介護業務の基本「三大介護(三大介助)」とは?食事介助・入浴介助・排泄介助

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介護業務の基本「三大介護(三大介助)」とは?食事介助・入浴介助・排泄介助

求人票などに記載されている「三大介護(三大介助)」とは、「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」の3つを指しています。利用者さんの身体に触れる身体介護サービスの中でも特に大切な仕事です。未経験の方の場合、言葉は聞いたことがあっても具体的にはどのよう介助を行うのか、想像できない方も多いのではないでしょうか。この記事では、三大介護(三大介助)がどのようなケアを指しているのか、その内容や注意点をまとめてご紹介します。介護の仕事をより具体的にイメージするために、ぜひ活用してください


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「三大介護(三大介助)」とは

介護業務の基本は、介護福祉法にも定められている、「三大介護(三大介助)」です。三大介護(三大介助)とは、以下の3つの身体介護サービスをいいます。

  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 排泄介助

食事介助

咀嚼や嚥下(飲み込む)機能の低下、または握力の低下などの理由で、ひとりで食事をとることが難しい方がいます。そのような利用者さんがきちんと食事をして栄養をとり、誤嚥などを起こさないようにするためのケアを行うのが食事介助です。食べ物を口に入れてから咀嚼・嚥下するまで適切なサポートを行う事はもちろん、身体の状態に合った食器の提供や座席・座位(座る姿勢)の調整も大事です。嚥下状態に合わせた食事内容を考えることも含まれています。さらに、夏場の水分補給を管理することも、食事介助のひとつとして考えられています。

入浴介助

足腰の筋力低下や寝た切り状態である、または麻痺があるなどの理由で、ひとりで入浴できない方がいます。そのような利用者さんのサポートをするケアが入浴介助です。プライバシーに配慮しながら、自分でできることは自分でやってもらいながらも身体や髪を利用者さんに代わって洗います。とくに、身体状況によっては機械浴など特別な福祉用具を用いることもあります。直接皮膚に触ることからもしっかりとした知識が必要です。

排泄介助

トイレへの誘導や排泄後の対応、おむつ交換などが当てはまります。利用者さんの排泄物から感染症が蔓延してしまうケースもあるため、ただ処理をするだけでなく衛生管理の知識が必要となる重要なケアです。

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食事介助

食事介助の基本となる考え方として、「食事を楽しんでもらうこと」「自分から食べたいという思う気持ちを促すこと」が挙げられます。高齢になると固いものが食べづらくなったり、病気などで好きなものを自由に食べられなくなったりと、できないことや食べられないものが増えてしまい、若いころよりも食事を楽しめなくなってしまいます。

介護士には利用者さんのこうした状況から食事へのモチベーションを上げられるようなケアが求められています。たとえば、握力が落ちた方には少ない力でも持てる箸やスプーンを使ってもらったり、固いものが噛めない方には小さく刻んだりと、状態に合わせた食事の方法やメニューを提供することも食事介助の重要な仕事のひとつです。

食事介助の注意点

食事への意欲が低下する原因として、次のような特徴が挙げられます。一人ひとりの状況に合わせて安全に食事を摂っていただけるよう、常に注意が必要です。

  • 嚥下能力の低下(飲み込みづらくなる)
  • 咀嚼力の低下(噛む力が弱くなる)
  • だ液の分泌量が減ってくる
  • のどの渇きに鈍感になる
  • 消化器官が衰えてくる
  • 味や匂いがわかりづらくなる
  • 食べ物が認識できない(認知症や半側空間無視など)

嚥下能力や唾液の分泌量の低下は、誤嚥を引き起こすこともある重要な注意点です。喉につまらせてしまうだけでなく、誤嚥性肺炎などの病気を引き起こすリスクとなりますので、ひとりで食べられる方でも嚥下能力が低下している場合には必ず見守り介助をします。

座る姿勢も大切です。座りが浅く、口が上を向いたような態勢になるとむせやすくなります。深く腰掛けた状態で、足も床にしっかりつくくらいが好ましいです。軽い前傾姿勢になった際に重心が前にくる形を意識すると食べやすくなります。また机の高さも高すぎず、自分で食べる際にもとりやすい状態にしましょう。椅子や机が調整できない場合は、クッションなどを利用して調整することもできます。

また、認知症などにより食べ物が認識できない場合は誤嚥だけでなく、ほかの利用者さんの食べ物を食べてしまってアレルギー症状が起きたり、熱い飲み物をこぼしてやけどしたりと、さまざまなリスクがあります。そのため、利用者さんそれぞれの状態をきちんと把握し、一人ひとりに合う食事介助の方法を考えましょう。

  • 利用者さんに「食事が楽しい」と感じてもらえるように工夫・介助することが大切!
  • 誤嚥性肺炎などの病気を引き起こすリスクがあるので、常に安全な介助と姿勢を心がけることが重要!

入浴介助

入浴介助は、身体の清潔な状態の維持と心身機能の向上とリラックスを目的に行われる介助です。皮膚を清潔に保つことで感染症を予防します。その他にも血行改善や食欲の増進、安眠作用など、健康へのメリットからも重要なケアとなっています。おむつやパットをしている利用者さんには褥瘡(じょくそう)の予防や改善、拘縮の方には可動域の拡大や筋肉の負担低減など、利用者さんの心地よい生活の基盤となるものでもあります。

入浴介助では、介護士は服を着ていますが、利用者さんは裸です。必要なケアであっても他人に裸を見られることに抵抗感がある利用者さんも多いので、ジロジロ見たり不快に感じる言葉をかけたりしないように配慮が必要です。

入浴介助の注意点

入浴介助をするうえで、次のようなことに注意してケアを行う必要があります。

  • 事故が起こりやすい場所である
  • 麻痺の方への配慮が必要
  • 介助する側も体力が必要なので、体調管理が必要

入浴介助をする場所は床が濡れていたり、外との温度差が大きかったりと、転倒やヒートショックなどの事故が起こりやすい場所です。ふんばろうと思っても、利用者さんを抱えたまま転倒してしまうこともあり、安全に注意しながら介助しなければいけません。

とくに、身体に麻痺のある方は自分の身体をしっかり支えることが難しく、細心の注意が必要です。機械浴やリフト浴を使用する場合には、機器を適切に使用できないと利用者さんにケガをさせてしまうリスクがあります。事前に使い方をきちんと確認しておくなど、しっかりと準備をして入浴介助にのぞみましょう。

また、入浴介助はひとりの介護者が複数の利用者さんを連続で介助します。熱い浴場での介助は体力や身体の水分を大きく消耗するので、介助前と介助後の自身の体調管理に十分に気をつけましょう。

  • 入浴の際は転倒やヒートショックによる事故が起こりやすいので細心の注意が必要!
  • 介護者も体力の消耗が激しいケアなので、自身の体調管理も忘れずに!

排泄介助

三大介護(三大介助)のなかでももっとも重要なケアのひとつとされているのが、排泄介助です。トイレでの自立した排泄を目標としながら、必要に応じてパットやおむつなどを使用していきます。1日の排泄回数には個人差があり、昼夜問わず介助が必要になるため、1日の介助回数もほかのふたつに比べて多いのが特徴です。排泄物から健康状態を把握したり、感染症対策を講じたりするなど、排泄を促すだけではないことにも注意しましょう。

排泄を介助されることに苦手意識を持つ利用者さんは多く、当たり前の行為であるからこそ助けを借りることに「恥ずかしい」「情けない」と感じてしまいやすいものです。入浴介助以上に尊厳を傷つけないような配慮が必要です。

排泄介助の注意点

排泄介助をする際には、以下の点に気をつけましょう。

  • 高齢者は筋力が落ちて我慢が難しくなる
  • 自分で尿意に気づきにくくなる
  • 水分摂取を控えて脱水症状になる
  • 自尊心を傷つけない
  • 自力でできることを増やす
  • 排泄のパターンを掴む

避けたいのは、利用者さんや介護士の都合で水分補給を控えて排泄の回数を減らそうとすることです。水分摂取を減らすと脱水症状が起きるだけでなく、便秘になり苦しさを感じてしまうことがあります。利用者さんのためにも、普段どおりの水分摂取ができるような環境づくりが大切です。

また、我慢したくてもできなかったり、自分では気づかないうちに尿意が限界を迎えたりして、失禁をしてしまうことがあります。このようなときに「どうして早く呼ばなかったの?」など、責めるような言葉をかけてしまうと利用者さんの心を傷つけてしまいます。介護士にとっては仕事が増えて面倒に思っても、その気持ちを利用者さんに伝えてはいけません。

排泄のリズムを掴んで誘導したり、食事後や入浴前など決まった時間に排泄する習慣をつけるなどは、失敗で利用者さんの心が傷つくのを防ぐ効果もあります。

  • 排泄介助で一番大切なことは、利用者さんの「尊厳」を傷つけないこと!
  • 排泄に失敗することが多くなっても水分量を減らさないこと!

介護職の仕事とは

介護職の仕事はケアマネジャーが作成したケアプランをもとに、利用者さん一人ひとりに合ったケアをすることです。たとえば、「嚥下が気になるから見守りを欠かさない」「運動機能を低下させないために、ひとりでできることはできるだけやってもらう」などです。生活のなかで変化に気づいたら、その変化をリーダーやケアマネジャーへ相談し、その都度ケアプランを見直して最適なケアをしていきます。

また、日常的な介護職員の仕事は、おもに次のようなものです。

  1. 三大介護を含む身体介護
  2. 生活援助
  3. メンタル面のケア
  4. 介護上の相談やアドバイス(ご家族を含め)
  5. レクリエーションや送迎  など

専門的な知識や技術が必要になる仕事もありますが、未経験者や無資格者の場合には、介護福祉士のサポートをするかたちで身体介護を行います。ただ、訪問介護において、無資格者は身体介護ができないため、食事の提供や買い物代行などがおもな仕事になります。具体的な仕事内容は、施設によって変わることもあります。

まとめ

食事介助、入浴介助、排泄介助の三大介護(三大介助)は、介護の仕事には欠かせない重要な介助です。介助中に利用者さんの身体や心を傷つけてしまうリスクがあるため、安全の確保や気配りなどが求められます。さらに、利用者さん一人ひとりに合ったケアが必要となり、同じやり方で対応できない難しさもあります。事前に三大介護(三大介助)の重要性を学び、介助の内容を具体的にイメージしておけば未経験でも安心して介護の仕事へ挑戦できるでしょう。