介護で必要なホスピタリティとは

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介護で必要なホスピタリティとは

皆さんはホスピタリティという言葉を聞いて、どのようなことを想像しますか?介護従事者に求められるホスピタリティを学ぶためには、まずはお客様のお気持ちに寄り添うことが大切です。

今回は「介護で必要なホスピタリティ」についてご紹介しますので、皆様の職場の介護の質の向上にご活用頂ければ幸いです。

介護従事者に必要なホスピタリティを学ぶためには

  1. ホスピタリティの言葉の意味を理解しましょう
  2. ホスピタリティと接遇マナーを理解しましょう
  3. ホスピタリティの3つのポイントを理解し、お客様のお気持ちに寄り添う気持ちが大切です。

あなたは、どんなサービスを受けたことがありますか︖

  1. あなたは、日頃どんなサービスを受けていますか︖
  2. サービスを受けたときの気持ちは? 嬉しかったときは?
  3. サービスを受けたときの気持ちは? 嫌な気持ちになったときは?

ホスピタリティを考える時、日頃皆さんが社会生活の中で、受けているサービスについて考えることが重要です。

そもそも、サービスって何だろう︖

            要望・実現したい生活

お客様(サービスの受け手)→→→→→→→→→皆さんの施設・事業所(サービス提供者)
                対価

            介護計画/介護サービス
             ←←←←←←←←←
              サービス提供

自分のして欲しいことをしてもらうために、お金(対価)を支払います。「お客様がしたいこと(して欲しいこと)」というサービスをご提供しているのが、私たちです。お客様に評価されてこそ、成り立つサービス事業です。サービスの評価はお客様であるサービスの受け手側にあるのです。

ホスピタリティについて

ホスピタリティという言葉から想像することは︖

  1. あなたはホスピタリティと聞いたとき何を想像しますか︖
  2. ホスピタリティを持って仕事を進めていくということは︖

困っている人がいたら助けたい、何気ない言葉が励ましや勇気になるなら、かけたいという気持ち、すなわち皆さんの優しい気持ちがホスピタリティです。

介護事業において、「ホスピタリティ」が重要だと言われる理由

介護業界で使われている「ホスピタリティ」という言葉には、

  1. 相手を尊重し
  2. 相手に愛情を持ち
  3. 相手のために心を配り
  4. 相手のために真心を尽くす

という意味が込められています。

ホスピタリティを持つためには・・・

  1. 相手(お客様)が何を望んでいるのか︖を追求しましょう
  2. 相手(お客様)の表情の変化に気づきましょう
  3. お客様のおっしゃっている言葉の奥にある本当の気持ちは何だろうと考えるようにしましょう

そのお気持ちを想像していくと、本当の望みを紐解いていくことが出来るようになります。そのためにはお客様へ感謝の気持ちを持ち、心からお客様を思う心を持って、お客様の気持ちに共感することです。

ホスピタリティの3つのポイント

  1. 目配り➡「観察力」
    ホスピタリティの入口です。人には、それぞれの表情があります。相手を注意深く観察することで、相手のメッセージを受け取ることが出来ます。相手のメッセージを的確に受け取るためには「観察力」を身につけましょう。
  2. 心配り➡「想像力」
    ホスピタリティの中心です。相手のメッセージを受け取り、何をしたら相手のためになるか考えましょう。相手の気持ちを汲み取るには、「想像力」を身につけましょう。
  3. 気配り➡「表現力」
    ホスピタリティの仕上げです。相手が喜ぶためには、どのような方法でサービスを提供するかを考えます。 自分の言葉や動作に気を遣う、「表現力」が決め手になります。

この1から3を踏まえてですが、例えば、Aさんが怒ったような表情で食堂の席で座っておられました。皆さんは、Aさんのお気持ちをどのように考えられますか?

ホスピタリティから生まれてくる介護

  1. ホスピタリティの3つのポイントは、介護に通じるものがあります。 なぜならばスタッフの気づき(観察力)から始まり、どうしたらお客様が喜ぶだろうと考える(想像力)ことにつながり、 それをどう実践(表現力)につなげるかになるからです。
  2. ケアカンファレンスなどで、上記に記した3つのポイントが実践できているか、自分たちがお客様のお気持ちに沿っているのかを事例検討しながら振り返るのも一つの手法となります。

やはりここでも大事なキーワードは、「それはお客様にとってどうなのか?」ということです。

ホスピタリティが活かされたお食事提供

ホスピタリティの3つのポイントは、お食事にも通じるものがあります。お食事を召し上がっていらっしゃるときの表情、お食事の進み具合などを観察することで、どんなお食事が喜ばれているのかがわかります

そして想像して、お客様から喜ばれるお食事提供をするために厨房職員と共に相談をしながら具体的なメニューを決めて、食事作りに取り掛かりましょう。

やはりここでも大事なキーワードは、「それはお客様にとってどうなのか?」は、「お客様に喜んでいただくためには?」と追及していくことです。

「ホスピタリティ」と「接遇マナー」とは

  1. 「ホスピタリティ」とは
    思いやり・心からのおもてなしという意味
  2. 「接遇マナー」とは
    自分の中にある「おもてなしの心」(ホスピタリティ)を目に見える形にして相手に伝えること。 つまり、「人を尊敬し、大事にする思い」を日頃の行動や作法で相手に伝えることとなります。 だから、私たちの仕事では、「接遇マナー」が必要なのです。

しかしながら・・・「私はこんなに○○様の事を思っているのに分かっていただけないんです。」 と思ってしまう事はありませんか?思いがあっても、それを行動や作法で相手(お客様)に伝えないと ただの一方通行になってしまいます。もしかすると、「お願い事ばかり」していませんか?

お客様のお気持に寄り添うために「ホスピタリティ」は必要です!

本来、「何を欲しているのか、ご満足いただけるか」は お客様の心の中にしかありません。だからこそお客様としっかり向きあい、 耳を傾け聴くことをしなければいけません。お客様の言葉の奥にある本当のお気持ちは何だろうと考え、 知ることが大切です。これがお客様の心に寄り添うという事です。

この寄り添う事を忘れてしまうと勝手に自分で作り上げてしまい、 それを一方的に、押し付けでサービス提供してしまう事となり、「どうして分かっていただけないんだろう?」の気持ちが生まれてしまうのです。

皆さんの介護現場においての「ホスピタリティ」とは

日々、介護現場では様々な職種が連携を取りながら、

お客様は喜んでくださるだろうか?
お客様が笑顔になっていただけるだろうか?
お客様に幸せになっていただけるだろうか?

と考えて、何かできることがあるのではと試行錯誤を重ねています。 そして、お客様のご要望される生活の実現のために、どうしたらいいかを追求しながら、一つひとつ実現につなげていっています。 まさにこれが「ホスピタリティ」です。

まとめ

私たちの施設・事業所の介護は、法人としての使命=社会の役に立つという事が根底にあります。

サービス業に従事しているものとして社会に役に立つということは、サービスの受け手であるお客様が望まれていることに応じていくことが求められます。 いかにお客様も満足していただけるかが大事です。

だからこそ私たちが仕事をする上では、ホスピタリティの気持ちを持ちながらお客様に接する事が大切ですので、皆さんの職場全体でホスピタリティの対応が出来るように努めましょう!

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