2040年には約70万人以上の人手不足が予測されている日本の介護業界。既に介護の現場では「人手が足りなくて困っている」「離職率を改善したいがどうすればよいか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は介護の人手不足を解消する「4つの対策と原因・現状」について解説します。
介護施設が導入すれば現状を今すぐにでも改善できるおすすめ「IT技術」に関しても紹介しているので、離人手不足に悩まされている施設は参考にしてくださいね。
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目次
介護業界の人手不足に関する現状データ
これまでの日本では、家族や親族で介護をするのが通常でした。しかし子供世帯が親と別居する核家族化が進んだことで、近年では介護施設に介護を依頼するのが一般的になりつつあります。
下図からもわかるとおり、介護施設の需要が加速度的に増える一方で、現場では介護職員の人手が圧倒的に足りていません。
引用:第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省
厚生労働省の資料によると2019年度の日本全国の介護職員の必要数は「約211万人」となっており、このままだと介護業界は2040年度に約69万人の人手不足に陥ることが予測されています。
また介護業界の高年齢化も大きな問題です。「令和2年度介護労働調査」によると、訪問介護職員の4人に1人は65歳であることが分かりました。
引用:令和2年度 介護労働調査|公益財団法人介護労働安定センター
年々人手不足が深刻化していくことは間違いないため、65歳以上の高齢者を採用している施設では世代交代を図る必要があります。
世代交代に失敗して人手を確保できない場合、今後需要があるにも関わらず「人手が足りないため運営ができない」介護施設が現れてもおかしくありません。
介護業界が人手不足に陥っている3つの原因
なぜ介護業界は人手不足に陥ってしまっているのでしょうか?
人手不足に陥ってしまっている3つの原因について解説していきます。
原因①少子高齢化の加速
引用:令和3年版高齢社会白書|内閣府
日本の総人口は、令和2年10月1日段階で「約1億2,51万人」となっています。総人口の中で65歳以上の人口が占める割合は約28.8%(約3,619万人)、75歳以上の人口が占める割合は約14.9%(約1,872万人)です。
引用:令和3年版高齢社会白書|内閣府
また日本国民の約4割が高齢者であるにもかかわらず、上記の図を見てもわかるように毎年のように出生率は下がっています。
そもそも働ける人が少なくなっている一方で、介護が必要な人が毎年確実に増えているのが、介護業界が人手不足に陥っている原因の1つです。
原因②介護業界は離職率が高い
介護業界が人手不足に陥っている原因として、他業種と比較しても離職率が高いことが挙げられます。
引用:福祉・介護人手確保対策について|厚生労働省
上記の図を見ても分かる通り、産業計と比較しても介護職員の離職率は高い水準となっていることがわかります。
引用:介護労働の現状|厚生労働省
離職者の約73%は勤務年数が3年未満であり、業界全体として新しい人手を確保・定着ができていないのも問題です。離職率を改善して新しい人手を定着させることができない限り、介護業界の人手不足は改善されないでしょう。
原因③採用が難しい
介護業界全体が、他業界との採用競争に破れてしまっているのも人手不足の原因です。公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護施設の約86.6%が人手不足の理由を「採用が困難である」と答えていることがわかりました。
さらに採用が困難である原因として「他産業に比べて労働条件が良くない」と答えているのが約53.7%、「同業他社との人手獲得競争が激しい」と答えているのが53.1%となっています。
引用:令和2年度 介護労働調査|公益財団法人介護労働安定センター
引用:令和2年度 介護労働調査|公益財団法人介護労働安定センター
今後労働可能な母数が減っていく日本では、他業種との採用競争に打ち勝ち、優秀な人手を介護業界に集めていくことが必要です。
人手不足で採用まで手が回っていない事業者も多いため、テクノロジーなどを導入することにより業務の効率化を図り、少ない人数でも採用に力を入れることのできる環境を整えることも重要となってきます。
介護業界における人手不足の対策・解消法4つ
ここまで介護業界の人手不足の原因について見てきましたが、実際に解決するためにはどうすればよいのでしょうか?
以下では介護業界の人手不足を解決する具体的な方法を解説します。
長く働きやすい労働環境を整える
「令和2年度介護労働調査」によると、介護労働者の業務に関する悩みとして、人手不足の他にも労働環境が整っていないことが挙げられています。
引用:令和2年度 介護労働調査|公益財団法人介護労働安定センター
- 仕事内容の割に賃金が低い:約38%
- 身体的負担が大きい:約30%
- 有給休暇が取りにくい:約27%
こういった悩みや不安に関しては、人手不足の介護施設でも「IT技術の導入」で業務効率を図ることにより改善することが可能です。
IT技術導入で実現できることの例
- 適切なシフト管理
- 勤務管理の整備により個人の負担の軽減
- 勤怠管理の簡便化により事務処理負担の軽減
- 書類作成の効率化
IT技術を導入して業務効率を図ることができれば、人手不足の介護施設でも採用に注力できます。
介護関連資格の取得推奨
介護資格の取得推奨を介護施設が主導して進めることで、人員配置基準を満たしたシフトの選択肢が増え労働環境を改善できます。
(人員配置基準に関する内部リンクの設置)
【介護関連資格の取得者が増えることによるメリット】
- 人員不足による特定職員の負担を解消できる
- 指定取消処分の防止につながる
- 職員のモチベーションアップにつながる
- 資格取得による給料アップで離職率防止効果も望める
このように介護関連の資格取得を介護施設がサポートすることにより、 職員だけではなく介護施設にもメリットが多いです。
資格取得支援をしている施設は求職者にとっても印象がよいため、採用面でもプラスに働くことは間違いありません。
採用に力を入れる
人手不足を改善するためには、ここまで紹介してきた労働環境の改善だけでは追いつきません。年々要介護者が増えていく日本では、やはり優秀な人材を確保しなければ抜本的な解決は不可能です。
引用:令和2年度 介護労働調査|公益財団法人介護労働安定センター
介護労働調査によると「労働者が現在の法人に就職した理由」は、労働者自身の都合による理由が上位にあることが分かりました。
労働者自身の都合に関しては、介護施設が改善するのは難しいです。しかし介護施設が取り組むべき改善を積極的に行うことで、労働者にとって魅力あふれる施設になることはできます。
【介護施設が取り組むべきこと】
- 賃金の水準を見直す
- 健全な経営を保ち安定した雇用を提供する
- 福利厚生を充実させる
- 教育研修などを充実させる
- 魅力ある方針や理念を掲げる
労働者にとって魅力的な施設になれば、採用競争の場でも有利に立ち回ることができます。
外国人労働者の積極的受け入れ
外国人労働者を積極的に受け入れることで、介護現場の人手不足を解消することができます。実際に厚生労働省も外国人労働者の受け入れを推奨しており、近年では特定技能制度によって外国人の受け入れがしやすくなっているといえるでしょう。
【厚生労働省による外国人労働者受け入れ支援の例】
引用:福祉・介護人手確保対策について|厚生労働省
引用:福祉・介護人手確保対策について|厚生労働省
また事業所調査によると令和2年度の外国籍労働者を受け入れている事業者数は約8.6%で、前年度と比較すると2%増加しています。
引用:福祉・介護人手確保対策について|厚生労働省
実際に外国人労働者を受け入れている事業者では「職場の活気につながる」や「利用者が喜んでいる」など、外国人労働者の評価が高いこともわかりました。
引用:福祉・介護人手確保対策について|厚生労働省
今後は日本国内での採用活動だけではなく、外国人労働者をどのように受け入れるかが、介護業界の人手不足を解消する鍵となるでしょう。
介護の人材不足を解決する「CWS for care」
人手不足で手が回らない状態の介護施設には、「CWS for Care」がおすすめです。
CWS for Careを導入することにより、以下のようなメリットがあります。
【CWS for Careを導入するメリット】
- 人員配置基準、加算要件などを考慮したシフトが簡単に作成できること
- 実地指導に必要な勤務形態一覧表を簡単に出力できること
- 介護報酬改定への対応
- 帳票出力の効率が図れる
CWS for Careを導入することにより、介護施設で毎日行わなければならないわずらわしい事務手続きを簡便化して、職員の負担を軽減することが可能です。
労働環境の改善にもつながるため離職率の悪化も防ぎ、業務効率の向上も実現できます。業務効率が改善した分、人材確保のための採用活動に力を入れることが可能です。
「人手不足で困っている」「採用活動に力を入れたいが日々の業務に追われて時間がない」という介護施設は、CWS for Careを導入してみてはいかがでしょうか。
まとめ
人手不足が長期化していくことが懸念される介護業界。解決するためには各施設でも、次のような施策を積極的に行っていく必要があります。
- 労働環境の改善
- 離職の防止
- 外国人人材の採用
CWS for CareのようなIT技術の導入は、現在の環境をすぐにでも改善できるためおすすめです。IT技術を導入して労働環境の改善・離職の防止が実現できれば、採用活動に力を入れて人手不足を解消できます。