「認知症ケア専門士」には更新期限がある?その理由や手続きを解説

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「認知症ケア専門士」には更新期限がある?その理由や手続きを解説

ほかの認知症関連の資格と比べると、認知症ケア専門士の資格取得の難易度は高いとされており、取得するには多くの苦労があるかもしれません。

しかし、取得さえできれば、さまざまな研修や専門性の高い学会誌などを通じて継続的な学びを得ることとなり、より高いスキルや経験を習得する機会が得られるでしょう。

ここで重要なポイントとして挙げられるのは「5年ごとの資格更新手続き」が必要になるということです。

そこで当記事では、更新の方法や更新するべき理由などについて解説します。

認知症ケア専門士は更新制

認知症ケア専門士は、更新が必要な資格です。5年間で30単位を取得することが更新の条件となります。単位は、講習会や学術大会への参加、論文発表などを行うことで取得できます。

単位取得を通じて、認知症や社会の最新情報などを幅広く習得していくことが可能です。同じ分野で関わる仲間と交流することで専門士同士の横の繋がりを強め、他職種との連携を強化する狙いもあります。

更新申請に必要な手続きとは?

更新には手続きが必要です。更新の要件や書類、方法などを解説します。

更新申請に必要な書類

資格を更新するには、認知症ケア学会が用意する下記の申請書(様式Ⅰ~Ⅲ)に必要事項を記入して証明写真を貼付し、認知症ケア学会に宛てて送付することから始まります。

  • 資格更新申請書【様式Ⅰ】
  • 資格更新単位申請書【様式Ⅱ】
  • 更新申請書の送付先宛名【様式Ⅲ】

尚、更新を保留する場合は更新保留申請書【様式Ⅳ】の提出が必要です。

必要書類は認知症ケア専門士公式サイトからダウンロード可能です
http://ninchisyoucare.com/senmonsi/Ssenmonsi.htm

決められた期限内に手続きが必要

資格の更新には、「更新申請期間」があります。認知症ケア専門士の資格を取得してから5年目の年度の終わりにあたる1月~3月末に限られています。

この期間以外は更新ができないため、事前のスケジュール管理が必要になります。

更新期限までに30単位以上の取得が必要

資格更新の申請には、前回資格を更新してから5年以内に、認知症ケア学会の本認定委員会が定める3つの領域から30単位以上の取得が必要です。

[単位取得が認められる領域]

  • 領域1:学術集会等への参加
  • 領域2:生涯学習プログラム等への参加
  • 領域3:機関誌等への論文発表

このうち、20単位は学術集会等への参加、生涯学習プログラム等への参加から取得する必要があります。

研修の内容によっては、取得できる単位数が異なるので注意が必要です。単位を取得することができたら、学会の公式ホームページから取得単位数を記載するページをプリントアウトし、参加を証明する資料のコピーを貼付けて提出します。

更新申請の期限までに何らかの理由で30単位を取得できなかった場合、資格が失効してしまいますので注意が必要です。(保留申請による更新延長は1年に限り可能)

また、認知症ケア上級専門士の場合、上級専門士としての資格更新の必要はありませんが、専門士としての資格更新は必要となりますので、こちらも忘れないように注意しましょう。

更新料の支払いも必要

更新にかかる費用は10,000円です。支払いは、郵便局の指定口座への振り込みをもって完了します。払込取扱票に必要事項を記入して振り込むか、ATMから振り込みましょう。

振込完了後に受け取る「郵便振替払込請求書兼受領証」または「利用明細票」は更新申請書類へのコピー貼り付けが義務付けられています。なくさないように注意しましょう。

資格更新の手続きには、手間と費用が掛かるため、資格を更新するかどうか悩む方もいるでしょう。そこで、認知症ケア専門士の資格を更新するメリットについて解説します。

資格は更新するべき?その理由とは?

資格更新の手続きには、手間と費用が掛かるため、資格を更新するかどうか悩む方もいるでしょう。そこで、認知症ケア専門士の資格を更新するメリットについて解説します。

最新の知識や技術を学び続けることが可能

認知症ケア専門士の資格保有者であれば、認知症ケアに関する学会誌が配布されたり、学会や研修に参加したりすることができます。他ではなかなか学ぶことができない学術的な知識を習得できるため、大学教授などもこの資格を取得しています。

更新することで、最新の情報や知識、ケア技術が習得でき、認知症ケアのプロフェッショナルを目指す方にとっては貴重な機会を得ることができます。

また、資格を保有していることで最新の認知症ケアを学んでいるという証明にもなり、転職でも有利に働くでしょう。

更新をしないと資格を失ってしまう

更新を行わないとせっかく得た資格を喪失してしまいます。ただし、保留申請や休会中の場合はその限りではありません。

以前に認知症ケアに関わっていて、何らかの事情で現在は関わりがなくなったという場合、更新するべきかどうか悩む方も多いでしょう。しかし、あらためて資格を取り直すとなると大変です。

今後も認知症ケアに関わる可能性が多少でもあるようなら、資格更新をおすすめします。

保留申請をすれば猶予が与えられることも

資格を更新する上で注意するべきは、必要単位数の取得状況です。5年間とはいえども、限られた期間の中で研修参加や論文作成などを行うのは簡単なことではありません。

気がついたときには更新間近だったということも十分ありえます。ここで、必要な単位をすべて取得できていないからと、更新申請を諦める必要はありません。

認知症ケア専門士の更新には、「申請保留」の制度が設けられています。決められた更新保留申請期間中に必要書類を提出することで、1年間に限定して更新期間を延長することが可能です。延長した期間内で不足分の単位を取得し、申請すれば資格を更新することができます。

ただし、保留申請をした場合、次回の更新までは猶予分の1年を引いた4年間しかなくなるので、単位取得のペースを早めるなど注意が必要です。

資格の更新で最新の知識や技術を得よう!

資格の更新は、研修や学会への参加、論文発表などの単位取得が最大の課題となります。しかし、更新型であるからこそ、最新の知識や技術を継続して学び、認知症ケアのスキルを高めることができます。

また、介護職だけでなく医師や看護師などの医療従事者も多数取得する資格で、最新の認知症ケアを学んでいる証となり、転職にも非常に有利に働きます。

更新を忘れてしまうとせっかく努力して取得した資格も失効してしまいます。
更新のタイミングを忘れてしまわないように注意し、ぜひ資格を活かして、理想の職場を見つけてみませんか。

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