介護職の中途採用に応募する際、履歴書に加えて職務経歴書の提出が求められます。
職務経歴書は応募者のキャリアやスキルを企業側が確認するための資料として使用されます。「書くことが何もない」と思う場合でも採用要件に合うかどうかの判断材料になるため、必ず用意してください。あなたの経験が、実は意外な武器になるかもしれません。
採用担当者が「会いたい」と思う職務経歴書の書き方をご紹介します。
採用担当者が見ている3つのポイント
職務経歴書は書類選考や面接の合否を分ける重要な資料となるため、一切の手抜きは許されません。採用担当者が職務経歴書の中で重視するポイントは3つあります。
- 介護経験・スキル
- 転職目的
- 志望動機
中途採用の選考では過去の介護経験やスキルが問われます。経験が浅く教育期間がある程度必要なのか、経験者で即戦力として期待できるかの見極めが必要なためです。
次に転職の目的は納得のいくものかどうか、前の職場で仕事を続けるためにどのような努力をしてきたかによって、自社で活躍できる人材かどうかを判断します。
最後に志望動機です。ホームページなどをくまなくチェックして、入社の熱意が他の応募者とは違うことが伝われば、担当者もあなたに関心を持つのではないでしょうか。
職務経歴書の書き方とマナー
職務経歴書の書き方の原則としては「簡潔に・分かりやすく」が原則です。経験をそのまま書くのではなく、整理・要約することが必要です。
フォーマットには「編年式」と「キャリア式」があります。
編年式
時系列に沿って職務内容を書きます。社会人経験の浅い人や転職回数が少ない人向です。履歴書に照らし合わせて読めるので分かりやすいです。
キャリア式
経験をカテゴリ別にまとめます。ケアマネージャーや相談員など専門的経験を持つ人や転職回数が多い人向きです。
介護職の職務経歴書を書く時の基本のルール
職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、一般には下記の5項目で構成されます。
そこから大きく逸脱してしまうと、採用担当者からも「読みづらい」と思われてしまうので、基本の書き方を押さえておきましょう。
- 職務要約
過去に働いた介護・福祉系施設の形態や規模、就業期間はどのくらいか?
経験がある職種や行なった業務はどのようなことか?
転職理由はどういったことか?
以上について簡潔で分かりやすい文章にまとめます。 - 職務経歴
「いつ・どこで・何を」がひと目で分かるように簡潔に書きます。施設形態によって業務内容はさまざまです。担当者の目線に立って、簡潔に分かりやすく書きます。 - 業務内容
②の職務について具体的な仕事内容を書きます。具体的といっても冗長な文章は望ましくありません。「入社したらこういう業務ができそう」と担当者がイメージできるように要約して分かりやすく書きます。 - 保有資格
普通自動車免許の有無、介護に関する資格は必須です。資格は取得年月順に書き、西暦か元号のどちらを使用するかを統一します。 - 自己PR
どのくらいの期間、どのような取り組みを行なったか、経験や実績からアピールできる自分の強みを書きます。
何よりも担当者に「会ってみたい」と思わせることが肝心です。
自己PR例文
自己PRの例文を紹介します。
私は特別養護老人ホームで3年間の介護職の経験を通じ、コミュニケーションの大切さを実感しました。
特に、利用者様にとってより良いケアを行うためにも、職員間での情報共有が大切ですが、現職では口頭での申し送りやメモ書きなど、共有方法が統一されていなかったため、共有漏れや共有に必要以上に時間を取られるといった問題点がありましたので、上長に情報共有の統一を提案し、スタッフの意見を取りまとめて、改善に貢献することができました。
また、認知症フロアを担当した際、限られた時間の中でも傾聴を心がけ、利用者様に寄り添うことで、より穏やかに過ごしていただける環境を作ることができました。
今後は、より認知症への理解を深め、一人ひとりに寄り添ったケアを通じて認知症状の軽減や、穏やかな生活の維持をサポートできる介護士になりたいと考えております。
まとめ
介護業界で求められる人材は様々ですが、共通して言えるのはコミュニケーション力に優れた信頼できる人です。経験やスキルはもちろん大事ですが、相手に分かりやすく伝える能力や、職務経歴書の文面と面接での受け答えが一致しているかどうかを採用担当者は見ています。
担当者が目を通した時に自社で働く姿がイメージできる内容になっているか、提出前に職務経歴書をあらためてチェックしてみてください。