安全対策体制加算とは?算定要件・外部研修・減算などを詳しく解説

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安全対策体制加算とは?算定要件・外部研修・減算などを詳しく解説

安全対策体制加算は、入所者の事故を防ぐための強化対策を講じている介護施設を評価する加算です。令和3年度の介護報酬改定で新設され、特別養護老人ホームなどの施設が算定できるようになりました。

ただし加算の新設と同時に、減算項目も定められたので注意が必要です。今後、安全対策が不十分な事業所は1日あたり5単位減算されることになります。この記事では安全対策体制加算の基本情報から、安全対策担当者養成研修の内容、未実施の場合の減算まで詳しく解説していきます。


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安全対策体制加算とは

安全対策体制加算とは、介護施設での事故を未然に防ぐために、強化対策を講じている事業所などが算定できる加算です。

介護現場では転倒や転落、誤嚥、誤薬などの事故のリスクがあります。「介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」の調査によると、介護老人福祉施設における介護事故でもっとも発生率が高かったのは転倒事故でした。

施設から市区町村への報告対象の自己種別のグラフ
引用:(6)介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業|厚生労働省

ほかにも、上記のグラフを見ると、転落や誤薬などのリスクも高いことがわかります。そのため介護施設では起こりうるリスクをあらかじめ予測・分析し、事故防止に努めなければなりません

さらに、万が一現場で事故が起こった際は、速やかに再発防止策を検討し、実施することが必要です。その一連の対策を講じた際に算定できるのが、安全対策体制加算となります。

令和3年度の介護報酬改定で新設された加算

安全対策体制加算はリスクマネジメントの強化に伴い、令和3年度の介護報酬改定で新設されました。加算にあたって、以前から運営基準で定められていた、事故防止のための指針の整備や研修などを行う必要があります。あわせて委員会などを開催して事故の防止策を検討し、実施します。

特に加算新設にあたり、義務化されたのが安全対策担当者の配置です。今後は外部の研修を受けた人材を選定し、介護事故防止のための体制と、さらなる整備が求められます。

上記で解説した入所者の安全を守るための委員会や、研修の実施などは、自然災害や感染症に対応するための取り組みとしても非常に重要です。近年、新型コロナウイルス感染症の流行や、自然災害の頻発により、介護施設でも安全対策強化が重要視されています。

介護事故防止だけでなく、安心・安全の業務継続にもつながる取り組みとしても、安全対策体制加算の算定は非常に重要です。

参考:運営基準の改正等の概要(案)|厚生労働省

特別養護老人ホームなどが対象

安全対策体制加算の算定できるのは、特養などの施設系サービスになります。

  • 介護老人福祉施設
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院

公益社団法人全国老人福祉施設協議会の調査によると、令和4年4月時点で特養の70.7%が安全対策体制加算を算定していると答えています。

参考:令和4年4月 加算算定状況等調査 結果の概要|公益社団法人全国老人福祉施設協議会

安全対策体制加算の算定方法

安全対策体制加算の算定方法として、算定要件と単位数について解説していきます。

算定要件と単位数

【安全対策体制加算の算定要件】

  • 事故防止に関する指針整備
  • 事故内容および再発防止策について、職員全員に掲示をはじめ周知徹底の体制を整えること
  • 事故防止に関する委員会や研修の実施
  • 外部研修を受講した担当者の配置

上記の算定要件からもわかるとおり、安全対策担当者を中心に介護施設全体で取り組むことが重要です。

単位数は1回20単位で、入所者が入所した初日に限り1回算定できます。

安全管理体制未実施減算について

上記の対策が未実施、不十分で、以下の施設基準に満たない場合は、安全管理体制未実施減算として1日あたり5単位減算されます。

【施設基準】
施設は、事故の発生又はその再発を防止するため、次の各号に定める措置を講じなければならない。

  1. 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。
  2. 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制を整備すること。
  3. 事故発生の防止のための委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)及び従業者に対する研修を定期的に行うこと。
  4. 前三号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。
引用:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 | e-Gov法令検索

令和3年10月1日から安全対策担当者の設置が義務化されているので、それまでに安全対策体制加算を算定していない施設は減算の対象となっています。この減算は入所者全員を対象としたものになるので、注意しましょう。

安全対策体制加算のQ&A

安全対策体制加算を算定するにあたり、よくある疑問点をQ&Aでまとめました。算定にあたり不明点がある担当者は、以下をよく確認してください。

新規入所者以外も算定できる?

安全対策体制加算では、すでに入所している入所者は算定できません。単位数に関わる条件は、算定要件を満たした上で「入所時に1回限り算定」となっています。つまり算定要件を満たす前に入所されている入所者は、対象にならないということです。新規の入所者にのみ算定してください。

どんな研修が必要?

安全対策担当者は、外部研修を受講した人材を配置する必要があります。厚生労働省の資料では、研修は以下のように定義されています。

外部の研修としては、介護現場における事故の内容、発生防止の取組、発生時の対応、施設のマネジメント等の内容を含むものであり、関係団体(公益社団法人全国老人福祉施設協議会、公益社団法人全国老人保健施設協会、一般社団法人日本慢性期医療協会等)等が開催する研修を想定している。

介護保険最新情報 Vol.948 令和3年3月23日|厚生労働省

令和5年度も開催が予想されるのは、全国老人福祉施設協議会の研修です。全国老人福祉施設協議会では、オンラインで受講できるeラーニングの研修が毎年行われています。

一方、公益社団法人全国老人保健施設協会と一般社団法人日本慢性期医療協会では昨年度の研修実績がないため、今年度に研修が開催されるかは不明となっています。

積極的に研修や訓練を行うことで助成金支給の対象となる可能性があります。以下の記事もあわせてご確認ください。

加算届に必要な様式は?

安全対策体制加算を算定するには、「別紙38 安全対策体制加算に係る届出書」の提出が必要です。

引用:別紙38 安全対策体制加算に係る届出書|新潟県庁

自治体により様式が異なる場合がありますので、まずはホームページでチェックしてください。届出書には、算定要件に合わせて安全対策の有無について、それぞれチェックを入れます。加えて安全管理担当者の氏名の記載が必要です。

詳しい申請書類などは記事後半で解説します。

安全対策担当者養成研修の詳細

全国老人保健施設協会が主催する安全対策担当者養成研修について、スケジュールや受験料、研修内容などを解説していきます。

受講の流れとスケジュール

受講の流れは以下になります。

  1. 申込&eラーニングサイト登録
  2. 期間内に研修動画を視聴
  3. 受講後、習熟度を自己確認
  4. アンケート回答
  5. 修了証のダウンロード

なお、修了証を発行するためには、受講期間までに上記4のアンケート回答まで完了しておく必要があります。研修動画は全部で5時間程度となっており、内容ごとに5つの講義に分かれています。自己確認は15分程度、アンケートは5分ほどかかるようなので、時間に余裕をもって研修を受けましょう。

2023年2月現在、2023年の開催スケジュールはまだ出ていませんが、昨年の申し込み期間は6月~8月、受講期間は7月~8月末でした。今年も同様のスケジュールで申し込み、受講期間が設けられる可能性が高いので、ホームページをよくチェックしておきましょう。

参考:介護施設における 安全対策担当者養成研修|公益社団法人全国老人福祉施設協議会

受験資格と受験料

この研修は受講資格がないため、誰でも受けることができます。WEB開催のため、定員の上限がない上に全国どこでも受講が可能です。

会員は無料で受講できますが、非会員の方は10,000円の受講料が必要です。研修終了後に発行される修了書は名前入りですので、複数名受講する場合でも申し込みはひとりずつ行ってください。

研修方法および内容

安全対策担当者養成研修の研修方法はeラーニングなので、WEBで研修動画を視聴して、習熟度確認やアンケートなどを行います。研修内容は以下のとおりです。

【介護施設における安全対策担当者養成研修 研修内容】

  • 制度説明と目的(約22分)
  • 介護事故の実態とリスクマネジメント及びヒヤリハット活用及び苦情窓口対応等の運用(約92分)
  • 介護現場で発生している事故について(約66分)
  • 介護事故とリスクマネジメント-クレーム・苦情への適切な対応やその予防策とは(約53分)
  • 身体拘束廃止及び虐待防止について(約52分)
引用:介護施設における 安全対策担当者養成研修|公益社団法人全国老人福祉施設協議会

安全対策体制加算の申請方法

安全対策体制加算の算定には以下の書類が必要です。

  • 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表 
  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書
  • 安全対策体制加算に係る届出書

また、外部研修を受けたことを証明する修了書の提出も必要です。研修を受講する際は、修了書のダウンロードを忘れずに行うようにしてください。

安全対策体制加算は届出が受理された日の翌月から算定できます。8月から算定したい場合は、7月30日までに提出するようにしましょう。

安全対策体制加算をよく理解し、入所者の安全を確保しよう

入所者の事故防止を強化する目的で新設された安全対策体制加算。外部研修を受講した担当者の設置が要件となっているため、算定する際には、事前の準備が必要となります。安全対策担当者を中心に、より施設全体で安全対策の体制を強化していくことが求められます。加算取得を機に、ヒヤリハットをもとに事故防止に努める体制を強化していきましょう。

介護現場では特に転倒や転落などの事故が多い傾向にあります。骨折などのケガの危険性だけでなく、場合によっては入所者の命に関わるということを施設全体で周知徹底し、防止していくことが重要です。安全対策体制加算を算定して、さらに入所者の安全確保を意識していきましょう。

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