喀痰吸引等のスキルを習得する!研修と資格申請方法、費用について解説

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介護職員が習得したいスキルのひとつに「喀痰吸引等」があります。喀痰吸等引とはどのような内容の行為なのか、また、資格を取得するために必要な研修や費用について紹介します。対応可能な介護サービスの幅を広げるためにも、ぜひ参考にしてください。

喀痰吸引等の読み方と意味

喀痰吸引 読み方 意味

喀痰吸引(かくたんきゅういん)等とは、痰の吸引と経管栄養のことを指します。口腔内や鼻腔内、あるいは気管カニューレの内部にある痰を吸引して除去したり、食事から栄養を摂取することが困難で、胃ろうや腸ろう、経鼻経管栄養を利用している患者さんのサポートを行ったりします。

痰の吸引と経管栄養のいずれも医療行為であるため、元々は医師か看護師しか実施できませんでした。しかし、社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、介護福祉士などの介護職員も指定された研修を修了することで喀痰吸引等に関わる医療行為が可能になりました。

また、2017年1月以降に介護福祉士の資格を取得した場合や、2016年度以降に介護福祉士養成校を卒業した場合には、実地研修を修了すれば実施が可能になります。

3つの種類の喀痰吸引等研修

種類 喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修には、「誰を対象に実施するか」と「どんな行為を行うか」によって3つの種類にわかれます。それぞれの研修内容について見ていきましょう。

第1号研修の内容と修了によりできること

3つの喀痰吸引等研修のなかでもっとも対象者と行為の幅が広いものが「第1号研修」です。

研修内容講義50時間各行為のシミュレーター演習実地研修
喀痰吸引等の対象者不特定多数の人
修了により可能になる行為・喀痰吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
・経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻)

第2号研修の内容と修了によりできること

第2号研修では第1号研修よりも実地研修内容が2つ少なく、研修修了後も実施することができません。スキルアップを目指すならば、喀痰吸引等に含まれるすべての行為が実施可能になる第1号研修を受けるほうが良いでしょう。演習時間に差はあるものの、講義時間数はどちらも50時間なので、修了までにかかる時間に大きな差はありません。

研修内容・講義50時間
・各行為のシミュレーター演習
・気管カニューレ内部の喀痰吸引と経鼻経管栄養を除く実地研修
喀痰吸引等の対象者不特定多数の人
修了により可能になる行為・喀痰吸引(口腔内、鼻腔内)
・経管栄養(胃ろう、腸ろう)

第3号研修の内容と修了によりできること

ほかの研修と比べて対象者が減るだけに、講義時間や演習時間も短く、資格習得までの時間も短いため、すぐに喀痰吸引等を行う必要があるときには適した研修といえるでしょう。

たとえば、重度の心身障害者を抱える施設に勤務している介護職の方や、訪問介護などの現場で喀痰吸引や経管栄養を行う必要のある方は、もっとも短時間で資格取得が可能な第3号研修を検討するのが望ましいといえます。特に次のような機関で介護に携わっている方は、第3号研修を受けるように勤務先から勧められることがあるでしょう。

  • 特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホームなどの高齢者向け介護施設
  • 障害者向けの通所施設やケアホーム
  • 特別支援学校などの障害児や障害者向けの教育施設
  • 訪問介護

ただし、今後別の職場で働くことを考えるならば、不特定多数の人を対象とする第1号研修や第2号研修を受けておくほうが良いでしょう。第1号研修を修了して認定証を保有しているならば、転職先が見つかりやすくなるかもしれません。

また、資格を保有していることで資格手当が支給されることもあります。第1号研修や第2号研修を選択するときには、資格取得までには時間がかかるという点がネックになることがあります。

今すぐ現場で必要とされている場合には第3号研修を選び、後で改めて第1号研修や第2号研修に申込むというのも選択肢の一つです。

研修内容・合計9時間の講義と演習※
・必要な行為に関してのみの実地研修
喀痰吸引等の対象者・筋萎縮性側索硬化症(ALS)や類似する神経
・筋疾患筋ジストロフィー
・高位頚髄損傷
・遷延性意識障害
・重症の心身障害を患っている療養患者・障害者
修了により可能になる行為実地研修をした行為のみ

※重度訪問介護従事者養成研修と併せて実施する場合は、講義と演習の合計時間が20.5時間となります。

2017年以降に介護福祉士の資格を取得した場合は実地研修のみ

法改正により、介護福祉士の養成課程は大きく変わりました。課程内に喀痰吸引等の講義や演習が含まれることになったため、2016年度以降に介護福祉士養成校を卒業した場合、もしくは2017年以降に介護福祉士の国家資格を取得した場合には、実地研修のみで喀痰吸引等ができるようになります。

ただし、何らかの事情で途中休学した場合など、卒業までに喀痰吸引等の資格取得に必要な単位を取得していないケースもあるでしょう。喀痰吸引等の単位を取得していない場合には、2016年度以降に卒業したとしても講義や演習が必要になることもあります。不明な方は卒業した学校に連絡し、喀痰吸引等の資格取得に必要な研修について問い合わせておきましょう。

喀痰吸引等の資格を取得するための手順と費用

喀痰吸引等 資格 取得手順 費用

喀痰吸引研修にかかる法改正前に介護福祉士の資格を取得している方やそのほかの介護職員は、第1号~第3号のうちいずれかの喀痰吸引等研修を受けることで当該医療行為が出来るようになります。

また、法改正後に介護福祉士の資格を取得している場合には、実地研修だけで行えるようになります。いずれも介護職に従事する方が自ら資格取得のための手続きをしなくてはいけません。その手順と費用について見ていきましょう。

自治体で実施している研修に申し込む

都道府県庁や登録研修機関、介護福祉士の養成施設などさまざまな団体が喀痰吸引等研修を実施しています。お住まいの都道府県の自治体に問い合わせ、第1号~第3号研修あるいは実地研修のみのうち、該当する研修に申し込みましょう。

なお、申し込み先(実施団体)によって費用は異なります。おおよその費用は以下のとおりです。

第1号研修第2号研修第3号研修実地研修
80,000~200,000円80,000~200,000円25,000~60,000円15,000~20,000円

研修修了後、認定申請手続きをする

研修が修了すると「修了証明書」が交付されます。交付を受けたならば、住民票のある都道府県の役所で申請手続きを行いましょう。申請用紙には修了証明書の写しを忘れずに添付します。

交付元の自治体において修了証明書の内容を確認した後、「認定特定行為業務従事者認定証」が交付されます。登録手数料は1,000〜1,500円前後(自治体により異なる)で、そのほかに認定証発送のための郵便代や簡易書留代が必要になります。

喀痰吸引等研修を受けてスキルアップしよう

喀痰吸引等研修 スキルアップ

喀痰吸引の認定特定業務従業者認定証を保有していると、利用者さんに対する対応の幅を広げることができるでしょう。介護職としてのスキルアップを目指したい方にはおすすめの資格です。

2017年以降に介護福祉士の資格を取得している方であれば実地研修だけで、そのほかの介護職員であっても第1号~第3号の研修によりできるようになります。まずは都道府県の自治体に問い合わせて研修等を実施している団体を選ぶことから始めましょう。

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