人が人としての良心を持ち、自ら善と悪を正しく見極める社会生活を営んでゆく「道徳」のことをモラルと言います。
私たちが提供する介護サービスは、サービス内容によっては密室性が高い、他人に見えにくいサービスです。そのため、モラル（道徳）のない方は、介護サービスを提供することが場合によっては難しくなります。今回は「モラル（日頃の心がけ）」についてご紹介させていただきますので、皆さんの業務姿勢の見直しに、ご活用いただければ幸いです。
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目次
茶菓や謝礼はお断りする
お断りする理由
- サービス対価として料金をいただいているので謝礼などは不要
契約書に基づき正当な報酬をいただいているので、それ以外の報酬をいただく必要はありません。
- 習慣化すると、利用者にとって大きな負担となる可能性が高い
訪問すると必ずお茶やお茶菓子を用意してくださる利用者がいらっしゃいます。最初は好意かもしれませんが、しだいに負担となってしまう可能性があります（「ヘルパーさんが来るからお茶菓子を用意しておかなくちゃ。面倒だわ」など）。また、金銭面での負担になってしまう可能性もあります。
- 利用者に気を遣わず、気軽にサービスを利用していただきたい
「よいケアをしてもらうためにお歳暮を贈らなくちゃ」などと、気を遣っていただく必要はありません。利用者には気兼ねなく、質のよいサービスを利用していただくことが大切です。
これらの理由から、利用者からのお茶や贈りもの・現金などは、確実にお断りをしましょう。
その際、利用者は善意で勧めてくださっているので、感謝の気持ちを表した上で丁寧にお断りをすることが大切です。お断りする際は、感謝の気持ちを表した上で、お受けできない理由を丁寧に説明しましょう。また、お茶などは、お断りできてもできなくても、必ずセンター長に報告してください。
特に、謝礼（金銭・金券）はトラブルに発展する危険性があります。何があっても絶対受け取らないようにしましょう！
ユニフォーム着用時、社有車内の喫煙は禁止
ユニフォーム着用時に喫煙をすると、匂いがついてしまい、利用者に不快感を与えてしまう可能性があります。休憩中に喫煙する場合は、匂いがつかないよう「上着を羽織る」「消臭剤を準備する」などの対策をとりましょう。
また、社有車は、職員全員が利用する車です。全員で気持ちよく社有車を利用できるように心掛けましょう。
時間を守る
クレームは「介護技術」や「接遇マナー」ではなく「予定の時間になってもヘルパーが来ない」など、時間に関するクレームが大部分を占めています。これは、大変残念な事実です。利用者の立場に立って考えると、未訪問、遅刻を軽視してはいけません。
自分の身近な問題に置き換えて考えてみてください。
（例）
- 宅配便が時間通りに来ない。長時間待たされる。
- 予約をして美容院に行ったのに、30分以上待たされる。
とても不愉快な気分になることが理解できるはずです。
移動や天候、前のケアが延長した・・・など、色々な理由によって「遅刻はやむを得ないのでは？」「たまには調整がつかず、訪問できないこともあるのでは」という感覚がある方は、その考えを今直ぐに止めましょう。
- 遅刻や未訪問を絶対にしないという意識を持つ
まず、意識をしないと実践することはできません。絶対しないという意識を強く持ちましょう。
- 交通ルールを守る
遅刻をしないために、交通ルールを破ってもよいということではない（急いでいるから赤信号を無視して進む、など）。
- やむを得ない場合は必ず管理者などへ連絡
急遽体調が悪くなった、事故にあったなど、やむを得ず遅刻をしてしまうという場合は、遅刻することが分かった時点で、管理者へ報告・連絡・相談をしましょう。
できる限り事前連絡をしましょう。連絡をしないで5分遅刻するより、事前に連絡して7分遅刻したほうが、結果的には利用者には信頼していただけます。
利用者と信頼関係を築くためにも、「モラルは必ず守る」という意識を強く持ち、日々の業務を行いましょう。
ケアに出かける前に鏡を見てチェックしましょう！
身だしなみのポイントは安全・安心、清潔感、明るく健康的
顔
- 女性は、清潔感のある健康的な化粧（ナチュラルメイク）ですか？
- 男性は、ひげを剃っていますか？
- 鼻毛・目やに・口臭はありませんか？
髪型
- 寝癖は整えていますか？
- 前髪が目にかかっていませんか？
- 肩にかかる髪は、結んでいますか？
ユニフォーム・パンツ
- しわや汚れはありませんか？
- ジャージ、ジーンズ、黒っぽいものはNG。綿素材のパンツを着用していますか？
- ポロシャツなどのボタンは、すべてとめていますか？
爪
- 爪のなかは清潔ですか？
- 爪は短く切っていますか？
- マニキュアは落としていますか？
足元
- 靴下、靴は清潔ですか？
- 白を基調としたスニーカーを着用していますか？
装飾
- ネックレス・ピアス・指輪・時計など危険な装飾品は外していますか？
安心安全のために適切なモラルを
適切なケアの姿勢とは、「正しいモラル」と「笑顔でケアに務める」姿勢です。日頃からの一人一人の心がけが、施設や事業所全体の適切なモラルと利用者やご家族などの安心・安全につながりますので、会議や研修で周知徹底を行ってください。
