介護サービスに携わる人々にとって一番の喜びはなんでしょう。
お客様の「笑顔」とお客様からいただく「こんなに元気になった、ありがとう」の一言につきるのではないでしょうか。そしてそれはお客様が「心から満足」されている証です。
ではこの満足はどこから得られるのでしょうか。それは「よりよい介護」と「サービスの快適さ」、つまり快適な介護サービスを受けられることです。この2つはどちらも欠かせない大切な要素です。
そこで今回は、この2つに大きく関わる「介護サービスにおける接遇(身だしなみと表情)」をご紹介します。
新しく入職された方も、長年介護職に従事されている方にも、このコラムが皆さまの施設や事業所のサービスの質の改善・向上にご活用頂けたら幸いです。
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目次
サービスは施設、事業所全体で統一を
お客様は、施設に対して一つのイメージを描きます。その施設で出会ったもっとも不愉快な対応を基準にして評価をします。施設の良かった点よりも、どちらかというとマイナスな印象が強く残ります。
例えば、窓口の対応はとても親切で良かったが、介護職員の説明は不親切だったという場合、施設の印象はマイナスの評価になってしまうことが多いです。サービスは施設、事業所全体で統一して行いましょう。
求められる接遇マナー
ホスピタリティという言葉は、ホテルやレストランなどでよく使われていますが、「手厚いもてなし」という意味があります。介護サービスにおいてもこの「ホスピタリティ」が接遇の重要なポイントとなります。
お客様である「ご利用者」またそのご家族に、気持ちよく利用して頂けるよう、施設・事業所の一員として「心からのおもてなし」を心がけましょう。
接遇マナーの基本
介護サービス事業者のイメージを決める接遇応対の基本要素
接遇応対の基本要素は、お客様やその家族が介護スタッフに抱く第一印象の決定に大きく関わります。
初対面時の明るくさわやかなあいさつ、親しみやすい笑顔、きびきびした動作、丁寧な言葉遣い、細やかな配慮等はその後のサービスを円滑に行うための潤滑油ともなります。
第一印象が良ければより早くお客様との信頼関係を築くことができ、好印象を残す接遇にもつながります。この基本要素が接遇の基本技術となります。
身だしなみ
身だしなみの基本は「清潔(クリーンネス)」であることと、その場に「調和(ハーモニー)」していること、そして何よりも大切なことは、お客様の心が和むように「控えめ(モデスティ)」であることです。
毎日、仕事を開始する前に身だしなみチェックをする習慣を身に付けましょう。そうすることにより自分自身への心理的な影響力も働きます。
身だしなみを整えることは、それに伴って気持ちもきりっと引き締まり、仕事に向かう心の準備が自然に出来上がるものです。
身だしなみは、お会いする人すべての人へ心を込めた思いやりであると同時にプロとしての心構えでもあります。
表情
笑顔は相手に対して心を開いているという無言のサインです。
初対面の相手と対面する際に身だしなみと同じくらい気になるものは相手の表情です。
明るい表情の介護職員はお客様の心を明るくしますが、逆に表情の暗い人は回りの雰囲気を暗くするだけではなく、相手の気持ちを沈みがちにし、不安感を募らせます。
コミュニケーションの大半が、言葉以外の顔や声の表情によって構成されているとの研究結果もあるように、介護職員の表情そのものが「お客様を心よりお迎えしている」ことを伝える大切なメッセージとなります。
また、表情を変えることによって言葉の印象もずいぶんと変わってきます。たとえば「おはようございます」の一言でも、笑顔で言われた場合とブスッとした表情で言われた場合では全く正反対の印象になります。笑顔を含んであいさつをすると、必然的に声のトーンも明るく変化します。
顔の表情と声の表情、これがサービス全体のイメージを大きく左右します。またお客様が介護職員にもっとも期待している表情が笑顔なのです。
美しい表情を身に付けるためのポイント
・朝、鏡の前で笑顔を作りましょう。
「イ」を発声して口角をやや上にあげ、目のまわりの筋肉をやわらかくすると自然な笑顔ができます。
・その笑顔を忘れないで、自分に「おはよう」とあいさつしましょう。
・ウイスキー等母音の「イ」が入っている名前をいくつか発声するなど「ウイスキー!」と口角を上げて大きな声で言いましょう。
その表情を忘れずに心に余裕を持って1日のスタートをきれば、前向きな気持ちになりますし、毎日このトレーニングを続けていけば、美しい笑顔が自然にできるようになります。
コロナ禍でマスクをしていますが、心のマスクは外して笑顔を心がけていきましょう。
まとめ
快適なサービスは、あらゆる面から実現される「接遇」にほかなりません。人は誰でも多かれ少なかれ「歓迎されたい」「大切にされたい」という要求をもっています。
やさしい笑顔であいさつされたり、丁寧な言葉と動作で歓迎されたりすれば、それにより自分は大切にされていると感じられ、十分に満たされた快適な気持ちになるものです。
このように、「接遇」とは相手の心に働きかけて安心と快適な気持ちを持っていただくための「営み」なのです。まして私たちがサービスを提供するお客様は、加齢や障害により身体の自由が制限されている方です。健康な人に対する接遇よりも一層、深いものが求められるといえるでしょう。
また、接遇の良し悪しが、介護サービスの「質」とその事業者の「信頼」を左右する働きがあることも忘れてはなりません。
つまり接遇は、介護サービスの質の向上をするための大切な要であり、「介護と接遇」その大切な関係を築くのはサービスを提供するスタッフ1人1人に関わってくるのです。