介護夜勤専従って意外と楽なの?夜勤専従をお勧めする理由と注意点

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介護職の夜勤専従という働き方を検討している方の中には、「夜勤なら利用者さんは眠っているし、楽に稼げる仕事なのかな?」と考える方もいらっしゃるのはないでしょうか?

確かに、日勤と比較すると入浴介助やレクリエーションが無く、業務の負担が少ないように感じるでしょう。
しかし、本当に夜勤専従の介護業務は楽なのでしょうか。ここでは夜勤専従の介護業務の内容と注意点について解説します。

夜勤専従の介護職が求められる理由

以前介護は、ご家族の中で主として女性に頼っているものでした。寝たきりであるご家族の体を拭いたり、食事を作って介助したり、確かに家事に疎い男性にはできないことだったかもしれません。

現代になっても、なお介護スタッフには女性が多いのが現状で、それは24時間介護にあたる特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設でも同様です。比較的時間が自由になる若い介護士ならともかく、結婚して家庭がある女性には自宅での家事をこなす必要もあり、夜勤は難しくなります。

夜勤専従者がいれば、それだけ日勤に専従できるスタッフが増え、ケアを充実させることができます。施設全体のケアのレベルを上げることも可能になるので、運営する事業者にとっても重要な存在だといえます。

介護職の夜勤専従者が楽だと感じるポイント

一般に夜勤専従者のほうが楽だと感じる人が多いのはなぜか、その理由としては次のふたつが挙げられます。

ポイント1:入浴介助やレクリエーションがないので、日勤よりも体力的に楽

日勤スタッフが行う入浴介助やレクリエーションなどの業務は、夜勤の時間帯においては行われません。それだけを考えれば、夜勤は日勤よりも体力的に楽な業務だといえるでしょう。

自立度の高い利用者さんが多い場合は、朝まで待機することが中心となる施設もあります。もちろん、利用者さんに対してしっかり目を配る必要はありますが、体力的には楽なシフトだといえるでしょう。

ポイント2:勤務するスタッフが少なく、人間関係が楽

日勤では業務量が多いので、大勢のスタッフと連携しつつ、お互いの関係にも配慮して業務にあたる必要があります。しかし、夜勤の場合は勤務するスタッフの数が少ないため、そういったはその配慮はほとんど必要ありません。

夜勤専従であれば人間関係という意味ではますます楽だといえるでしょう。人間関係が楽な分だけケアに集中できるので、現場ですべきことをしっかり実行しておけば、自分のペースで業務をこなすことも可能です。

利用者さんとは問題がなくてもスタッフとの人間関係に気を遣うのが得意ではないという人は、夜勤という環境のほうが自分の力を上手く発揮できるかもしれません。

介護職の夜勤専従介者をお勧めする理由

少ない勤務日数で高収入が得られる

夜勤シフトには、主にふたつのパターンがあります。ひとつは3交代制の深夜帯と呼ばれる夜10時ごろから翌朝6時ごろまで、もうひとつは2交代制の午後5時ごろから翌朝9時ごろまでです。

夜10時から翌朝5時までの時間帯は、法律で時給が1.25倍と定められているため、同じ時間を働いたとしても夜勤のほうが日勤よりも高額の給料が得られます。

同じ時間数ではあるものの、日勤よりも高給である上に勤務日数は半分程度。ほかの時間は自由に使うことができるので、趣味を楽しみたい人や将来のための勉強に時間を確保したい人にはぴったりな働き方といえます。

交代制と比べて一定のリズムで生活できる

一般的に夜勤を交代で務めるシフト制では、夜勤の日だけ生活のリズムを変えなくてはなりません。あらかじめ睡眠をとったり、食事の時間を変えたりすることもあるでしょう。

しかし、夜勤専従者の場合は勤務時間帯が夜間と決まっているので、初めから生活のリズムもその時間帯に合わせることが可能です。

生活のリズムが一定ではないと、体調不良やストレスの原因にもなります。夜勤専従者として勤務する場合ことで、リズムさえつかんでしまえば安定した生活を送りつつ、ストレスなく働くことができるでしょう。

夜勤専従の介護職において注意すべきポイント

どんなに高給だからといっても、夜勤専従にもデメリットや注意すべきポイントはあります。それらについてもしっかりと理解しておく必要があります。

昼夜逆転からくる家族とのすれ違いや体調不良

ほとんどの人は夜に眠り、朝になったら起きて日中に仕事をするのが普通です。その真逆となる夜勤専従の勤務では、生活リズムが変わってしまうのは当然のことでしょう。

特に家族と一緒に生活している人の場合、昼夜逆転の生活になることによって、ご家族との会話が少なくなり、ときには数日間顔をあわせないといったこともあるかもしれません。

そういった生活が続くと、コミュニケーション不足から家族との間にすれ違いが生まれる場合もあります。また、食事のタイミングも睡眠時間も変わるので、リズムをつかめなければ体調不良になることもあり得ます。

体調を崩しても代わりの夜勤スタッフがおらず、無理をせざるを得ないことも考えられます。あまりに不調になって病院に通院するようなことになれば、その時間も費用もばかにできないことになります。

これから夜勤専従シフトを始めたいなら、その前にご家族にもしっかり相談して、できれば夜勤を想定した生活サイクルを一定期間試してみるといいかもしれません。

夜勤専従のためには日勤での業務の習得が必要

夜勤専従の場合、日勤よりも業務量が少ないとはいえ、介護職スタッフであることに変わりはありません。日勤でしっかり勤められる介護スキルがなければ、夜勤は務まらないと考えてよいでしょう。

夜勤では、ただでさえ担当範囲が広くなります。その上スタッフも少ないので頼れる人がいつもそばにいるとは限りません。いざという時に適切な対応ができる判断力と行動力、知識も夜勤スタッフには不可欠です。

もしも介護職としての経験が少ないのであれば、まずは介護スタッフの基礎となる初任者研修を受講し、現場で日勤者として勤務することで様々な業務を習得することをおすすめします。そうして1人であらゆる業務をこなせるようになってから夜勤専従者を目指しましょう。

夜勤にあたるスタッフの人数は十分かどうか

これから夜勤専従者として応募するなら、夜勤にあたるスタッフが担当する利用者さんの数や介護内容に対して十分かどうかを確認しましょう。

レベルの高い介護技術が必要な利用者さんがいたり、同時に夜勤にあたるスタッフが極端に少なかったりすると、夜勤専従者個人にかかる負担が非常に大きなものになります。

自分のスキルと照らし合わせ、責任を持って務められるかどうかを冷静に見極めましょう。

休憩するための時間や待遇もチェックする

求人内容では、夜勤における休憩時間が確保されているかどうかもチェックしましょう。夜勤専従として勤務している人に話を聞ける機会があれば、実際にはどのくらい休憩できているかを聞いてみるのもいいかもしれません。

時間だけではなく、休憩場所がどんなものかも大きなチェックポイントです。異変があったときにはすぐに察知し、すぐにかけつけられる場所であることはもちろんですが、仮眠用のベッドやスペースがあるかといった点も確認しましょう。

休憩時間は、労働者に与えられた当然の権利です。無理なくしっかりと夜勤を務めるためにも、あらかじめ確認しておきましょう。

介護職の夜勤専従は高収入が期待できるが、楽かどうかは施設次第

介護職において、夜勤スタッフは貴重な存在です。夜勤専従を望めばすんなりと採用してくれる施設はあるでしょう。

夜勤専従という働き方が楽かどうかは、施設によって大きく異なります。自立度の利用者さんが多ければ比較的楽かもしれません。そうでない場合は、不測の事態にも備える必要があり、楽とはいえないかもしれません。

いずれにしても、夜勤は日勤に比べて働くスタッフの人数が少ないため、緊急事態などは限られた人数での対応が求められます。介護職としての経験が少ないならば、まずは日勤で経験を積んでから夜勤専従に転向するのがおすすめです。

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