【介護職向け】地域密着型サービス9種類を紹介!どんな仕事になる?

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【介護職向け】地域密着型サービス9種類を紹介!どんな仕事になる?

介護保険制度の「地域密着型サービス」という言葉はよく聞きますが、その意味やサービス内容を詳しく知らない人は多いのではないでしょうか。介護・看護系で転職を考えているのであれば、理解しておきたいサービスです。そこで、地域密着型とはどのようなサービスで、どのような仕事内容なのか興味がある人のために、9種類あるサービスの特徴と内容をまとめました。

地域密着型サービスとは

地域密着型サービスとは、介護保険制度で設けられた、要介護高齢者のための介護サービスです。高齢に達して介護が必要になっても、住み慣れた地域で自分らしく生活できるよう、地域ぐるみで支援するしくみになっています。地域密着型サービスを提供するのは、市町村が指定した介護サービス事業所になります。地域の特性を生かし、地域の事情や環境に合ったサービスにするために、事業所の選定や監督は市町村が行っているのです。

サービスは利用者さんの状態や地域の特性に合わせて、きめ細やかな対応ができるように、柔軟に設計されています。サービスを受けられるのは、原則65歳以上の要介護認定を受けている高齢者で、サービスを提供する事業者と同じ市町村に住んでいる人が対象になります。

9種類に分かれる地域密着型サービス

通い・訪問・泊りのサービスを組み合わせたサービス

小規模多機能型居宅介護・介護予防小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護

施設サービス(認知症対応)

認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護

施設サービス

地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

通所サービス

域密着型通所介護
認知症対応型通所介護・介護予防認知症対応型通所介護

訪問サービス

夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護

通い・訪問・泊りのサービスを組み合わせたサービス

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護とは、1つの小規模な施設で「通い」「宿泊」「訪問」の3種類のサービスを利用できる介護サービスです。このモデルの起源は、古くからある宅老所です。介護施設へ通う「デイサービス」が中心になりますが、必要に応じて介護施設へ宿泊する「ショートステイ」、自宅へ訪問してもらう「訪問介護」も受けられます。1つの事業所でさまざまなサービスを提供しているため、サービス形態が変わっても、顔見知りのスタッフに対応してもらうことができます。見知らぬスタッフの介護に抵抗を感じる高齢者にも向いています。例えば、介護サービス開始当初はなかなか自宅から出たがらない利用者さんにまずは訪問して関係性を構築し、その後にデイサービスに案内するといった柔軟で段階的な対応も実現できるのが特徴です。利用者さんに合わせた介護ができるため、やりがいを感じられる仕事ですが、その反面、利用者さんに合わせた臨機応変な対応が求められる部分も少なくありません。

看護小規模多機能型居宅介護

看護小規模多機能型居宅介護とは、前述した小規模多機能型居宅介護に「訪問看護」が加わったサービスです。訪問看護がプラスされることによって、介護度が重い高齢者でも在宅で暮らすことが可能になります。訪問介護は主に訪問介護員(ホームヘルパー)が担当し、日常生活の支援を行いますが、訪問看護は看護師が担当し、医療措置を含めた療養生活の支援を行うという違いがあります。介護だけではなく、医療サービスも必要な人が対象となります。

病状の重い高齢者を自宅で介護している家族の負担を減らすことができ、感謝されることも多いので、社会的意義を大きく感じられる仕事です。介護のスキルや医療の知識がつきやすい環境でもあり、利用者さんとの対話から人生について学ぶことも多いでしょう。

施設(認知症対応)サービス

認知症対応型共同生活介護

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは、認知症の高齢者が5~9人で共同生活を送りながら、食事、入浴などの介護を受けることができるサービスです。利用者さん同士で掃除や洗濯などの家事を分担したり、レクリエーションやリハビリをしたりして過ごすため、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。

認知症のケアや家庭的な雰囲気で入居者に寄り添った介護をしたい人に向いている仕事です。少人数の利用者さんと、比較的長期に密な関係を築けることが醍醐味です。認知症のある方は、日常のちょっとした変化に混乱することも多いため、安定した環境づくりを心掛ける必要があります。また、利用者さん同士で影響しあう部分も多いため、関係性にも配慮が必要です。近い将来、死を避けられない高齢者が、自分らしく最後を迎えられるように「看取りケア」を行う施設も増えています。

施設サービス

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護とは、定員30人未満の小規模な介護専用の有料老人ホームや、比較的安い費用で利用できる軽費老人ホーム(ケアハウス)で、生活支援や機能訓練などを受けられるサービスです。看護師を配属している施設が多く、介護だけではなく医療サービスを受けることもできます。看護師が常駐していることで、毎日の健康状態のチェックから、急な状態変化にも適切な処置を受けられるので安心です。入居者の部屋は個室の場合が多いのですが、夫婦で入居する場合は2人以上の居室も可能です。

仕事は地域密着型施設サービス計画に基づいて行われます。具体的には食事、入浴、排せつなどの介護や、日常生活で必要な世話、健康管理などがあげられます。

地域密着型介護老人福祉施設

地域密着型介護老人福祉施設とは、定員30人未満の小規模な特別養護老人ホームで、地域密着型サービス計画に基づいたサービスを提供している施設です。普通の特別養護老人ホームとほぼ同じサービスですが、地域と家庭のつながりを重視している点と、その他の保険医療サービスや福祉サービスと、密接に連携しながら介護を実施している点に特徴があります。仕事は、前述した地域密着型特定施設入居者生活介護と同様に、入居者の食事、入浴、排せつなどの介護、日常生活上の世話、健康管理などが中心です。

通所サービス

地域密着型通所介護

地域密着型通所介護とは、利用定員18人以下の小規模な施設で提供される、日帰りの通所介護(デイサービス)です。自宅から施設までの利用者さんの送迎も行います。通常のデイサービスと同じように、食事や入浴、レクリエーション、リハビリなどのサービスを受けられます。通常のデイサービスとの違いは、定員数が少ないため、少人数でより手厚い介護が受けられる点です。要介護認定の区分が、要支援の場合は利用できないことも違いのひとつです。

デイサービスでは社会的な孤立感の解消や、意欲的に生活を送れるように、スタッフや他の利用者さんとの交流をはかったり、レクリエーションを考えたりすることも重要な仕事になります。

認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護とは、認知症と診断された人を専門としたデイサービスで、利用定員が12名以下の少人数制で行われます。サービス内容は、通常のデイサービスとほぼ同じですが、認知症に適した運動やレクリエーションを通して、身体機能の維持や回復をはかることが大事な作業です。地域密着型通所介護と同様に自宅から施設までの送迎も行います。

仕事は小人数で家庭的な雰囲気の中で介護を行うもので、認知症ケアを学びたい人におすすめです。レクリエーションを本人の得意なものや個性に合わせたり、認知症により起こりがちな食事の問題(食事拒否)を丁寧に対処したりすることもできます。

訪問サービス

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは、訪問介護と訪問看護を一体的に提供する24時間対応のサービスです。日中・夜間を通して定期巡回と緊急対応を行っています。体調の管理や、服薬管理、生活の管理が難しい人が利用することが多いでしょう。仕事は利用者さんの自宅へ1日に複数回訪問することが基本です。1回の訪問時間は10~20分程度で、食事や排せつの介助など短時間の身体介護を中心に行います。勤務体制は24時間対応でシフト制がほとんどです。夜間の呼び出しに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、深夜帯のコールは全体の約3割程度にとどまっており、その中で実際に訪問するケースは3割を下回ります。特定の利用者さんを手厚く介護できることに、やりがいを感じる人も多いでしょう。

夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問介護とは、18時から翌朝の8時までの夜間帯に行う定期巡回(定期巡回訪問サービス)と、利用者さんの連絡に応じて随時対応する訪問介護(随時対応サービス)を合わせたサービスです。利用者さんにはサービス提供事業所に連絡するための端末が支給され、困ったことが発生した場合にすぐに連絡を入れることができます。たとえば、体調が悪くてつらいときや、トイレに行けなくて難儀しているときに連絡すれば、すぐにスタッフが駆け付けてくれます。

さまざまな病状を抱える利用者さんは、夜中に急に体調が悪くなるケースが多いため、夜間対応してもらえることで利用者さんからの評価が高いサービスです。仕事は夜勤やシフト制勤務で働けることが前提となります。利用者さんから連絡があったときにすぐに対応できるように、自動車免許が必要な職場が多いです。

地域で自分らしく生活したい高齢者をサポート

「地域密着型サービス」は、自宅や馴れ親しんだ地域で、自分らしく生活をしたいという高齢者を尊重した介護サービスです。各市町村で指定された事業者が、その地域に住む高齢者を対象としてサービスを提供するため、ひとりひとりに寄り添ったケアを実施することができるのです。サービスを行う施設は比較的小規模のため、少人数の利用者さんを担当して、手厚いケアをしたい人にはぴったりの仕事です。

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