【居宅介護支援における苦情・事故対応】経過と対応、記録

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【居宅介護支援における苦情・事故対応】経過と対応、記録

苦情(クレーム)や事故(損壊や紛失)とは、介護サービスを提供するにあたり、電話・来所時等、利用者やその家族・業者・行政等からご意見やお声を頂くことは日常茶飯事です。しかし、非常に小さなご意見だが、放置することで後々大きな苦情や事故に発展するものが含まれていることがあります。

私たちは、小さな芽の段階でそれを放置するとどのような大きなものになってしまうかを常に意識し、相手の立場に立って行動することが求められます。この芽の段階で常に対応することで日常的な信頼と安心を相手に与えることができます。

苦情とは、利用者及び家族その他関係者からの当サービス全体に関わる不満や改善要求又は被害の訴えやこちらの契約違反に対する損害賠償の請求等の全てを示します。どんな些細なことでも絶対に見落とすことなく、サービス業である私たちはこれを顧客からの警告として受け止める必要があります。

苦情対応を始める段階で相手からの私たちに対する信頼度はゼロです。しかし、しっかりと相手のことを考え、時間を意識し、誠意を持って対応することで対応完了時に今まで以上の信頼関係が築ける事もあります。

私たちはモノとして残らないサービスを提供させて頂いています。対応業務もサービスの一部と考えしっかり対応をしていく必要があります。

例えば、苦情とまで言えない軽微な事案(相談・ご意見)であっても、サービスの質の向上のために拾い上げて記録・共有し、介護職員等は、管理者へ報告・連絡・相談をして取組みをすることが望ましいです。

今回は、居宅介護支援における『苦情・事故対応~経過と対応、記録』についてご紹介をしますので、皆様の業務改善にご活用頂けたら幸いです。

苦情(クレーム)・事故(損壊や紛失)の経路と対応処理

①利用者や家族・ヘルパー・看護師・CM・行政や関係機関・マスコミ・その他

②苦情(クレーム)の受入れ(来社・電話・手紙・投書・稼動時・訪問時・その他)

③苦情(クレーム)受付・記録・担当者、管理者に報告

④担当者、管理者及びセンター長、事実の調査と対応方法の検討

⑤当社の不手際(ミス)である場合、迅速に改善策を立て、必要であれば全職員に周知し、関係された方にお詫びをし、改善策を実行する。

担当者、管理者は、苦情(クレーム)が上がってきた当日中に先方に電話し訪問のアポを取る。訪問し事実の報告と改善対応方法を報告し深くお詫びをする。(必ず当日中に訪問する。受けた時間が夜の場合、翌日中に必ず訪問する)

⑤-①当社の不手際(ミス)ではない場合にも、関係された方に誤解である旨をお伝えし、誤解を生じたことをお詫びし、今後、誤解を生じないような改善策を実行する

会議では以下の点に留意し、確実に同様事例が発生しない体制を確保すること。

①クレームの原因となった事象の状況・原因の把握
②責任の所在と内容の明確化
③具体的な対応策及び再発防止策の立案
④周知及び実行

記録の作成・保存義務・回覧

記録の作成と保存義務

苦情記録の保管は介護保険法でも定められており、通常文書管理規程では当該利用者の契約終了後5年間の保存義務を定めています。また、実地指導等行政機関でも苦情記録の確認は行われます。よって、苦情の受付から対応方法及びその後の状況までの全過程を事故報告書に記録し、その原因・対処方法・その後の状況を明確にするとともに、常にその確認ができるようにしておく必要があります

なお、記録に使用する書式について確認の上、緊急フローや基本フローの内容に該当しないクレーム・苦情については「苦情」として、苦情処理報告書とカンファレンス報告書にて記録保存します。緊急性の高いクレーム・苦情(対応困難が予測されるトラブル)については管理者へ口頭報告又はメール報告を行い、指示を仰いで事故報告書とカンファレンス報告書に記録します。なお、事故報告書やカンファレンス報告書は職員が共有した旨の記録を残しておくことが必要です。

苦情とまで言えない軽微な事案(要望・相談・ご意見)であっても、サービスの質の向上のために拾い上げて、要望(相談)対応記録に残して職員で共有を行い、管理者へは報告・連絡・相談だけでなく、一緒に取組みをすることが重要です。 ※要望なども重複する内容に関しては、今後苦情に繋がるとの認識を持ち、幅広く記録し定期的に読み返し、質の向上を目指しましょう。

回覧

事故発生時は、以下の流れで回覧を行います。

  • 緊急性の少ないクレーム・苦情
    緊急性の少ない案件については「苦情」として処理を行いましょう。
  • 緊急性の高いクレーム・苦情(対応困難が予想されるトラブル)
    緊急性の高いクレームについては、事故報告書に詳細を記載し、管理者へ提出(即時口頭報告)を行いましょう。当該案件の場合は、最終確認者は法人の代表者となります。

まとめ

居宅介護支援事業所には、事業所の苦情や事故以外に、ケアプランに位置付ける居宅サービス事業所の苦情や事故の報告を受けることも多いかと思います、利用者の不利益が生じないためにも、日頃のコミュニケーションの中で、介護サービスについて不明点や、不安点は、ケアマネジャーにご相談頂くようにお伝え下さい。

またサービスの内容が説明や約束(契約)と違うなど、サービスについて不満や苦情がある際には、事業者ときちんと話し合いが行われる管理、指導も行いながら、適切なケアマネジメント業務が行えるように心がけましょう。

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