転職経験者はここを見ている!介護事業者が求人情報を書く際のポイントとは?

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「求人情報を出しても、全く応募がこない!」と頭を悩ませている皆様。普段出している求人情報は、求職者に関心を持ってもらえるものになっているのでしょうか。

今回、転職経験のある現在介護職員として働く12名の皆さまに、実際に様々な求人情報を見て頂き、どのような点をチェックしているか、魅力のある求人情報とはどのようなものなのかといったテーマでお話を伺いました!

筆者が「そこまで見ているの?」と突っ込んでしまいたくなるくらい、様々な視点で、情報を収集しているようです。

どのようなことを意識すると、求職者の関心を集めるのか、求人情報に載っている「写真」「内容」「条件(福利厚生・給与)」に分けて、探っていきましょう!

画像なしの求人情報は、内容を読む気が起きない?

求人情報の掲載時に、求職者の目につくよう、画像掲載欄があることが多くありますが、その欄に掲載する写真は、求職者の皆さんが詳細を読むかどうかを決める際の判断材料になっているとの意見が多くありました。「写真が載っていない求人票は、そもそも読む気が起きない」との意見も。

介護福祉業界の有効求人倍率は3.88(2020年8月数値 参考:厚生労働省「一般職業紹介状況」)と求職者にとって多くの求人がある中で、写真の有無で求人票を読む機会もなくなってしまうのは、とても残念です。

「よい画像がない」、「時間がない」ということで、画像掲載がなかったり、イメージイラストやロゴをつかったりされているケースもありますが、より多くの求職者に関心を持ってもらうため、まずは自社の魅力を届けるための画像を用意しましょう。

画像を掲載する際のポイント・スタッフや利用者の普段の様子が伝わる写真を選ぶ

では、どのような写真を掲載するとよいのでしょうか?一番好評だったのは、利用者や職員の活動がよく見える写真でした。そのような写真は、「自分が働いたときのイメージがしやすい」、「どんな雰囲気なのか、どんなケアをしているのか写真から感じることができる」とのことです。外観・内観だけではなく、人をしっかりと出していくことで、文字では伝わらない職場の雰囲気を伝えていきましょう。また掲載のポイントとして、掲載用に撮影したポーズを決めている集合写真のようなものではなく、実際に働いている様子の写真の方が、働いているイメージがつきやすく好評でした。

アットホームな職場、認知症に特化した施設って…?

求人情報の内容は、数多くある求人情報の中から自社で働きたいと求職者に思ってもらうための重要な部分です。その為にも、自法人ならではの魅力や求職者が安心できる情報を届けていく必要があります。実際にいくつかの求人情報を見てもらうと、同じような文言が使われており、「他法人との違いがわからない」との声が上がってきました。自社ならではの魅力、様子、取り組みを伝えていくことが重要です。

求人情報を記載する際のポイント

具体的に行っていることを記載し、他法人との差別化を

「アットホームな職場です。」
「認知症に特化した施設です。」

という文言だけではどんな職場かわからないという声が沢山ありました。

「20代~70代まで幅広い世代の人が働いており、世代や職種を越えて助け合える、アットホームな職場です。毎朝、全職員と今の気持ちを共有する会を行い、他の職員と話す機会を設けています。」

「認知症に特化した施設だからこそ、1人1人のケアの時間を重要にしており、事務作業や清掃作業に時間がかからないよう最新の機器を利用しています。」

といったように、具体的な情報をより載せていくと、イメージがしやすく、他の法人との違いも出てきます。自法人の魅力を伝えていく為に、抽象的やありきたりな言葉ではなく、より具体的に掲載することを心掛けましょう。また実際に伝えたい法人の特徴・良さが写真とセットになって紹介されていると、より求職者に伝わりやすくなります。

採用したいターゲットを明確にする

また、もう一つ意識をして頂きたいのが、採用したいターゲットを明確にし、そのターゲットに届けたい内容を記載することです。

今回お話を聞いた経験者の皆さまは、長年の経験とそれぞれの介護観を持っており、転職時に重要視する点も人それぞれでした。

転職する上で、「自分が活躍できる場所なのか」「自分が必要とされているか」といったことを重視されている方も多くいました。誰がターゲットなのか曖昧な求人情報の場合、「来てくれるならだれでもいいのかな」「これまでの経験を評価してくれなさそう」といった懸念を抱いてしまうようです。

経験者向けのメッセージや、経験を考慮した給与体系の記載などがあると、きちんと経験を評価してもらえると感じることができ、介護職経験者には好評でした。反対に、介護の仕事の未経験者の場合、研修等の未経験者向けのサポートの記載が多いと、安心感が生まれるそうです。

「どういった人物を求めているのか」「求職者にどう活躍してほしいのか」ということも、求人情報でしっかりと伝えていくことが重要です。

実際、自分はいくらもらえるの?

給与の記載の仕方は、基本給などの固定費のみを載せる、夜勤手当・時間外手当などの変動費を込みで載せる等、様々な形があります。(※求人媒体によっても記載内容は変わります。)今回お話を聞いて、媒体や法人によって掲載方法がバラバラで、「実際にもらえる金額のイメージがつきにくい。」との声が多くありました。

転職活動をする上で、「実際に希望する給与がもらえるのか?」「生活できるのか?」といったことが読み手に伝わるように、年収の記載や、経験年数、資格手当などを分かりやすく記載することが重要です。

給与・待遇面を記載する際のポイント

給与はいくらもらえるかが明確に分かるように載せる

「月収:210,000円~250,000円」といった記載の場合、実際に自分はいくらもらえるかイメージできるでしょうか。媒体の種類にもよりますが、上記金額に何が含まれた金額なのか手当や賞与までしっかりと記載していくとよいでしょう。

月収:210,000円~250,000円(※夜勤手当4回分・諸手当含む)

■内訳
・基本給:180,000円

・諸手当:
 夜勤手当:5,000円/回
 資格手当:

 介護職員初任者研修:5,000円
 介護職員実務者研修:10,000円
 介護福祉士:20,000円
・住宅手当:

 世帯主の場合(扶養家族あり):30,000円
 単身者・扶養家族なし:10,000円

・別途支給:

 時間外手当(月平均8時間)

 通勤手当

 役職手当


■賞与:年2回、合計3ヶ月(昨年実績)

さらに年収モデルも掲載できるとよりイメージがつき、キャリアもイメージしやすくなります。

■年収モデル※賞与(月収3ヵ月分)を含む金額
介護職員(入社5年目・役職なし・扶養家族なし・介護福祉士ありの場合):345万円
リーダー職(入社10年目・扶養家族あり・介護福祉あり):420万
管理職(入社20年目・扶養家族あり):550万

上記すべての記載は難しくても、「夜勤〇回含む。資格手当は別途支給有」のような記載があるだけでも変わってきます。給与の記載が不十分で、応募前に本来の給与よりも少なく見えてしまったり、応募後に求職者のイメージしていた金額よりも少なかったりといったようなことが起きてしまうことも懸念されます。本来の給与が正しく伝わらず、応募や入社のネックとなってしまわないよう、求人情報への給与や待遇面は明確に記載するとよいでしょう。

処遇改善手当の使い道も明記する

「処遇改善ってどこに使われているの?」という、経験者ならではのお声も出てきました。
処遇改善が記載されている求人票、されていないものがありましたが、処遇改善がしっかり還元されているか、使い道の記載があると安心できるようです。

求人情報を書く時のポイント(まとめ)

写真・画像掲載のポイント

  • 普段の働く様子、生活する様子が見える写真を載せる
  • 特徴や法人内の見せたい部分を載せていく

求人情報の記載内容のポイント

  • 働いているイメージが持てる内容を詳しく載せる
  • 自社ならではの特徴がわかる文章にする

給与や条件を記載する際のポイント

  • 給与や福利厚生、実際にいくらもらえるのかが明確になるよう記載する

転職活動は、人生の節目の重要な行事です。今回お話を聞いた転職経験者の皆さんは思った以上に、求人情報を読み込み考察しているようでした。今回お話を聞いて、それぞれ重要視している部分は違うものの求人情報から安心や信頼感を持てるものが特に好評でした。載せるべき情報が正しく載っているか、そして定期的に情報が更新されているか今一度、自社が出している求人媒体の確認をしてみましょう。

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