ケアマネ業務「インテーク」とは?アセスメントとの違いも併せて解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
インテーク ケアマネジャー

ケアマネジャーが利用者さんと初めての顔を合わせる機会を「インテーク」と言います。現場で利用者さんを直接サポートする介護職員にとって、あまり馴染みがない言葉かもしれません。
本記事では、ケアマネの業務であるインテークに関する内容やマナーについて説明します。これからケアマネを目指したいという方や、すでにケアマネとして活躍していて、改めてインテークのポイントを押さえておきたいという方はぜひ参考にしてください。


介護事業所の面倒なシフト・勤怠管理がらくらく
人員基準や加算要件は自動でチェック!CWS for Careはシフト表作成、勤怠管理、勤務形態一覧表作成をワンストップで提供する、介護専門のシフト・勤怠管理サービスです。
⇒ 「CWS for Care」公式サイトへアクセスして、今すぐ資料を無料ダウンロード

インテークとは

インテーク はてな

インテークとは、介護福祉現場や心理学、精神医学分野において、それぞれの援助者が支援や治療のために行う初回面接のことを指します。介護におけるインテークとは、ケアマネジャーが40~50分ほどかけて相談者の話を聞き、積極的かつ能動的に働きかけることで相談者の訴えの背景を明らかにするというものです。

人員基準・加算要件は自動でチェック。
CWS for Careは一般のシフト作成ソフトでは難しい、人員基準や加算要件を自動でチェック。勤務形態一覧表の自動作成にも対応した、介護専門のシフト管理サービスです。

介護におけるインテークの目的

介護 インテーク 目的

介護におけるインテークの目的は、ケアマネが適切にケアプランを作成するための最初の情報収集を行うことであり、あわせて相談者と信頼関係を結ぶことです。相談者は、見ず知らずのケアマネジャーに自分や身内の抱える問題を相談しなければならないほど困っています。

その気持ちを汲みながら言葉や表情、声のトーンなどをよく観察することで、相談者の状況を総合的に把握していくことが求められます。介護施設の職員は、実際のケアワークを通して徐々に信頼関係を築いていくものです。

ケアマネジャーにとっては、インテークが信頼関係構築の最初の機会となります。相談者の気持ちに共感し、不安を和らげることができれば、良好な関係に繋がっていくでしょう。

インテーク面接の事前準備とポイント

インテーク面接 事前準備 ポイント

ケアマネジャーがインテーク面接を行う際には、しっかりと事前準備をして信頼関係構築と情報収集のポイントをおさえるようにしたいものです。

・電話対応
電話の場合は、表情が見えないからこそ普段以上に声のトーンやボリュームに注意しましょう。無意識のうちに低くきつい声で話していることもあるので、同僚に聞いてもらってアドバイスをもらうのもいいでしょう。

また、大事な要件を忘れない様に、話を聞きながらメモをとる習慣を身に付けるのも大切です。

・事前に確認しておきたい事項のピックアップ
インテークは情報量が多いだけではなく、相談者が気持ちを吐き出しやすい場面であるため、相手のペースに押され気味になったり、話題がどんどん逸れてしまったりします。それを防ぐために、最低限確認しなければならないポイントを決めておくといいでしょう。

インテーク面接の流れ

インテーク 面接 流れ

・挨拶と自己紹介
ケアマネジャーとしてどんなことができるのかを伝え、相談者の不安を和らげるようにします。

・守秘義務の説明
極めてプライベートな個人情報が扱われることになります。個人情報保護法に基づいてどのように情報が扱われるのかを説明し、安心して相談できる下地を作ります。

・インテークの進行方法、所要時間について
今回のインテーク面接の流れや所要時間をあらかじめ伝えておくと、効率よく進めることができます。この時に今から話す内容についてメモを取ることを伝え、承諾をもらいましょう

・確認事項に沿って相談開始
ケアプラン作成を行う上で最も重要な、支援を必要とする利用者さん本人やご家族から、現状での困りごとや、要望などをヒアリングしていきます。まずは相談者の感情を受け止めて共感しつつ、しっかり話を聴くことを心がけましょう。きちんと話を聴いてもらえるという安心感が、相談者の心を開き、真意を引き出すことに繋がります。

・こちらから確認したいことを質問する
相談者の話を聴くだけではなく、事前にピックアップしていた確認事項に沿って質問をしていきましょう。一方的に質問したり、相談者の話を途中で遮ったりしないよう、相手のペースや話の流れに合わせて質問することが重要です。

・今後の希望につなげて終了
終盤は、「勇気を出して前進できた」、「不安を吐き出せた」などインテークでの成果を相談者と共有します。そして、今後に希望がもてるようなまとめをして次回の支援につなげましょう。

インテークにおいて気を付けたいマナー

インテーク マナー

インテークの大きな目的のひとつである信頼関係の構築。悪い印象の相手に自分の悩みを話したいとは思わないものです。

初対面では、話す内容だけでなく所作や身だしなみが相手の受ける印象に大きく影響していきます。

電話相談の対応

インテークが電話の場合には、表情が見えないからこそとくに丁寧な対応が求められます。事業所や施設の評価に直結するので対応には十分に気を付けましょう。

ケアマネジャーが使いなれている「在宅」や「モニタリング」といった用語は、一般の方には馴染みが薄い場合があるので、介護用語はできるだけ使わないようにして、分かりやすい説明を心がけます。

服装

ユニフォームがある事業所は、清潔感に気を配りましょう。靴下は見落としがちですが、相談者のご自宅に上がる際は気を付けておきたいポイントです。

柄や劣化によって不快感を与えないものを身に付けることが大切です。私服の場合には露出や装飾品を控え、清潔感のある身なりを心がけるようにします。

自分の好みを控え目にして相手に対して失礼にならない服装に心がけるとともに、相談者が受け入れやすく話しやすい印象を持てるよう、自分の服装を俯瞰して考えてみましょう。

名刺のやり取り

名刺は、基本的に座る前に両手で差し出します。自分の名前と事業所名を名乗りながら、胸の位置で渡しましょう。

相談者から名刺を受け取るときは、胸より高い位置で受け取り、インテーク面接が終わるまではテーブル左上の名刺入れの上に置いておきます。利用者さん本人に先に渡して次にご家族に渡すといった順番も忘れないようにしましょう。

インテークが終わり、帰り支度をする段階で渡した名刺を相談者がしまうのを見てから受け取った名刺を片付けるようにするのがベターです。

インテークにおいて注意すべき点とは?

インテーク 注意点

相談者がインテーク面接に訪れるタイミングや理由は千差万別です。なぜなら、それぞれの能力や価値観が異なり、介護サービスを利用しようと考える時期や範囲の基準が一定ではないからです。

だからこそケアマネジャーは、専門性を意識した視点で相談に乗る必要があります。相談者に共感しつつ、様々な可能性を予測しながら適切に状況把握することが大切です。

緊急性の有無を判断する

インテークを行う時点で、相談者の状況がすでに緊急性を伴っている場合があります。「転んで動けない」、「家族が頻繁に行方不明になっている」、「暴力を受けている」など、ときには救急や警察の対応を必要とするような相談が来ることもあるでしょう。

命に関わる状況なのかを判断し、必要に応じて最適な機関につなげる役割を担うこともインテークを行うケアマネジャーの大事な役割です。また、「介護者の体調不良」など形式にとらわれない柔軟な緊急対応が求められることがもあります。

共感・受容しつつ流されない

相談者は不安を抱えている場合が多いので、インテークでは共感や受容の姿勢が求められます。ただし、あくまでも相談者に対して関心を持つという意味での「共感や受容」であり、相手に感情移入することではありません。

程よい距離感を保ち、常に客観的な判断が必要です。初回から「施設に入所させたい」と決めつけている場合や、あるいは介護保険対象外のサービスばかりを求められることもありますが、ここで必要なのは専門職としての視点をしっかりと持つことです。

言われたことを鵜呑みにして支援しようとするのではなく、まずは「どうしてそのように思っているのか」について時間をかけて聞き、本当のニーズが何かを探る作業が必要です。

言葉にならないニーズを探る

相談者に「家族の介護を休みたい」、「以前のように外出したい」などのニーズがあっても、介護保険に対する知識がないなどの理由でニーズとして表現できないことが多々あります。そのニーズを汲み取るため、まずは相談者の表情、雰囲気、言動、家の中の様子などにも目を配りましょう。

ご家族の介護でかなり困難な状況にあって疲れているにも関わらず、案外気づいていないという人はたくさんいます。

緩やかに状況が悪化していくと「これくらい当たり前」、「ほかの人も我慢している」といった思い込みで事態を過小評価し、必要以上に自分を追い込んでいることも少なくありません。

介護するご家族の心身の健康を守るためにも、インテークでは言葉として浮き上がってこないニーズの存在を意識させ、適切な情報提供とともに答えやすい質問でニーズを拾い上げるスキルも必要です

アセスメントとはどう違う?

アセスメント 違い

ケアマネジャーの業務にはアセスメントという面接ステップがあり、インテークとアセスメントは似ているような気がするかもしれません。しかし、この2つは目的が異なる別のステップです。

インテークが初回面接で情報共有や信頼関係の構築などが目的であるのに対し、アセスメントは利用者さんの身体状況や環境の変化に応じて繰り返し行われます。ケアプランに盛り込むべき課題の明確化のため、自立を妨げる原因になっている状況の評価などが目的です。

インテークは支援の今後を左右する重要な場面

インテーク 支援 重要

利用者さんとの初顔合わせとなるインテーク。知らない人に色々と話すことに不安を感じる方も多いので、常に寄り添う姿勢を忘れないことが大切です。「この人なら話を聞いてくれる」「この人なら相談してみよう」そう思ってもらえるかどうかで、その先の支援が順調に進むか否かに大きく影響してきますすることです。

慣れないうちは緊張して上手く話せないこともあるかもしれませが、しっかり事前準備を行い、インテークの目的を改めて理解しておくことで、自身の不安も和らぎ、より良いインテークへと繋がるでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加