介護事業における定員超過利用減算とは?減算対象やその計算方法を詳しく解説

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介護事業における定員超過利用減算とは?減算対象やその計算方法を詳しく解説

定員超過利用減算は利用定員を超えた介護事業所において、介護給付費などを減額する仕組みです。すべての利用者分が減算されるだけでなく、定員超過が2ヶ月以上続く場合は指定の取り消しにつながるおそれがあります。減算の対象となる利用定員を理解し、基準を超えないよう日頃から注意することが大事です。

この記事では定員超過利用減算の対象サービスや、計算方法など基本的な情報をわかりやすくまとめました。実際の計算例から定員超過にあたるケースも紹介しています。


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定員超過利用減算とは?

定員超過利用減算とは、運営基準で定められた利用定員を超えて運用している事業所の介護給付費を減額する仕組みのことです。定員超過した月の翌月から、基準内の利用定員に戻して超過を改善する月まで減算され続けます。

減算額は、すべての利用者分につき所定単位数の30%分です。非常に大きな減算となりますので、事業者は日頃から定員をオーバーしないよう注意する必要があります。

定員超過利用減算の対象となる介護サービス種別は以下です。

  • 通所介護
  • (介護予防)通所リハビリテーション
  • 地域密着型通所介護
  • (介護予防)認知症対応型通所介護
  • (介護予防)小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
  • (介護予防)短期入所生活介護/短期入所療養介護
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • (介護予防)認知症対応型共同生活介護

【計算例あり】定員超過利用減算の対象をサービス種別ごとに解説

定員超過利用減算は、いずれも1ヶ月ごとに利用者数の平均値を計算して判断します。確認するための計算方法はサービス種別ごとに異なりますので、まずは以下の表で確認しましょう。

【定員超過利用減算 サービス種別ごと計算方法】
通所介護
(介護予防)通所リハビリテーション
地域密着型通所介護
(介護予防)認知症対応型通所介護
利用者数の合計(※)÷サービス提供を行なった日数
※サービス提供日ごと同時にサービスを受けた最大の利用者数を計算し、合算する
(介護予防)小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
(介護予防)短期入所生活介護/短期入所療養介護
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設(老健)
介護医療院
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
(介護予防)認知症対応型共同生活介護
1ヶ月分の利用者延べ数÷サービス提供を行なった日数

平均利用者数の算定する際は、小数点以下を切り上げます。続いて、サービス種別ごとに違反となる事例を計算式にあてはめながら解説していきます。

通所介護や通所リハビリテーションなどの場合

通所介護・通所リハビリテーション・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護では、サービス提供日ごとに最大の利用人数を割り出したうえで、1ヶ月分の合計数から平均値を計算します。単純な来所人数ではなく、同時にサービスを受けた最大の利用者数という点がポイントです。一例を紹介します。

【利用定員35名の通所介護事業所 1日の利用者数例】
9:00~17:00
利用者数20名
9:00~12:30
利用者数7名
12:30~17:00
利用者数9名

この場合、最大の利用者数は9:00~17:00利用の20名と、12:30~17:00利用の9名を足した数です。全体の利用者は36名ですが、最大の利用者数は29名なので、仮にこの状態が続いても定員超過利用減算の対象にはなりません。上記のようにサービス提供日ごとの最大利用者数を割り出し、平均数を計算します。

平均数の計算について、わかりやすい事例を以下で紹介します。

【利用定員が35名の通所介護事業所】
サービス提供日数 1日 2日 3日 4日 5日
最大利用者数 34名 36名 33名 37名 35名
サービス提供日数 6日 7日 8日 9日 10日
最大利用者数 35名 35名 36名 36名 35名

上記のケースの計算式は以下です。
(34+36+33+37+35+35+35+36+36+35)÷10日=35.2名

小数点以下は切り上げるため、平均利用者数は36名です。利用定員35名の事業所では定員オーバーとなります。

また、平均利用者数を35名に抑えられれば減算の対象にはなりませんが、1日の利用者数が利用定員を超えているので運営基準違反になるおそれがあります。その場合、利用定員を遵守するよう行政指導が入る可能性がありますので、注意しましょう。

短期入所介護や介護老人福祉施設などの場合

短期入所介護や介護老人福祉施設、小規模多機能型居宅介護などでは、全利用者数から平均利用者数を割り出します。全利用者数は総数ではなく、延べ数で数えるところがポイントです。1日ごとの利用者数を割り出してから、サービス提供を行なった日数で割りましょう。

たとえば利用定員15名の介護老人福祉施設の場合で考えてみます。サービス提供日が30日のうち、利用定員15名の日が28日、利用定員が16名だった日が2日の場合、計算式は以下です。

(15名×28日+16名×2日)÷30日=15.06名

小数点以下を切り上げるので16名となり、減算対象になります。また、先ほど解説した場合と同様、減算の対象でなくても利用定員を超えている日がある場合は、行政指導の対象となる可能性があります。

そのほか、入所日数から計算する方法も紹介します。

Aさん 9/1入所/入所日数30日間
Bさん 9/10入所/入所日数20日間
Cさん 9/20入所/入所日数10日間

上記の場合、計算式は以下となり、平均利用者数が計算できます。

(30+20+10)÷30日=2名

緊急時の短期利用における定員超過について

短期入所生活介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護においては、緊急時の短期利用に限り、基準を超えた人数での利用が可能となります。緊急時短期利用の定員超過についてそれぞれ解説します。

短期入所生活介護の場合

短期入所生活介護では、以下の条件に限り、利用定員の5%までは減算の対象となりません。

  • 利用者の状況や利用者家族等の事情により、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に必要と認めた場合であること。
  • 居宅サービス計画に位置づけられていないこと。
  • 当該利用者及び他の利用者の処遇に支障がないこと。
引用:小規模多機能型居宅介護|厚生労働省

定員40名未満では1名、40人以上では2名までは利用定員から超過することができます。

ただし、居室以外の静養室で受け入れることが条件です。受け入れ期間は7日以内となり、やむを得ない事情がある場合には14日まで延長が可能となります。

小規模多機能型居宅介護の場合

小規模多機能型居宅介護では、事業所あたりの登録定員が定められていますが、以下の条件に限り、登録者以外の利用が可能となります。

  • 利用者の状態や利用者家族等の事情により、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に必要と認めた場合であること。
  • 人員基準違反でないこと。
  • 登録者に対するサービス提供に支障がないこと。
  • 登録者の数が登録定員未満であること。
  • サービス提供が過少である場合の減算を算定していないこと。
引用:小規模多機能型居宅介護|厚生労働省

この場合、「宿泊室の数×(事業所の登録定員‐登録者数)÷事業所の登録定員」で計算し、必ず定員以内の人数になることを条件に受け入れが可能です。受け入れ期間は基本的に7日以内ですが、やむを得ない事情がある際には14日まで延長できます。

受け入れができる部屋は、1人あたり7.43㎡以上が確保できる個室です。個室でなくても、パーテーションなどで囲われてプライベートが守られている場所でも可能となります。

認知症対応型共同生活介護の場合

認知症対応型共同生活介護では、以下の条件に限り、1事業所につき1名まで受け入れが可能です。

  • 利用者の状況や利用者家族等の事情により、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に必要と認めた場合であること。
  • 居宅サービス計画に位置づけられていないこと。
  • 人員基準違反でないこと。
  • 当該利用者及び他の利用者の処遇に支障がないこと
  • 事業を行う者が3年以上介護サービス運営している経験があること。
  • 十分な知識を有する従業者が確保されていること。
引用:小規模多機能型居宅介護|厚生労働省

上記「短期利用者およびほかの利用者に支障がないこと」という条件に関しては、利用期間中に人員基準を満たしたうえで、短期利用者用の個室があることが条件となります。この個室にはサイズの規定はありませんが、十分にサービス提供ができる広さの部屋を用意しましょう。受け入れ期間は7日以内となります。

定員超過利用減算の注意点

最後に定員超過利用減算について、定員に含まれない利用者や定員超過が続く場合の注意点について解説します。

定員に含まれない利用者

災害や虐待など、やむを得ない事情で定員を超過した人数を受け入れる場合は、その利用者を定員に含まなくてよいことになっています。次月もやむを得ない事態による定員オーバーと判断される場合、翌月も減算の対象にはなりません。詳しくは管轄の自治体に確認しましょう。

緊急時については、事前にしっかりと想定しておくことが必要です。下記の記事にポイントをまとめていますので合わせてご確認ください。

定員超過が続く場合は指定の取り消しも

都道府県知事は事業者に対し、定員超過を解消するよう指導する役割があります。その指導に従わず定員超過の状態が2ヶ月以上続くと、指定が取り消される場合があるので十分注意しましょう。

定員超過利用減算を避けるために仕組みをよく理解しよう

定員超過利用減算は、減算されるだけでなく、指定の取り消しにつながるおそれがあるため気をつけましょう。減算しないように計画的に入居者や利用者を受け入れることが重要です。また、定員に含まれない利用者がいたり、サービス種別ごとに計算方法が違ったりなどルールが細かいので、仕組みをよく理解することも重要となります。

何より利用定員を守ることは、安心・安全のケアにつながります。法令遵守は、質の高いサービスを提供するためにも、利用定員を超えないよう日頃から注意してください。

また、一方で体制を強化することで加算がもらえる仕組みもあります。詳しくは下記の記事で解説しています。

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