介護職の夜勤専従は高収入!どんな働き方なの?

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夜勤

老人ホームやグループホームなどの介護施設では、24時間体制での介助や見守りが必要な利用者さんが入居しています。そのため夜勤があるのが一般的です。夜勤は日勤と組み合わせて勤務するケースがほとんどですが、なかには夜勤専従という夜勤を専門とする働き方もあります。ハードな印象を持たれがちですが、夜勤専従は人気の高い働き方です。ここでは、夜勤専従に人気がある理由や業務内容、メリット・デメリットなどをご紹介します。

介護の夜勤専従ってどんな働き方なの?

介護職における夜勤専従とは、夜間勤務を専門とした働き方のことです。夜勤専門のため日勤者が仕事を終えた後、夜から朝にかけて働きます。勤務時間は事業所によってさまざまですが、「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、87%の施設が2交代制の夜勤形態を採用しており、多くの場合で1回の勤務が16時間前後となっています。
2交代制の場合は、16~17時から翌朝の9~10時までといった勤務時間帯が一般的です。
その間に1~2時間の休憩時間が設けられています。

労働基準法では、勤務時間は原則として1日8時間までと定められていますが、夜勤専従は「変形労働時間制」の考え方が適用されます。これは、「1週間の労働時間が法定労働時間(40時間)を超えなければ、1日の法定労働時間(8時間)を超えて労働できる」というものです。16時間労働の場合、1週間の労働時間が40時間を超えないように出勤日数が調整されます。そのため、休日が多く、1カ月あたりの勤務日数は10日程度です。3交代制を採用している施設の夜勤など、1回の労働時間が8時間程度と、通常と変わらない場合は1カ月に20日程度の勤務日数となります。

  • 1回16時間×週2~3回=月10日程度 休日が多い!
  • 1回 8時間の場合は月20日程度 日勤より給与が良い!

介護の夜勤専従の仕事内容

夜勤専従の仕事は、夕方もしくは夜から翌朝にかけて利用者さんをケアすることです。食事介助のほかに入浴介助やレクリエーションを行う日勤と比べると、業務の内容に少し違いがあります。

仕事内容

主な業務としては、利用者さんの食事の介助や歯磨きなどの口腔ケア、排泄介助、就寝するときと起床する際の介助などが挙げられます。夜間に施設内を巡回して見守りを行ったり、利用者さんの介護記録を作成したりするのも欠かせない業務です。

多くの介護施設で午前か午後に利用者さんの入浴を済ませるため、夜間専従で入浴介助をすることはほとんどありません。家庭では就寝前に入浴することが一般的ですが、介護施設では大半の利用者さんに介助が必要となるため、スタッフが多い時間帯に行われます。日中に行われるレクリエーションなども、当然夜間に行うことはありません。

日勤と比べ、仕事量は比較的少ない場合が多いでしょう。また、施設によってはほとんどコールが鳴ることもなく、勤務時間の大半が待機時間になるといった場合もあります。

  • 日勤よりも仕事量は少なめ!(入浴介助やレクリエーションは基本なし)
  • 就寝までのケアと夜間見回り、記録業務が主な仕事!

人数

夜勤では入浴介助やレクリエーションがなく、利用者さんが寝静まった後は巡回が主な業務となるため、日勤よりも少ないスタッフで対応することになります。
何事もなければ日勤よりも比較的業務量は少なくなりますが、利用者さんの体調が急変した場合などは、緊急対応が求められます。

なお、夜勤の配置人数は「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」によって定められています。

  • 特養:利用者さん25人につき1名以上
  • 老健:利用者さん40人につき2名以上(緊急体制が整っていれば1名以上)
  • グループホーム:利用者さん9名につき1名以上
  • 小規模多機能:利用者さん9名につき1名以上

※詳しい人員体制については、厚生労働省の資料をください

  • 人数が少ないので、何かあったときは大変!
  • あらかじめ、緊急時の対応方法を押さえておくことが大事!

介護職の夜勤専従で働くメリット

勤務時間が長い、夜から朝にかけて働くため生活が逆転してしまうなど、夜勤はハードな働き方です。しかし、さまざまなメリットがあることから、夜勤専従を選ぶ人が増えています。ここでは、夜勤専従にはどのようなメリットがあるかを紹介します。

少ない勤務回数で高収入が得られる

夜勤専従は16時間勤務の場合、1ヶ月に働けるのは10日間程度です。しかし、夜勤では夜勤手当がつくため、日勤よりも高収入になります。これが夜勤専従で働く際の大きなメリットです。夜勤専従スタッフは、正社員以外にも非常勤でも多数の求人が出ているのも特徴で、非常勤スタッフの給与は、「1勤務〇円」と日給制で提示されることが多いです。たとえば、東京都内にある介護施設では次のような給与設定で募集されています。

  • 介護福祉士:26,000円~
  • 実務者研修:25,000円~
  • 初任者研修:24,000円~

なかには、1勤務最大3万円というところもあります。仮に日給が2万6000円だとすると、月に10日間働けば月給は26万円となります。

なお、夜勤手当が日給に含まれているところもあれば、別で支給するところもあります。求人を探す際は夜勤手当が含まれているかどうかを確認しましょう。

交代制と比べて一定のリズムで生活できる

2交代制や3交代制を採用しているところでは、日勤に慣れたころに遅番に入ったり夜勤に回入ったりするため、生活のリズムが整いません。就寝のタイミングが合わずに、心身ともに苦しくなったり体調を崩したりすることもあります。しかし、夜勤専従であればずっと夜勤のみです。オンとオフの時間が一定のため、慣れてしまえば生活リズムを整えやすくなります。

出勤日数が少なく自由に使える時間が増える

先に述べたように、夜勤専従は変形労働時間制です。勤務時間が1週間に40時間を超えないようにするため、1日に16時間働いた場合は2日働いたとみなし、休日が与えられます。そのため、1週間の出勤回数は2~3回です。9時に出社して17時まで働くといった一般的な勤務形態とは異なり、週に5日間働くことはありません。のんびりと休日を楽しむことも、昼の時間を有効活用して副業をすることも可能です。

※副業に関しては各事業所で規定が定められていますので、応募の際にご確認ください

働く日を調整しやすい

夜勤専従はアルバイトやパートなど非常勤スタッフでの求人も多く、シフト制を導入していて勤務日数を選べるケースがよくあります。そのため、自分のライフスタイルに合わせてシフトを入れられるなど、時間の融通が利くケースが多い点も大きなメリットといえるでしょう。

介護初心者でも夜勤専従で働ける?

これまで介護の仕事をしたことはないものの、できれば夜勤専従で働きたいという人もいるでしょう。介護施設によりますが、なかには初心者や未経験でも応募可能な求人もあります。そういった施設を選べば、未経験から夜勤専従で働くチャンスはあるでしょう。

ただし、小規模な施設などは、夜間はスタッフ1人で対応することがほとんどです。利用者さんの急な体調の変化など、深刻なトラブルが起こったときでも、自分1人で判断し対応しなければなりません。これは、介護初心者にとっては難しい仕事でしょう。迅速で適切な判断ができず、誤った対応をしてしまう恐れもあります。

そのため、介護未経験や初心者の方の場合、最初は日勤で勤務して、業務に慣れてから夜勤専従とし勤務するといった施設や事業所もあります。

夜勤専従で働く場合の施設の選び方

介護施設にはさまざまな種類があります。夜勤専従といっても、施設の種類によって働き方や求められる業務は異なります。求人を探す際はどのような違いがあるかを知っておくことが大切です。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、自宅で生活をするのが難しいと判断された要介護度3以上の高齢者が入居する公的な介護施設です。介護度は高めですが、比較的症状の安定している利用者さんが多い傾向にあります。そのため、緊急対応等がなければ休憩も取りやすいでしょう。求人数が多いものの給与には差があるため、応募の際はしっかり確認することが大切です。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、介護付き、住宅型、健康型の3種類があり、介護付きと住宅型は利用者さんの介護度が大きく異なります。要介護度の低い方が多い施設であれば、夜勤の際も負担は少ないでしょう。要介護度が高い方が多ければ負担も大きくなる可能性が高いです。求人数は多めですが、施設によって設備や夜勤の働き方に大きな差があるため、注意しましょう。

老人保健施設

老健とも呼ばれ、退院したあと自宅で生活することが難しい人が入居する介護施設です。利用者さんにとって終の棲家というわけではなく、在宅復帰を目標としています。そのため、利用者さんの介護度は高めですが、看護師も夜勤に入る場合がほとんどなので、体調が急変したときなどに対応を任せることが可能です。

また、利用者さんは在宅復帰を目的としているため、自宅に戻ってからの夜の過ごし方を想定して生活してもらうことがあります。たとえば、寝間着への着替えは利用者さん自身でしてもらうといったことです。この点がほかの介護施設と大きく異なり、利用者さんそれぞれに個別に対応するケースが多くなります。在宅復帰を見据えた、軽~重介護度の方、認知症の方、医療依存度の高い方などのさまざまなケースを学ぶことができます。

グループホーム

少人数のユニット制で、認知症の利用者さんが家事を分担しながら共同生活を送る施設です。グループホームは看護師の配置基準がありません。そのため、看護師が常駐していない施設がほとんどです。利用者さんが少ないため目は行き届きやすいものの、容態の変化が起こった場合は介護スタッフが対応にあたる必要があります。また、利用者さんが少ないことから、1人夜勤(ワンオペ)になるところも多いです。夜勤に不安がある場合はまずどのような体制で夜勤を行っているか、応募前に確認しましょう。

デイサービス(お泊りデイ)

デイサービスは、自宅で生活している利用者さんが介護施設に通って、入浴やレクリエーション、機能訓練等を受けるサービスです。デイサービスでは宿泊しませんが、そのままお泊りできるお泊りデイというものがあります。お泊りデイの利用者さんは介護度が低いことが多く、夜勤の負担もほかの介護施設より軽いことが多いでしょう。ただし、お泊りデイ自体の数があまりないため、求人は少なめです。

夜勤専従はこんな人に向いている!

介護施設の夜勤専従は、給与が高いことに加え、出勤日数が少なく昼の時間に余裕があります。そのため、ある程度稼げて自由になる時間もほしいという人や日中に学校へ通っている人に向いているでしょう。そのほか、夜型人間で夜間のほうが快活に動けるという人にも適性があります。

介護の夜勤専従はメリットが多い!夜も働ける人は検討してみよう

夜勤を専門にする夜勤専従は、比較的生活リズムが整いやすく、自由な時間が多い割に高い収入が狙える仕事です。一般的に、夜勤というと非常に過酷な仕事というイメージを持たれがちですが、交代制と夜勤専従とでは大きく事情は異なります。介護の仕事を探すときは、夜勤専従も選択肢に入れると良いでしょう。

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