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目次
「外国人雇用状況の届出」とは
今回は、外国人介護士を雇用する際に必要な外国人雇用状況届出書について解説をしていきます。
まず、「外国人雇用状況の届出」についてです。外国人雇用状況の届出は、労働施策総合推進法28条1項で定められたもので、外国人を雇用したり、また、雇用した外国人が離職した際に、事業主が届出を行うことが義務づけられています。
条文では次のように定められています。
事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格(出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項に規定する在留資格をいう。次項において同じ。)、在留期間(同条第三項に規定する在留期間をいう。)その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
対象となる外国人について制限はなく、「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能1号」、「技能実習」のようにフルタイムで働く外国人だけではなく、「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ方で資格外活動の許可によりアルバイトをする方も、届出の対象となります。
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届出に必要な事項
届出の対象となる事項は、氏名、在留資格、在留期間の他、厚生労働省令で定める事項を届け出る必要があります。届出が必要な事項は雇入れ時及び離職時で異なります。具体的には次のとおりです(労働施策総合推進法施行規則10条1項)。
なお、この届出事項は、在留カードがある方は在留カードを確認して行う必要がある点にご注意ください(労働施策総合推進法施行規則11条1項)。
1、雇入れ時
- 生年月日
- 性別
- 国籍の属する国又は地域
- 資格外活動の許可を受けている者にあっては、当該許可を受けていること。
- 中長期在留者にあっては、在留カードの番号
- 特定技能の在留資格をもつて在留する者にあっては、法務大臣が当該外国人について指定する特定産業分野
- 特定活動の在留資格をもつて在留する者にあっては、法務大臣が当該外国人について特に指定する活動
- 住所
- 雇入れ又は離職に係る事業所の名称及び所在地
- 賃金その他の雇用状況に関する事項
2、離職時
- 生年月日
- 性別
- 国籍の属する国又は地域
- 中長期在留者にあっては、在留カードの番号
- 特定技能の在留資格をもつて在留する者にあっては、法務大臣が当該外国人について指定する特定産業分野
- 特定活動の在留資格をもつて在留する者にあっては、法務大臣が当該外国人について特に指定する活動
- 住所
- 雇入れ又は離職に係る事業所の名称及び所在地
外国人雇用状況の届出書
外国人雇用状況の届出に使う書式は、雇用保険の被保険者かそうでないかで異なります。
雇用保険の被保険者について
雇用保険の被保険者については、雇入れ時は雇用保険法施行規則第六条第一項の届出、すなわち雇用保険の資格取得届により行います。
「雇用保険被保険者資格取得届」の中の「17.被保険者氏名(ローマ字)」から「23.在留資格」を記載して、資格取得届を管轄のハローワークに提出することで、外国人雇用状況の届出を兼ねたことになります。
離職時も同様に、「雇用保険被保険者資格喪失届」の中の「14.被保険者氏名(ローマ字)又は新氏名(ローマ字)」から「19.在留資格」を記載して、資格喪失届を管轄のハローワークに提出することで、外国人雇用状況の届出を兼ねたことになります。
雇用保険の被保険者ではない方について
雇用保険の被保険者ではない方については、労働施策総合推進法施行規則別記様式第3号により行います。
様式は、次のとおりです。
提出場所と期限
提出場所は、いずれも事業所を管轄するハローワークに提出します。なお、提出は書面ではなく電子申請も可能です。
提出期限は、雇用保険の被保険者の方に関するものは、雇入れについては雇い入れのあった日が属する月の翌月10日までに行います。離職時は、離職した日の翌日から起算して10日以内に行います(労働施策総合推進法施行規則12条1項)。
雇用保険の被保険者ではない場合には、雇入れ日または離職日の属する月の翌月末までに行います。
届出を怠った場合
外国人雇用状況の届出を怠ったり、また虚偽の届出を行った場合には、労働施策総合推進法40条1項2号により30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
雇用保険の被保険者については意図的な場合を除いて、届出を忘れるケースはそれほど多くないと思います。他方で、雇用保険の被保険者以外の場合には、日本人の採用や離職の場合と異なり別に別記様式での届出が必要であり、忘れているケースも比較的多いように思います。
外国人雇用を行う際には、日本人の採用・離職の手続以外に必要となる手続が発生することを意識して、自社の人事プロセスを見直すことで届出義務違反等の法令違反を防ぐことができます。
ぜひ、自社の人事プロセスを見直してみましょう。