介護職員に退職金はある?目安と調べ方を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

介護職員が何かの事情で退職しなくてはいけないとき、退職金を受け取れるのでしょうか。退職金制度のある事業所での相場や、現在の職場での退職金を調べる方法についてまとめました。退職金が高い職場に転職する方法も紹介しますので、ぜひ退職前にご覧ください。

介護職員に退職金はある?

正規職員として介護施設で働いている場合は、退職時に退職金を受け取れる場合が多く、約2/3の職場では何らかの退職金制度を取り入れています。

一方、パートなどの非正規雇用で働く場合には、退職金がないことがほとんどです。長期間にわたって同じ事業所で働いていた場合も、退職金は支給されない可能性が高くなります。

介護職員の退職金の相場

介護職員の退職金は、事業所によって異なります。事業所独自の退職金制度を導入しているところもあれば、福祉医療機構か従業者共済会の制度を利用しているところも少なくありません。それぞれの制度における相場をご紹介しますので、ぜひ参考にしてご自身の退職金の参考にしてみてください。

福祉医療機構の退職金制度が適用される場合

福祉医療機構の退職金制度の場合、おおよその退職金が分かるシミュレーションが公開されています。

参考までに、いくつかの条件でシミュレーションした結果をご紹介します。 なお、退職理由は普通退職(業務上死亡・傷病以外)です。

勤続年数平均給与額退職金
1年200,000円99,180円
5年200,000円495,900円
10年200,000円991,800円
10年250,000円1,305,000円
参考:福祉医療機構退職手当金計算シミュレーション」

従事者共済会(東京都)の退職金制度が適用される場合

従事者共済会の退職金制度を導入している職場では、平均給与月額に対して勤続年数によって決まる給付率をかけ合わせて退職金を算出します。都道府県によっても異なりますが、東京都の従事者共済会の場合をシミュレーションしてみました。

勤続年数平均給与額退職金
1年200,000円95,200円
5年200,000円557,000円
10年200,000円1,149,000円
10年250,000円1,436,200円
参考:東京都社会福祉協議会「退職金の計算」

独自システムが適用される場合

法人独自の退職金制度を用いている場合は、福祉医療機構や従事者共済会の制度よりも退職金が低額になることが一般的です。また、退職金制度自体がないことや、10年働いても数万円といった事業所もあります。

現在の職場で介護職員の退職金について調べる方法

まとまった金額の退職金を受け取りたい方は、福祉医療機構や従事者共済会の退職金制度を導入している職場で働くのが望ましいといえるでしょう。いずれも退職金の計算方法が公開されているので、事前におおよその金額を算出できるというメリットがあります。現在の職場で導入している退職金制度については、以下の3つの方法で調べてみましょう。

就業規則に退職金制度についての記載があるか確認する

入職したときに受け取った就業規則を確認してみましょう。どのような退職金制度を導入しているかについて記載されていることが多いです。福祉医療機構か従事者共済会の退職金制度を導入している場合には、前述したシミュレーションも参考にしてください。

事務・総務に尋ねる

就業規則に退職金制度について記載されていない場合は、事務や総務に尋ねてみましょう。退職する日時が確定するまでは正確な金額を算出することはできませんが、おおよその金額については教えてもらえることがあります

ただし、事務や総務のスタッフと親しい場合は、「退職するつもりなの?」と尋ねられるかもしれません。詮索されるのは困るという方は、電話で尋ねたり、親しいスタッフがいないときに尋ねたりするようにしましょう。

退職者に尋ねる

すでに退職した人に退職金がいくらだったかを尋ねてみることもできます。ただし、退職金の金額からおおよその給料等が分かるため、余程親しくしていた人でなければ教えてくれないこともあるでしょう。お金のことを尋ねるのは無作法だと思われる可能性もあるので、できることなら就業規則で調べるか事務・総務に尋ねるようにしてください。

介護職員の退職金が高い職場に転職する方法

再就職先がなかなか決まらなかったとしても、退職金が高ければ経済的に余裕を持って転職活動を行うことができます。また、まとまった金額を受け取れるので、子供の学費や住宅ローンの繰上返済、貯金といった様々な資金として活用することも出来るでしょう。介護業界で退職金が高い職場に転職したいという方は、次の2つの方法で求人を探してみてください。

加入している退職金制度について直接尋ねる

希望する転職先がどのような退職金制度に加入しているのか、事前に尋ねておくことができます。もしも独自の制度を導入している場合には、具体的な計算方法について尋ねておきましょう。制度が分かればおおよその金額を試算できます。 とはいえ面接時に退職金制度について尋ねるのは、「退職を前提として仕事を探している」、あるいは「短期間しか働かないつもりだ」と事業所側に悪い印象を与えかねませんので注意が必要です。

転職前に介護職員の退職金事情を調べておこう

給料とは異なり、退職金の支給は事業所の義務ではありません。しかし、長年勤務して退職金がまったくないのでは、がっかりしてしまうのも事実です。

また、退職金も事業所にとっては人件費となります。退職金制度がない代わりにお給料が高い、またはその逆のケースもありますので、給与と退職金制度の有無や内容を総合して「待遇」を見極めると良いでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加