生活相談員として働くなかで、自身の給料が平均より高いのか低いのか疑問に思ったことはありませんか?給料の金額は、日々の生活や将来について考えるうえで重要な要素です。同じ生活相談員として働くのなら、給料が高い方がいいとだれもが考えるのではないでしょうか。
今回の記事では生活相談員の給料は平均給与など「給料」に関係する話題をお伝えします。自身の給料と比較しながら、将来のことを考える参考にしてみてください。
目次
生活相談員の給料・年収の平均
「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、生活相談員の平均月収(※)は、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所に常勤で勤務する場合は、34万3,3101円(基本給は21万3,000円)、年収にすると411万9,720円となっています。平成31年度の平均給与(上記と同じ条件と計算方法)は、33万2,980円(基本給は20万9,420円)となっており、平均給与はアップしていることがわかります。
※ 平均月収は、月額の基本給、手当、4月から9月に支給された一時金の1/6で計算されています。
出典:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
第80表 介護従事者等の平均給与額等(月給の者),職種別,勤務形態別(処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所)
額面と手取りの違いとは?
額面とは会社から支払われる金額の合計のことです。基本給、交通費などの通勤手当、残業などにより発生する時間外手当などが相当します。額面は給与明細の総支給額の欄に記載されていることが多いです。
手取りとは額面のなかから実際に受け取ることができる金額のことをいいます。会社に勤めている方は、総支給額から所得税、住民税、社会保険料などが天引きされるので、額面の金額をそのまま受け取ることはできません。
手取りで受け取る金額はおおよそ額面の75%から85%になるといわれています。生活相談員の平均月収34万3,310円円に当てはめて考えると、手取りの金額はおおよそで25万円~29万円くらいになるでしょう。
生活相談員の給料・年収を決める要素とは
一般的に給料が決まる要素には、勤続年数や仕事の実績、スキル、学歴などがあります。では、生活相談員の給与はどのような要素をもとに決まるのでしょうか。生活相談員の給料を決める要素は、大きく「資格手当を含めた各種手当」と介護施設の「施設形態」のふたつです。
生活相談員の手当
生活相談員の給与では、一般的に支払われる交通手当や残業手当、年末年始手当などとは別に、保有している資格に応じた手当が支給されていることがよくあります。手当の対象となる資格は生活相談員の任用資格である「介護福祉士」「社会福祉士」「社会福祉主事」「精神保健福祉士」「介護支援専門員」などが多いようです。
また、資格を取得するまでの難易度が高いものほど、支給される手当も高くなる傾向がみられます。ただし、勤務する企業や法人、都道府県、都市部か地方かなどの条件により、手当の金額や支給の対象となる資格は異なるので注意してください。
施設形態による給与の違い
同じ生活相談員であっても、施設の形態によって給与で支払われる金額は異なります。施設形態によって給与が異なることをわかりやすくするため、生活相談員の任用資格のひとつである社会福祉士の資格保有者の施設形態別平均給与額(※)と、実際の求人を参考にした施設形態ごとの生活相談員の月給を以下へ記載しました。
社会福祉士の資格を保有している者の施設別平均給与額
- 介護老人福祉施設 38万3,970円
- 介護老人保健施設 37万9,670円
- デイサービス 32万8,870円
- グループホーム 33万5,120円
※ 平均月収は、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅴ)を取得している事業所の基本給(月額)、手当、4月から9月に支給された一時金の1/6で計算されています。
出典:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
第99表 介護職員の平均給与額等(月給・常勤の者),サービス種類別,保有資格別(処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所)
上記の資格手当や施設形態による給与の違い以外に、企業や法人での勤続年数や生活相談員としての経験年数、勤務地によっても給与は変わってきます。
生活相談員からキャリアアップして、お給料を上げる方法
生活相談員からキャリアアップする際の選択肢のひとつに、介護施設の施設長やホーム長と呼ばれる管理者(管理職)を目指す道があります。管理者は事業所に在籍しているスタッフの人事・労務管理や提供されているサービスの質の管理、設備や備品管理、運営のための財務の管理などを行い、事業所を運営していくために必要なマネジメント業務を行うのが仕事です。生活相談員は施設の情報を幅広く理解しているので、管理職になればその強みを活かせることでしょう。
生活相談員は施設の情報を幅広く理解しているので、管理職になればその強みを活かせることでしょう。
生活相談員として身につけた相談援助のスキルと経験を活かし、ケアマネジャーなどの相談業務で介護のプロフェッショナルを目指す道もあります。
ケアマネジャーは介護保険制度を理解し、利用者さんが適切な支援や介護サービスを受けることができるようにケアプラン作成や管理を行います。さらに、ご家族や介護者、関係機関と連携することも重要です。
多くの利用者さんとその関係者に関わることから、これまでに身につけた相談援助のスキルを大いに活かせるでしょう。ケアマネジャーへなるためには、受験資格を満たしたあと都道府県の行う試験に合格し、指定の研修を修了する必要があります。
資格取得に必要な受験資格は実務経験であり、「生活相談員として5年以上の相談援助業務」を行っていれば受験可能です。
まとめ
同じ生活相談員であっても働く場所や地域、勤続年数によって給料が大きく異なることを知り「もう少し給料がアップしないかな」と思った方もいるかと思います。給与をアップさせるために現在働いている施設でキャリアアップを目指すのもひとつですが、時間がかかってしまうことも確かです。
そういったときの選択肢として「転職」という道もあります。現状のスキルのままでも他の施設へ転職することで給与をアップさせることが可能なので、ぜひ一度求人情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。