認知症介護における職場内教育(OJT)の方法

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認知症介護における職場内教育(OJT)の方法

令和3年介護報酬改定でも「認知症についての理解の下、本人主体の介護を行い、認知症の人の尊厳の保障を実現していく観点から、介護に関わる全ての者の認知症対応力を向上させていくため、介護サービス事業者に、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。【省令改正】

その際、3年の経過措置期間を設けることとするとともに、新入職員の受講についても1年の猶予期間を設けることとする。」と明記され、『認知症介護基礎研修の受講の義務づけ』となりました。合わせて『認知症専門ケア加算等の見直し』と『認知症に係る取組の情報公表の推進』から、職場内教育(OJT)においても『認知症介護実践リーダー』の役割は、大きなものとなっています。

今回は、職場内教育(OJT)の方法と運用方法についてご紹介しますので、職場内の認知症の方の対応力向上においてもご活用頂ければ幸いです。

職場内教育(OJT)を学ぶために必要なこと

目的:認知症ケアの質の向上における人材育成の方法を理解し、特に職場内研修(OJT)の特徴を踏まえた実際の運用方法を修得しましょう

修得目標は、下記の3点です。

  1. チームマネジメントにおける人材育成の意義と方法を理解する
  2. 認知症ケアにおける人材育成の意義と方法を理解する
  3. 職場内教育(OJT)の実践方法を理解する

認知症介護における人材育成の基本的理念とは

一人ひとりの職員の仕事の質を高めることによって、利用者・入居者の生活の質を高めることが目的です。認知症ケアでは、「尊厳の保持」「パーソン・センタード・ケア」等、認知症の人の個別性を重視する理念です。職員に対しても同じように尊厳を重視し、「職員中心」の人材育成が必要です。

人材育成の意義と方法とは

  1. 人材育成の意義と目的
  2. 人材育成の方法の種類と特徴
    OJT
    Off-JT
    SDS
  3. 職場内の人材育成の課題を考える

人材育成の意義と目的とは

生活支援を必要とする利用者にとって、よりよいサービスを提供するために
組織やチームを効果的・効率的に運営し、成果を高めるために
一人ひとりの職員にとって職業人生が豊かで充実したものになるために

担い手である職員の資質能力によってサービスの質が決定づけられる

チームワークや連携が重要
    ↓↑←人材育成
経験年数、知識・技術・態度などの個人差や状況の違い

ニーズに対応した利用者一人ひとりの生活の質の向上のためには

  1. 組織の発展
    ・利用者のサービスが向上する
    ・組織としての力量が高まる
    ・現場が活性化し、安定する
    ・職場として、常に前進する
  2. 職員の成長
    ・専門性が高まる
    ・組織人として成長する
    ・職場に定着し、意欲がわく
    ・仕事の改善に力を発揮できる

そのための職場内研修の必要性
・職場研修に関する基本指針を確立し、個別職場の研修ニーズに基づいて、職場で主導的
・一体的に推進する職員研修の総体をいう

採用時からの職場内教育(OJT)の進め方

採  用 ・・・入社資料による説明
  ↓      管理者より、入社オリエンテーションを実施。
  ↓      ※この時、職場内教育(OJT)を開始する旨も説明してください。
育  成 ・・・職場内教育(OJT)の開始:
  ↓      トレーナーは事前に職場内教育(OJT)計画の説明をしてください。
  ↓      ※1か月毎に「職場内教育(OJT)評価」を実施 ⇒ 管理者へ報告
面  談 ・・・入社後7~10日以内に管理者面談
  ↓      ※面談の実施および面談評価を記録(「入社面談シート」を活用してください)
  ↓      ※面談時には、職場内教育(OJT)評価の振り返りも行ってください
育  成 ・・・3か月後、職場内教育(OJT)の終了

職場内教育(OJT)をすすめる上での段階踏まえた考え方

自立と自律の考え方の違いとは

人材育成の方法の種類と特徴

  1. 職場内教育(OJT:On the Job Training)
    日常の仕事の中で教育・指導を行うことにより実践力を高める
  2. Off-JT(Off the Job Training)
    仕事を離れた研修(外部研修や勉強会)で知識や技術等を高める
    →習得した知識や技術を仕事に活かすためには工夫を要す
  3. 自己啓発(SDS:Self Development System)
    自発的な学び(自己学習)を支援する
    →必要な教材の用意、機会や費用の支援等の環境整備

OJTの効果と課題とは

  1. 具体的・実際的訓練ができる
  2. 継続的・反復的な実施ができる
  3. 職場内の職員が講師なので、経費が少なくてすむ
  4. 教育を受けながら日常業務が継続できる
  5. 上司や先輩が指導者であることで職場の協調や信頼関係が促進される
  6. 一般化されない職場特有の環境や手法について習得できる

             ↓

効果は沢山あるが、模倣中心で、教育的方法をとらないので、評価が不明確が課題となる。

認知症ケアにおける職場内教育(OJT)の意義とは

  1. 認知症ケアにおける職場内教育(OJT)の必要性
  2. 認知症ケアにおける職場内教育(OJT)の特性
  3. 事後指導の重要性
  4. OJTの意義を組織内で共有する

認知症ケアにおける職場内教育(OJT)で必要なこと

  1. 修得すべき目標や内容の共通化
  2. 職員個々の達成状況の把握
  3. 動機付けを高める働きかけ
  4. 事後指導の重要性
  5. スモールステップで継続的に実施

まとめ

人材育成の目的、すなわち実践リーダーの役割とは、認知症ケアの基本的理念を理解し、理念を反映させたケアを経験し、かかわりを通してコミュニケーション力を高め、「その人」(個別)の理解を深めることができるような人づくりです。

2025年には、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になるかもしれないと予測がされる中で、職場内における認知症実践リーダー等の役割と認知症の方への対応力は、急務になっておりますので、職場内教育(OJT)を適切に行っていきましょう。

関連記事:認知症介護における職場内教育(OJT)の運用法

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