【重要】ケアプランの長期目標・短期目標とは?設定する必要性まで紹介

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【重要】ケアプランの長期目標・短期目標とは?設定する必要性まで紹介

ケアプランは介護保険サービスを提供するにあたり欠かせない書類です。介護の仕事に携わる人であれば、その存在や必要性は把握していることでしょう。しかし、書類のなかの各項目にどのような内容が記載されているかを正確に理解できている人は多くないのではないでしょうか。そこで、今回は、ケアプランの記載項目のうち、特に「長期目標」「短期目標」に焦点をあてて詳しく解説します。


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そもそもケアプランって何?

ケアプランとは、介護の利用に関わるさまざまな内容について具体的に記した計画書です。要介護または要支援の認定を受けた高齢者は介護保険を利用できます。ただし、実際にサービスを受けるためにはケアプランを立てることが必須です。ケアプランは、ケアマネージャーが介護サービスを必要とする利用者さんやそのご家族と相談しながら作成します。その際には、現状や希望、困っていることなどの聞き取りを行い、適切な介護保険サービスを提供できるように努めることがケアマネージャーの役割です。そして、ケアプランが作成されると、それをもとにケアマネージャーが介護サービス事業者に手配を行います。

ケアプランに記載される内容はさまざまですが、いずれの項目も介護を実施するうえで欠かせない大事な内容ばかりです。書類は第1~7表の7枚の書式がセットになっていて、そのうち、第1~3表にサービスの計画に関わる内容を記します。なかでも、実際の現場で重要となるのが第2表です。第2表には、サービス内容や利用頻度などの決定に関わる大切な目標設定が記されるからです。

ケアプランに記載されていることは?

ケアプランは、大きく分けて、「居宅サービス計画」「施設サービス計画」「介護予防サービス計画」の3種類があり、記載される内容は各事業所で異なります。3種類のケアプランのうち、居宅サービス計画は自宅で介護を受ける人を対象にした計画書です。要介護1~5の人が訪問介護やデイサービスを利用する場合に作成します。

対して、施設サービス計画は施設に入所している人を対象にした計画書です。ただし、施設入所者のなかでも、原則としては「介護老人保健施設か介護療養型医療施設(介護医療院)に入所する要介護1~5の人」あるいは「介護老人福祉施設に入所する要介護3以上の人」に対象が限られています。一方、介護予防サービス計画は介護予防をしたい要支援1~2の認定を受けている人のためのケアプランです。現状では介護を必要としていないものの、今後介護を受けるリスクを考えて地域包括支援センターの保健師などにより予防策を立てます。

これらのケアプランのなかでサービスの計画に関わる書類は第1~3表で、第1表には介護認定の情報や利用者さんとそのご家族の意向など、被介護者についての情報が記されます。第2表に記載されるのは、第1表に記載の利用者さんらの意向を踏まえたうえで実行できるケアプランです。そして、第3表では介護サービスの利用を考慮した1週間の計画表が記載されます。

それぞれに記される内容につながりはなく、書類としては個々で独立しています。しかし、いずれも、介護を受ける利用者さんが快適な生活を送れるようにと、サービスを提供する担当者が検討を重ねて作成した計画書に違いはありません。

ケアプランの長期目標・短期目標とは?

ケアプランの第2表には実現に向けた具体的な目標が挙げられています。目標は長期目標短期目標の2つに分けて書かれていて、利用者さんが受けるすべてのサービスはこれらの目標をもとにして構成されたものです。目標は利用者さんのニーズや今後の課題などを反映して設定しているため、介護保険サービスを行ううえで非常に重要なものとなっています。

2つの目標の違いは、目標達成を目指す期間の長さです。長期目標は、長い期間をかけて目指す目標を指し、利用者さんが最終的にどのような生活を送りたいかによって内容を決定します。いわば、利用者さんが理想像として目指す最終的なゴールです。一方、短期目標は、長期目標を達成するために段階的に目指す目標をいいます。長期目標の達成までに、短期目標をいくつか用意し、短期目標をすべてクリアすると最終的に長期目標も達成できるような形です。このため、短期目標は数ヶ月で達成できるような内容が設定されることが通常で、長期目標に比べて具体的な内容になっています。

長期目標と短期目標を設定する必要性は?

ケアプランのなかで目標を長期と短期の2種類に分けて設定することは、介護サービスを提供する人にとっても受ける人にとってもメリットがあります。まず、介護サービスを提供する人にとっては、自分がしていることの意義や意味を再確認できる点がメリットです。長期目標があれば、目指すゴールが明確であるため、自分は何のために利用者さんにサービスやケアを行っているのかを理解しやすくなります。また、いつの間にか目標から遠ざかってしまうようなことが起こりにくくなる点もメリットです。

一方、短期目標があると、現在行うべきケアやサービスを具体的に把握しやすくなります。段階的に設けられるので、きちんと最終目標に向かって進んでいるのかを確認しながらケアやサービスを行える点もポイントです。

また、介護サービスを受ける側にとっても、最終的に目指すものを明確にできる長期目標の設定はメリットになります。ただし、長期目標だけだと達成までに時間がかかるため、途中でモチベーションが下がりやすいものです。そのため、現実的に達成できそうな短期目標も併せて設定しておくとやる気も起き、達成までに必要な時間が短いためモチベーションも維持しやすくなります。利用者さんが目標に向けてやる気を持つことは、ケアする介護サービス提供者にとってもやりがいにつながることです。

長期目標と短期目標は、利用者さんやそのご家族が望むサポートから離れないためにも、事前にきちんと確認して設定することが大切となります。また、利用者さんの症状や計画の進捗は思っていた通りに進むとは限らないため、ある程度柔軟性を持って目標を立てることも大事です。柔軟性のある目標で設定しておくことによって、計画の途中で利用者さんの希望が変わった場合でも、その時々の状況に応じた適切な構成に変えられます。

長期目標と短期目標の具体例

ケアプランを作成する際にどのような目標を記載すればよいかについて、具体的な例を5つ紹介します。

1つ目が、一人での歩行に不安はあるものの外出を楽しむことを望んでいる人のケースです。

このケースでは、「付き添いなしでも安心して買い物や近所への外出ができる状態」を長期目標とし、「付き添いを付けて杖などの補助具を使用しながら外出ができる状態」「付き添いありで補助具などを使用せずに外出ができる状態」などと段階的に短期目標を設定します。

2つ目がトイレに不安がある人のケースです。

このようなケースでは「自分でトイレに行き、自立した排泄ができる状態」などを長期目標に設定できます。対して、短期目標の例は「リハビリパンツを着用し、定期的な声掛けでトイレに行けるようにする」「リハビリパンツなしで自ら定期的にトイレに行けるようにする」などです。

3つ目は他者との交流の機会を持つことを希望している人のケースです。

この場合には、長期目標に「趣味のサークルに参加して友達と会話を楽しむ」とし、短期目標には「他者との交流に慣れるためデイサービスに参加する」などが挙げられます。

4つ目は介護者から提供する食事を拒否することがあり十分な栄養摂取に不安がある人のケースです。

たとえば、長期目標は「1日3食を楽しめるようにする」で設定し、「食べさせる人や食事の環境、食べるものなどを変えて食事を楽しむ」を短期目標にできます。

5つ目が介護をする人の負担が大きくなっている家庭のケースです。

このようなケースでは、介護者と被介護者の両者に対する配慮が必要となります。たとえば、介護を続けるにあたり基本となる「介護者と被介護者の共倒れを防ぐ」などを長期目標に挙げます。対して、短期目標に挙げられるのは「介護保険サービスを活用して介護者の負担を減らしながら自宅で一緒に生活を続けられるようにする」「介護者が自分の時間を持てるように被介護者がショートステイを利用できるようにする」などです。

ケアプランの注意点は?

良いケアプランとは被介護者の意向に沿った内容で作成されたものを指します。ケアプランを作成するにあたり基本となるのは、あくまでも、利用者本人が理想とする生活を送れるようにすることです。本人の意思や状況などを正しく把握し、医師などの専門家から受けるアドバイスを取り込みながらケアプランを作れば、本来の目的を失わずに済みます。

また、長期目標と短期目標は利用者さんやそのご家族のニーズをしっかりと捉えた内容で設定することが大切です。潜在的なニーズを正しく捉えるためには、介護に関わる人すべての間で良好な関係を築くことがポイントとなります。

さらに、利用者さん本人の状況やニーズを正しく把握するために、定期的に聞き取りを行うことも重要です。ケアマネージャーと月1回の頻度で面談を行うなどしてケアプランの見直しを行い、その時々の状況に合った内容でケアプランを適宜作り直すようにしましょう。

長期目標と短期目標を明確に設定して適切な介護を実施しよう

ケアプランの数ある項目のうち長期目標と短期目標にスポットを当てて解説してきましたが、理解できたでしょうか。ケアプランを適切に作成するためには、どのような長期目標や短期目標を設定するかが大切です。また、利用者に合った介護を行うためにも目標は十分に検討して設定する必要があります。利用者やその家族が希望する目標を的確に捉えたケアプランを作成し、満足度の高い介護サービスの提供ができるように努めましょう。

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