私って介護職に向いてない?辞めたいと思う理由と、介護職の向き不向きの考え方

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私って介護職に向いてない?辞めたいと思う理由と、介護職の向き不向きの考え方

どのような仕事に就いたとしても、一度や二度「辞めたい」「自分には向いていないのではないか」と考えることはあるでしょう。この記事では、「介護職に向いていない」と感じやすいタイミングや、介護職には向いていない人の特徴などについて解説していきます。これから介護の仕事を始めてみたいという方も適正を知ることができるので、ぜひ参考にしてください。

介護の仕事には向き不向きがある

世の中にはたくさんの仕事があって、その人によって向き不向きはあるでしょう。もちろん介護職にも向き不向きがあるため、仕事が上手くいかないと「辞めたい」と考えてしまうのは仕方のないことです。しかし、簡単に「向いていない」とあきらめてしまうのは、実はもったいないことかもしれません。介護の仕事をしている人で悩みを抱えているのであれば、自分の長所や特性を理解したうえで判断をすることが大切です。

介護の仕事が向いていないと感じやすいタイミング

介護の仕事はハードであるため、「向いていない」と感じる瞬間があるのは仕方のないことです。介護職の場合、仕事を続けるうえで「向いていないのではないか」と感じるタイミングがいくつかあるので、それぞれ見ていきましょう。

入社1~3ヶ月目

どのような仕事でも、入社直後には覚えなければならないことがたくさんあるのが一般的です。そのため、仕事中にストレスを感じることもめずらしくありません。入社~3ヶ月頃は、仕事を覚えてほかのスタッフについていくだけで精いっぱいという人も多いでしょう。特に介護職は覚えることが多いので、毎日が慌ただしく過ぎてしまう可能性が高いといえます。そのため、入社後比較的早い段階で自分が思い描いていた理想とのギャップに気付き、「思っていたのと違う」「自分には合っていない」などの不安を感じやすくなるのです。

また、まったく異なる分野から介護職に転職した場合など、未経験から介護の仕事を始めた方も理想とのギャップを感じやすい傾向にあります。「介護の現場は想像していた以上に大変だ」と感じてしまうと、状況によってはやりがいを見出しにくくなる可能性もあります。

入社2年目

入社してから1年程度経つと、多くの人が仕事をひと通り覚えるでしょう。すると、仕事に対して楽しさや自信、やりがいを感じるシーンも少しずつ増えていきます。しかし、入社2年目は仕事に慣れてくる分、ちょっとしたミスや失敗が起こりやすい時期でもあるのです。加えて、自分の後に入社した新人と比較されるなどすると「自分は向いていない」という思考に陥りやすくなり、人によっては必要以上に思い悩んでしまうこともあります。

入社3~5年目

入社して3~5年が経過すると、スキルや知識がどんどん積み重なっていきます。ある程度経験を積んでいるスタッフの場合、後輩が入社すると指導をする立場になる場合があります。介護職でリーダーなどの役職を任せられると、介護の仕事そのものというよりも現場のマネジメントに悩む人が増えてきます。現場スタッフと経営陣の間でリーダーが板挟みになってしまい、「向いていない」「辞めたい」という気持ちが強くなるというのはよくある話です。

また、入社して数年同じ会社で働くと、現場の仕事だけでなく、会社が抱えている問題などもおのずと見えてきます。入社3~5年のスタッフに関しては、実績を積んでいるがゆえに会社に対する不満などもあるでしょう。加えて、将来のキャリアプランについて考える人のなかには、「このまま介護職を続けて良いのか」などと考えている人もたくさんいるのが実状です。

「介護職に向いていないのかな?」と悩みやすい人の特徴

性格が優しすぎる人

優しすぎる性格の持ち主は、自分の能力にかかわらず、他人が要求することをすべて受けてしまう傾向にあります。そのため、利用者さんに振り回されてしまうおそれがあります。介護スタッフという立場上、利用者さんの希望を何でもかなえるのが良いこととは限りません。
このような方の場合、向いていないというよりも、むしろ介護職に向いている性格だと言えます。
介護職には相手を思いやる優しさが必要です。しかし、優しい=相手の言うことを何でも聞くということではないということを理解できれば、断ることに心を痛めることもありません。
利用者さんのことを思うからこそ断れるようになれれば、負担を感じる機会も少なくなるでしょう。

体力がない人

介護職は要介護度の高い方などのケアを行う際に力を必要とする場面が出てきます。そのため、現場で働く場合は体力があることが絶対条件といえます。施設によっては夜勤があることも多いので、生活リズムを整えて、夜でもしっかりと利用者さんをサポートできる体力が求められます。
そのため、体力がない方の場合も「向いていないのでは……」と悩む場合があります。

しかし、ボディメカニクスなどを学ぶなど、介護のスキルが上達すれば肉体的な負担は軽減することができます。また、仕事に慣れないうちは勤務のローテーションを調整したり休日の過ごし方を工夫したりするだけでも体力的な負担は軽減されます。
日頃から基礎体力を鍛えるためのトレーニングを行えば、介護の仕事面だけでなくご自身の健康維持管理にもつながるでしょう。

介護職に向いていない人の特徴

介護の仕事にあまり向いていない人には、いくつかの特徴があります。ここからは、介護職に向いていない人の特徴について見ていきましょう。

せっかち・効率だけを重視する人

多くの仕事において、「効率よく仕事をこなしているか」という点は重視される傾向にあります。しかし、介護の仕事においては、効率よく仕事が進まないケースが多々あります。介護スタッフは高齢者や認知症の方の生活をサポートしていくため、効率的ではないケースがほとんどです。また、介護の仕事に携わる以上、介助される側の立場や気持ちを十分に理解したうえで、尊重する姿勢を示すことも大切です。
とにかく効率よくスピーディーに仕事をこなしたいという方の場合、「介護の仕事に向いていない」と感じることが増える可能性があります。

協調性が無い人

介護の仕事は自分1人で行うことはできません。介護職員同士や、多職種との連携によるチームプレーが求められる仕事です。そのため、協調性に欠けている人は介護職には向いていません。介護スタッフが自分勝手な行動をとると大きな事故につながるおそれもあるので、現場では協調性は特に重視されています。

神経質・潔癖症の人

介護は入浴介助や排せつ介助などを伴う仕事です。そのため、神経質すぎる性格の人や潔癖症の人の場合は、仕事がつらいと感じる可能性が高いといえます。

介護職を辞めるかどうか判断の基準とは

介護職を辞めるかどうかで悩んでいる場合は、判断の基準についても押さえておきましょう。

介護の仕事にやりがいを感じているか?

仕事を辞めるかどうかで悩んでいる人の多くが、仕事に対する「やりがい」という部分を気にかけています。仕事にやりがいを感じているかどうかを判断する基準は、「仕事に取り組んでいるときに達成感や楽しさが感じられるか」という点にあるといえます。
仕事に苦手意識を持っていると、「自分には向いていないのではないか」と判断してしまいがちです。「向いていない」と思ったときには、仕事で成果が出ない原因や、原点に立ち返って「自分が介護の仕事をしている理由」について考えてみることが大切です。

将来自分のなりたい姿をイメージできるか

5年後、10年後、自分が介護職を続けているかどうかをイメージしてみることも大切です。将来の具体的なビジョンが描けている場合は今の自分と照らし合わせてみて、このまま介護職を続けるかという判断基準にしてみましょう。

周囲の人に聞いてみる

介護職を辞めるか悩んでいるのであれば、職場の同僚や友人に悩みを打ち明けてみるという方法もあります。周囲の人に相談すると、自分では分からなかった客観的な事実が見えてくることもあります。周囲の人に聞くのが難しい場合は、無料転職サイトなどに登録してカウンセラーに相談することも一つの方法です。

介護の仕事に向いていないと思ったときの対処法

「介護の仕事に向いていないのではないか」と思ったときには、これから紹介する3つの対処法を試してみましょう。

休みを取って気分転換をする

働きすぎて疲れていると、正常な判断をするのが難しくなります。休みを取り、リラックスした状態で介護の仕事に向き合うと、同じ問題でも違う目線で見ることができるようになります。

まずは達成できる目標を立ててみる

キャリアアップをするうえでは、目標を持って仕事に取り組むことが大切です。しかし、掲げた目標のレベルが自分の能力に見合っていないと、達成感を感じることが難しくなるでしょう。そのため、まずは自分の現状に合った小さな目標を立てて、それを一つずつクリアすることで仕事に対する喜びややりがいを感じられるようにすることが大切です。

介護職に向いていないと感じるポイントを書き出す

「介護職に向いていないのではないか」と悩んでいる人のなかには、「向いていないと判断した理由」が明確ではない人もいるでしょう。介護職に向いているかどうかで悩んでいる場合は、紙に「向いていないと感じるポイント」を箇条書きしてみるという方法が効果的です。紙に向いていない理由を書き出すと、自分の状況や問題が整理しやすくなるというメリットにつながります。

しっかりと自己分析をしよう!

介護職の仕事はハードですが、長く働くとその分経験や知見を生かすことができるので、待遇アップも期待できます。また、介護職はほかの仕事と同様にマイナス面もありますが、やりがいが感じられる仕事でもあります。「介護職に向いていない」という不安を抱えている人でも自分に合った職場環境で働けば、やりがいを持って働くことは十分に可能です。転職も視野に入れたうえで自己分析を行い、自分に合った働き方を実現しましょう。

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