お客様に楽しく安全に食事をしていただくためには、調理をする前から調理作業中の衛生管理にも気を配り、適切に調理器具と道具を扱う必要があります。
今回は、「介護サービスにおける高齢者の食事のポイント:衛生・調理器具・道具・栄養」をご紹介いたします。普段の衛生管理や調理器具等の取扱いにご活用頂ければ幸いです。
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目次
食事には衛生上の配慮を
お客様に、楽しく安全に食事をしていただくために、調理の際は下記について十分注意をしましょう。
(1)調理をする前の注意点
・爪を短く切りましょう。 ・エプロン(三角巾・帽子)を着用しましょう。 ・石鹸でよく手洗いをし、うがいもしましょう。 ・手洗い後は、清潔なタオルで拭きましょう。 |
(2)調理作業時の注意
・まな板、包丁は洗剤でよく洗ってから使用しましょう。 ・野菜は流水でよく洗い、水気をきってから切りましょう。 ・魚介類は必ず水道水で洗浄してから処理を始めましょう。 ・牛肉・魚介類を扱った手や調理器具は、 次の作業に移る前に洗浄・消毒をして二次汚染を防ぎましょう。 |
調理器具・道具
調理をする際は、さまざまな器具や道具を使用します。
食品や調理法に合わせて、使い分けましょう。
(1)一般的な調理器具・道具
目的 | 器具・道具名 | 用途 |
---|---|---|
切る・刻む | 包丁 | 食材を切断または加工するための調理器具。 日本料理で一般的に使われている包丁は和包丁と呼ばれる。 |
まな板 | 食材を包丁で切る際に下に敷く台として用いる板。 | |
こねる ・混ぜる | ミキサー | 主に食品やその原料を砕いたり、かくはん、 粉の混合などに使用される器具で、多くは電動式のもの。 |
泡だて器 | いろいろな材料を泡立てたり、混ぜ合わせるもの。 | |
煮る | 鍋 | 食材に火を通すための調理器具。 煮物・茹で物・揚げ物等の調理法に利用される、比較的深さのある器具。 |
炒める | フライ パン | 炒める、焼くなどの調理法で用いる鍋の一種。 |
蒸す | 蒸し器 蒸し鍋 | 点心作りや茶碗蒸しなど蒸し調理に使用する。 |
ゆでる ・沸かす | ゆで鍋 | 麺類などをゆでる調理に使用する。 |
計る・量る | はかり | 食材の重さを計る器具で、クッキングスケール等と呼ばれることもある。 |
計量 カップ | 材料を計量するときに使用するカップ。通常1カップは200cc。 お米などを計るときは1合(180ml)などの単位を使う。 |
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計量 スプーン | 材料を計量するときに使用するスプーン。大さじは15cc、小さじは5cc。 |
(2)計量の正しい量り方
①計量スプーンの使い方
大(小)さじ1 | スプーンに山盛りにすくい、ヘラ(またはスプーンの柄など)ですりきり、 縁いっぱいに平らにする。 |
|
大(小)さじ1/2 | スプーンの縁まで平らに入れて、ヘラ(またはスプーンの柄など)で 半分量を取り除く。液体の場合、スプーンの高さの2/3くらいまでの量。 |
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大(小)さじ1/4 | 1/2の量にし、さらにヘラ(またはスプーンの柄など)で半分を取り除いた量。 |
②手ばかり・目ばかり
計量スプーンや、計量カップがないときは、手ばかり・目ばかりで量りましょう。
塩 | 少々 | 小さじ1/4と同じ量。二本指で一つまみ。 |
大さじ1 | 片手でひとにぎりしてから、小指と薬指を開いて残した分の量 | |
ひとにぎり | 大さじ2と同じ量。片手で一握りした量。 | |
砂糖 | 大さじ1 | ティースプーン4杯分 |
削り節 | 15~20g | 4人分の汁物のだしの量。片手で一つかみ。 |
みそ | 15~20g | 親指と人差し指で作る円の大きさで、みそ汁一杯分。 |
③包丁の正しい持ち方・使い方
包丁の持ち方が悪いと、食材を上手く切ることが出来ません。
また、怪我をしてしまうこともありますので、正しい包丁の持ち方をしましょう。
中指、薬指と小指で包丁の柄を握り、親指と人差し指を包丁の元にあてて支える。
緊張して固く握りしめると自由に動かすことができません。しかし、あまりゆるく握るとものが切れず、包丁を落としたりして危険です。
切る時の左手は、指先を内側にいれてかるく丸めるようにして材料を押さえる。
※左手は、いつも包丁を支えるようにする。
3つのグループと栄養素
(1)働き別で分かれる3つのグループ
多くの食品は、働き別に3つのグループに分けることができ、
グループに含まれる食品には、さまざまな栄養素が含まれています。
【赤】 体をつくるもとになる・・・たんぱく質 血や肉、内臓、骨など体の大切なものを作る。 生命を維持する上で欠かせない、酵素やホルモンを作っている。 【黄】 熱や力のもとになる・・・炭水化物・脂質 体を動かす活動源となるエネルギーを供給する。 【緑】 体の調子をととのえるもとになる・・・ビタミン・ミネラル 体の調子を整える微量栄養素を含んでいる。 |
(2)食材でさらに10種類に分かれる
それぞれのグループに含まれる食品は、更に卵・肉類・魚類・大豆製品・乳製品・緑黄色野菜・海藻・果物・いも類・油脂類の10のグループに分かれます。
1回の食事に、赤・黄・緑のグループから1つずつ摂るようにしましょう。
まとめ
調理においては、スタッフの経験によるものではなく、お客様の習慣や嗜好を把握し、特に在宅サービスにおいては、お宅の伝統や手順などに合わせる工夫が重要です。
習慣や嗜好、伝統や手順を無視してしまうと、それが苦情になる場合もありますので、それらも踏まえながらアセスメントを行った上で、お食事を通してお客様の楽しみを増やす関わりを心がけて下さい。