サテライトグループホームの概要とメリット

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サテライトグループホームの概要とメリット

令和3年度介護報酬改定において、「複数事業所の人材を有効活用し、グループホームの整備・提供などを促進する観点」から、サテライト型グループホームの基準が創設されました。

これに伴い、「サテライト型グループホームの導入」については、「有資格者である人材の活用」等について効果が見込めます。

今回は、サテライト型グループホームについてご紹介しますので、皆さまの事業推進に、ご活用頂ければ幸いです。

令和3年度改定の概要(サテライト型GH)

○認知症グループホームについて、地域の特性に応じたサービスの整備・提供を促進する観点から、サテライト型事業所の基準を創設する。

【省令改正】

複数事業所で人材を有効活用しながら、より利用者に身近な地域でサービス提供が可能となるようにする観点から、サテライト型事業所の基準を創設する。

同基準は、本体事業所との兼務等により、代表者、管理者を配置しないことや、介護支援専門員ではない認知症介護実践者研修を修了した者を計画作成担当者として配置することができるようにするなど、サテライト型小規模多機能型居宅介護の基準も参考にしつつ、サービス提供体制を適切に維持できるようにするため、サテライト型事業所のユニット数については、本体事業所のユニット数を上回らず、かつ、本体事業所のユニット数との合計が最大4までとする。

「本体事業所」と「サテライト事業所」の介護報酬の取扱い

この図のように、サテライト化しても介護報酬への影響はありません。

サテライト化する場合の手続き

新規開設する場合

本体事業所とは別に、サテライト事業所として新規事業所指定を受ける必要があります。

既存事業所をサテライト化する場合

「変更届」と「介護給付費算定に係る体制等に関する届出」のみで変更可能。新たに事業所指定を受ける必要はありません。但し、「本体施設の運営規程と『事業方針』『運営の方針』などを同一にした運営規程」を準備する必要があります。既存事業所は、比較的簡単な手続きでサテライト化することができます。

「本体事業所」または「サテライト事業所」となるための事業所要件

「本体事業所」の条件

  • 運営法人が、指定居宅サービス事業等その他の保健医療又は福祉に関する事業について3年以上の経験があること。
  • 「本体事業所の事業開始から1年以上経過していること」または「入居者数が定員の70%を超えたことがあること」

「サテライト事業所」

立地条件

  • 体事業所からの移動時間が、自動車等で20分程度の近距離であること。
  • 本体事業所の「同一敷地内」や「同一建物内」は不可。
  • 本体事業所の所在地市町村と同一市町村内でなくても可。(都道府県跨ぎも可)

◎サテライト事業所は、当該サテライト事業所の所在地市町村へ指定申請または変更届出を行います。

ユニット数の条件

  • 本体事業所のユニット数を上回ってはいけない。
  • 本体事業所とサテライト型事業所のユニットの合計数は、最大でも4ユニットまで。

その他の条件

  • 本体事業所がサテライト型事業所へ駆けつけることができる体制や適切な指示ができる連絡体制などを確保すること。
  • 本体事業所とサテライト事業所の管理者が同一の場合は、事業所間において次のいずれの要件も満たすこと。

    ・利用申込みに係る調整、サービス提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。
    ・職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されていること。
    ・必要な場合に随時、本体事業所や他のサテライト型事業所との相互支援が行える体制(例えば、当該サテライト型事業所の従業者が急病等でサービスの提供ができなくなった場合は、本体事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)であること。
    ・苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制であること。
    ・事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること
    ・人事、給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われていること。

「サテライト化」のメリット・デメリット

「サテライト化」のメリット

「有資格者である人材」を「複数の事業所で有効活用」することができます。

「サテライト事業所」の人員基準の概要

  • 管理者は「本体事業所の管理者」との兼務可。
  • 計画作成担当者は、認知症介護実践者研修を修了していれば、介護支援専門員でなくても可。

※介護従業者の配置要件に変更はありません。(本体・サテライトそれぞれに配置が必要。)

                    ↓

◎資格と兼務の要件緩和により、「管理者と計画作成担当者の配置可能なパターン」が増えます。
◎「新規GH開設」や「管理者・計画作成担当者の急な退職」などの際に、選択肢が増えることで、これまでよりも「より柔軟な人員配置」が可能となります

まとめ

  • GHをサテライト化することで、「複数事業所での人材の有効活用」や「人員体制について、より臨機応変な対応」ができるようになる
  • 既存のGHは、比較的簡単な手続きでサテライト化することができる。
  • サテライト化することによる、介護報酬への影響はない。

上記を踏まえれば、サテライト型GHを導入する意味は十分にあると考えます。「導入にあたってのデメリット」はほとんどなく、人材の柔軟な配置が可能となるため、現場にとってもメリットが大きいと考えられますので、ご検討されるのも良いと思います。

CWS for Care
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