解決策を提示する

自分が処理できる問題か、他の担当者に代わってもらうべきかを判断し、言い訳を言わないように、対処することが重要なポイントとなります。

その場合、できれば解決策を折り返し電話することが望ましく、その際には、必ず「いつごろ電話をするか」を相手に伝えることを実践して下さい。

相手は電話を切った時には落ち着いていても、時間がたてばまた腹が立ってくるものです。

そうした時、「折り返しの電話が遅い!対応が悪い」という風に、新たなクレームに発展をする事もよくあります。

よって、いつ解決策を提示できるのかを、しっかりと伝えなければなりません。そのような場合の実践手法の一つに、「分刻みの時間で対応する」というものがあります。

《悪い例》 管理者が公休の時にクレームの電話を受け付けた。

① 内容をしっかり聞かず「責任者からすぐ折り返します。」とお伝えしましょう。
② 管理者の携帯に掛けたが電話に出なかった為、また1時間後に管理者に再度電話を掛けようと思い、自分の業務に戻ってしまった。
③ 30分後「どうなったんだ!すぐ掛けると言ったじゃないか!」と再度怒られてしまった。

※こうなるとその後のフォローが大変難しくなり、管理者の信頼が失われてしまい「もっと上の人間を出せ!社長から電話させろ!」となってしまう事もある。よって以下の例を参考にして下さい。

《実践してほしい例》

  1.  内容を聞き、「大変申し訳ございません。管理者の○○に連絡を取りまして、お客様に電話をお掛けするようお伝え致します。管理者は、本日、お休みを頂いておりますので、30分お時間を頂けますでしょうか。もし30分以上お時間を頂いてしまう場合には、30分後に現在の進捗をご連絡させて頂きます。」
  2.  すぐ管理者に連絡がついて、お電話いただいてから15分後に相手にお電話が出来て、謝罪をさせて頂いた場合。相手の気持ちの中には「30分と言っていたが、15分で掛けて来てくれて、謝罪してくれた。迅速に対応して頂いてありがたいし、職員の教育も行き届いている。またサービスを使おう」という気持ちになるかもしれません。
  3.  管理者と連絡がつかなかった場合、30分を超えない時間内で進捗をご報告し、「もう1時間お時間を頂けますでしょうか?」「○時or○日までお時間を頂けますでしょうか?」と遅れる理由を明確にお伝えし、お時間を頂き対応します。この場合管理者にコンタクトが取れない場合には、法人本部に報告し対応をしましょう。

最終的に管理者で対応できない場合、法人本部が対応することになります。したがって、電話を受けた職員が、最初に相手の訴えの内容をしっかりと聞けていないと、法人本部も情報不足から適切な対応が出来なくなります。電話を取った職員は化「お叱りを受けた」というショックもあるかと思いますが、しっかりとお話を聞いて下さい。

フォローを行う

解決策を提示して言葉で許してもらったら終わりではありません。

介護施設等を複数の事業を運営している場合は、再度の利用等で利用者やご家族にお会いする機会があります。送迎時や来所時、役割分担を決め、改めて「先日は大変失礼いたしました。」等の謝罪を行って下さい

まとめ

クレームを言う方は、実は相当の「勇気」が必要で、皆さんへ以後の改善の期待があるので、ご連絡をされます。

病院や介護施設を利用したご家族等は、クレームを言った事で「しっかりと面倒を見てもらえなくなるのではないか?」「職員にこれからいじめられはしないだろうか?」と後悔の念に襲われる事がしばしばあります。そのご心中を察し、フォローを行う事がとても重要です。

お会いした際には、笑顔で「頂いたお声(絶対にクレームとか苦情とかこちらからは言わない。)より、他のご利用者様にも同様なご対応をしていたのではないかと職員一同、考える機会を頂く事が出来ました。これからもどうぞ宜しくお願い致します。」など言われると、相手の心は非常に安心されます。

フォローを行う事で、クレームを信頼に変えることが出来るという事を肝に銘じて頂いて、丁寧なご対応を心がけて下さい。

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