電話対応や来客対応は、施設・事業所のサービスの質の確認が出来る最適な手段です。この対応次第で、ケアマネジャー等がこの施設・事業所にお客様をご紹介しようかが決まります。
電話対応や来客対応は、「正職員が行うもの」と誤解をしている非常勤職員もいますが、皆さんの働く職場とお付き合いする方々は、皆さんのお客様です。
今回は『社会人としての基本~電話対応・来客対応・名刺交換~』をご紹介します。皆さんの職場の意識改善にご活用頂ければ幸いです。
電話対応
【電話の特性】
- 相手の姿が見えません
- 電話一本でその後の相手との関係が決まります
- 固定・携帯電話代というコストがかかっています
- 周囲の声や音も一緒に伝わります
【電話応対で嫌われる3大要素】
- 暗い
- 早口
- つっけんどんで冷たい(態度や言葉遣いがとげとげしく愛想がない)
【電話をかける】
「お世話になっております。●●ケアセンターの●●と申します」
「恐れ入りますが、●●様はいらっしゃいますでしょうか?」
「いつもお世話になっております。只今、お時間よろしいでしょうか」
「●●の件でお電話致しました。~用件を伝える~」
「それでは失礼いたします。ありがとうございました」
受話器を静かにおきます。
【電話を受ける】
3コール以内に受話器をとります
準備⇒筆記用具とメモを準備します
「●●ケアセンター●●と申します」
「いつもお世話になっております」
「●●様でいらっしゃいますね」
用件を確認する(5W1H)で要領よく聞きメモをとります電話番号、会社名、氏名は必ず復唱します
「失礼致します。ありがとうございました」
受話器を静かにおきます
※ 5W1H⇒ Who(だれが) When(いつ) Where(どこで) What(なにを)Why(なぜ) How(どのように)
【電話の取り次ぎ】
名指人が在籍の場合
⇒「●●でございますね。少々お待ちください」
名指し人が不在の場合
⇒「申し訳ございません。●●はあいにく席をはずしております」名指し人が休みの場合
⇒「申し訳ございません。●●は本日休暇をとっておりますが、いかがいたしましょうか」
名指し人から折り返し連絡する場合
⇒「●●が戻り次第、折り返しこちらから連絡させていただきます」急ぎの用件を受ける場合
⇒「もしお急ぎでいらっしゃいましたら、私△△が承ります」
席次・立ち位置を考えてみよう
来客対応
【来客対応のポイント】
出迎え
- 笑顔で出迎え、「いらっしゃいませ」
- お客様の会社名、部署名、氏名、取り次ぐ担当者名を復唱
- 玄関で出迎えた場合はお客様の荷物やコートなど持つなど心づかいをしましょう
誘導
- お客様に通路の真ん中を歩いていただきます
- 案内者はお客様の斜め前方、2~3歩前を歩きます
- 案内者は身体をやや斜めに向けて、お客様に身体を向けながら進みます
- お客様のペースに合わせて歩きましょう
場所や方向を示す
- 手のひらを使います(指は4本揃えて、親指は自然にそえる)
- 案内者の視線は、お客様の目⇒方向や物⇒お客様の目の順で動かします
エレベータでの対応
- エレベーターボタンの前に立ち、ボタンを押して待機
- ドアが開いたら、ボタンを押したまま「どうぞ」とお客様を先に乗せます
- お客様が乗った後「失礼いたします」と会釈して案内者も素早く乗り、行き先ボタンを押します。案内者はやや斜めになってお客様に身体を向けて立ちます
- ドアが開いたら、「どうぞ、こちらでございます」と言って、お客様を先に降ろし、自分も素早く降ります
部屋に案内する
- 部屋に着いたら、空室でもノックしてからドアを開けて案内します
- 押し開きのドアの場合は案内者が先に入って、ドアノブを持ちお客様を迎えます
- 引き開きのドアの場合は室外でドアノブを持ちお客様を先に部屋に通します
- 「どうぞ、こちらでございます」とお客様を招き入れます。その後「こちらにお掛けください」と手で上席の席を進めます
- お客様が座りましたら「しばらくお待ちください」と挨拶をして退室します
- 退室する際、ドアのそばで「失礼いたしました」と軽く会釈してドアを閉めます
見送り
エレベータ前で見送る場合
- エレベータの前まで来たら、コートをもっているお客様には「どうぞ、こちらでお召しになってください」と声をかけます。荷物をあずかり、お客様が着やすいように手助けします
- エレベータのボタンを押して待機
- ドアが開いたら、ボタンを押したまま「どうぞ」とお客様に声をかけます
- お客様が乗ったら、ボタンを離し、エレベータに向かって中央に立ち、「ありがとうございました」と言って、ドアが閉まるまでお辞儀をして見送ります
玄関で見送る場合
- 玄関の外まで出て見送ります
- 接室などで、挨拶が済んでいても、玄関でも「ありがとうございました」と改め挨拶をします。「お気をつけてお帰りください」などの言葉も添えましょう
- お客様の姿が見えなくなるまで見送りましょう
名刺交換
【名刺交換のポイント】
- 名刺交換は必ず立って行います
- 原則は地位、役職が下位の人から先にだす
- 複数の場合はグループ内で上位の人から交換します
【名刺の渡し方】
- 名刺は相手の方に正面を向けて、名刺入れの上に載せ、両手で渡します。
- 腰より高い位置に名刺を持ち、社名、部署名、氏名を名乗りながら、相手の受け取りやすい位置で渡します。
「●●デイサービスの△△と申します。宜しくお願いいたします。」 - 少し前傾姿勢で渡すと経緯を伝えることができます
【名刺の受け取り方】
- 両手で「頂戴します」と言って身体を少し前屈して受け取ります
- 胸のあたりで持ち、相手の会社名、氏名、ロゴ等を指で置いてしまわないよう注意しましょう
- 相手の顔を見ながら会社名と名前を確認します
- 相手の名刺はすぐにしまわず、テーブル上に名刺入れを置き、その上に名刺を重ねて置くようにします
~名刺交換時、相手から名刺を受け取ったが、名刺を持っていない場合~
「申し訳ありません。私は名刺を持っておりませんが、〇〇の××です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。」と自己紹介をしましょう
まとめ
ビジネスマナーは、コミュニケーションの潤滑油のようなもので、人と人を結びつける最初の一歩で、ビジネスにおける相手への“思いやり”です。マニュアルどおりにはいかない場面も多々あると思いますが、ポイントは相手への“思いやり”です。日頃から職場全体で、来客者等にも思いやりをもった行動することを心がけましょう。