生活相談員とケアマネの違いは何?仕事内容やなり方、給料を比較

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生活相談員とケアマネの違いは何?仕事内容やなり方、給料を比較

介護施設で主に相談業務を担当するのが「生活相談員」と「ケアマネ」です。しかし、この2つの仕事は内容もなり方も大きく異なります。生活相談員とケアマネの違い、業務内容や必要な資格、給料などについて見ていきましょう。


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生活相談員とケアマネの5つの違い

生活相談員は「ソーシャルワーカー」とも呼ばれ、介護施設などで窓口業務や相談業務を担当しています。ちなみに、医療機関などで窓口・相談業務を担当するのは医療相談員(医療ソーシャルワーカー)です。

一方、ケアマネジャーは「ケアマネ」や「ケアマネージャー」と呼ばれることもありますが、正式名称は「介護支援専門員」といいます。介護を必要とする方の状況を把握し、ケアプランを作成します。生活相談員とケアマネの違いについて、仕事内容と配置基準、必要資格、給料、働き方の5つのポイントから見ていきましょう。

https://care-infocom.jp/article/9806
https://care-infocom.jp/article/9813

仕事内容の違い

生活相談員は施設の「顔」として窓口の役割を担い、利用者さんやそのご家族、ケアマネジャー、自治体、医療施設、公的施設との連絡や調整業務を行います。また、利用者さんが入退所するときの手続きや介護保険請求手続きなど、事務的な作業も生活相談員の担当です。

一方でケアマネは、利用者さんが介護保険サービスを受けられるようコーディネートする役割を担います。介護を必要とする方に合わせたケアプラン(介護サービス計画書)を作成したり、通所サービス事業者や入居サービス事業者、介護用品業者などと連絡を取ったりすることがケアマネの主な仕事です。

また、ケアマネは利用者さんに最適なケアプランを作成するために、利用者さん自身やそのご家族としっかりと話し合い、どのような介護サービスを希望しているのか、どんなことに困っているのかについて丁寧に尋ねます。相談業務を行うという点では、生活相談員と重なる部分があるといえるでしょう。

配置基準の違い

デイサービスやデイケアセンターなどの通所介護施設では、被介護者の人数に関わらず生活相談員が必要です。ケアマネは配置されません。特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、利用者さん100名に対して1人の常勤生活相談員が必要となります。ケアマネは利用者さんの人数に関わらず1人以上が必要で、他の職務と兼務することが可能です。

一方、居宅介護支援事業所には管理者として常勤の主任ケアマネ(主任介護支援専門員)が1名、ケアマネは利用者さん35人に1名を基準に配置し、その端数を増すごとに1名の増員が必要となります。

必要資格の違い

生活相談員は資格ではなく職種としての名称です。専門資格はありませんが、一般的には社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかが必要です。ただし、実務経験を含め自治体によって必要とされる要件が異なるため、詳しい内容は各自治体に問い合わせて確認しましょう。

ケアマネは介護福祉士や看護師、保健師、社会福祉士などの資格を有しており、介護職員など国家資格所有者としての実務業務、もしくは相談業務を5年以上かつ900日以上した上で介護支援専門員の試験に合格し、なおかつ実務研修を受ける必要があります。介護支援専門員の試験では、介護保険などに関する知識などをマークシート方式で問われるので、資格取得を目指す方は過去の問題を見て勉強しておきましょう。

また、ケアマネは一度介護支援専門員の資格を取得したからといって、半永久的にその資格を保持出来るわけではありません。5年に一度資格を更新し、その都度実務研修を受ける必要があります。

給料の違い

令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によれば、常勤の生活相談員とケアマネの給料を比較したところ、ケアマネのほうが15,000円ほど多いようです。給料の基準はボーナスなどに反映されることもあるため、年間で見ると数十万円の差が出ることもあるでしょう。介護職として年収アップを目指すならば、ケアマネになることも検討してみてください。

 平成31年度令和2年度
生活相談員(常勤)332,980円343,310円
ケアマネジャー(常勤)347,460円357,850円

参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」
第80表 介護従事者等の平均給与額等(月給の者),職種別,勤務形態別(処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所)

働き方の違い

介護施設等で働く場合には、生活相談員もケアマネもどちらも夜勤がなく、定時出勤に定時退勤が可能です。家事や育児との両立を目指す方や、規則正しい生活を希望する方にも向いている仕事といえるでしょう。

しかし、生活相談員もケアマネも他職務との兼務が可能となっており、介護業務を兼務する場合もあります。夜勤の有無も含め、必ず確認しましょう。

ケアマネが居宅介護支援事業所で働く場合は、利用者さんの居宅への訪問があるため、夜勤はないものの業務時間が延びることがあります。子どもを保育園に預けている場合などは、柔軟に対応出来る保育施設を選ぶことが必要になるでしょう。

生活相談員とケアマネにはどんな人が向いている?

生活相談員とケアマネは、相談業務に従事することや夜勤がないことなど、似ている部分も多い仕事です。どのような方に向いた職業なのか、適性について見ていきましょう。

コミュニケーションスキルが高い人

生活相談員もケアマネも窓口や相談業務を行うため、コミュニケーションスキルが高いことが望まれます。人と接することが好きな方、特に高齢者と話すことが好きな方に適した仕事といえるでしょう。

いずれの業務も、介護サービスを必要としている人が自分から相談してくれるのを待っているだけでは十分とはいえません。介護の専門的な支援相談員として、「お困りのことはないですか」、「このようなサービスを利用出来ます」などと積極的に介入することが求められるでしょう。

相手の立場で考えられる人

利用者さんは自分に介護が必要であることを理解していても、「どのような介護サービスがあるのか」、「自分はどの程度のサービスが受けられるのか」については知らないことが多いです。生活相談員やケアマネは、介護サービスの専門家として利用者さんの立場で考え、本当に必要なサービスを必要なタイミングで利用出来るように提案することが必要なのです。普段から相手の立場で考えられる人が、生活相談員やケアマネには向いているといえます。

スキルアップしたい人

介護職としてスキルアップしたい方は、生活相談員やケアマネという選択肢を検討してみるとよいでしょう。いずれも介護関連の資格あるいは実務経験が求められるため、介護の現場で働いた経験のある方にしか出来ない仕事です。

介護支援専門員の資格を取得しないと、ケアマネにはなれません。介護支援専門員試験を受験するだけでも5年以上の介護実務経験が必要で、また試験に合格した後も実務研修を受けることが必要です。「介護職としてスキルアップしたい」というやる気のある方は、ぜひ目指してみましょう。

介護関連の職種は多い!ケアマネも生活相談員も目指してみよう

介護士になれば介護を必要とする方に関わることが出来ます。さらにケアマネや生活相談員として働くと、ケアプランの作成や介護施設への入所手続き、介護サービスに対する相談業務を行うなど、より深く利用者さんの生活に関わることが出来るのです。

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